へそまがりの読書日記

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2016年04月02日
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カテゴリ: 読書記録

ヒポクラテスの誓い




栂野真琴は浦和医大の研修医。

単位不足のため、法医学教室に入ることになった。

真琴を出迎えたのは法医学の権威・光崎藤次郎教授と「死体好き」な外国人准教授キャシー。

傲岸不遜な光崎だが、解剖の腕と死因を突き止めることにかけては超一流。

光崎の信念に触れた真琴は次第に法医学にのめりこんでいく。

彼が関心を抱く遺体には敗血症や気管支炎、肺炎といった既往症が必ずあった。

「管轄内で既往症のある遺体が出たら教えろ」という。なぜ光崎はそこにこだわるのか ー 。

解剖医の矜持と新人研修医の情熱が、隠された真実を導き出す ー 。






浦和医大の法医学教室を舞台にした、5話からなる法医学ミステリー。

タイトルにある「ヒポクラテスの誓い」とは何か、作中にも出てきますが、詳しくは こちら をご覧下さい。

医学に携わる者の心構えですね。

この本の中では、死者に対しても、生者を診るのと同じ姿勢で向き合うようにと書かれています。



浦和医大の法医学教室に運び込まれた(強引に運んできた)遺体を解剖することによって、それまで病死や事故死だと思われた5人の死に隠されていた真実が明らかになっていきます。

もともと法医学ものが好きなので、その過程を興味深く読みました。

それ以上に面白かったのが登場人物のキャラです。



医大に属していながら、組織の利益や保身を全く考えない光崎教授。



横柄なように見えて、なかなか鋭いところがある埼玉県警の古手川。

栂野真琴が完全に霞んでしまいましたね…





ここからがっつりネタバレです。

隠された真実も、犯人(?)も出てきます。

ご注意!!










既往症のある遺体に光崎教授がこだわった理由、それは同じ浦和医大の津久場教授にありました。

亡くなった5人は浦和医大で津久場教授の治療を受けていたのです。

津久場教授は5人にロセフィンという薬剤を使用しました。

これは単独使用だと問題ないのですが、カルシウムを含有する輸液に配合させると血管内に多くの血栓を生じさせます。

光崎教授は一人目の遺体を解剖した時、血栓の由来に思い当たり、「管轄内で既往症のある遺体が出たら教えろ」と指示したのです。



医療過誤が発覚すれば訴訟が起き、請求される賠償金は莫大なものになります。





光崎教授が解剖しなければ真実は隠されたまま、ただ病死や事故死として処理されてしまったはず。

死因がどうであれ、亡くなった人は帰ってきません。

が、死者の尊厳を守ることは遺族をも守ることなんだろうと思います。












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最終更新日  2016年04月02日 22時06分33秒


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