成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2009.02.28
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今回の出張のもうひとつの目的が、松山で、瀬戸内のうまい魚と地酒をいただくことだった。夕食は、松山のあるホテルの総支配人、Zさんとご一緒した。

Zさんは、30代半ばの若手ながら総支配人(GM)に抜擢され、ひとり松山に乗り込み、ホテルの再生(というより、建物だけは以前のホテルから引き継いでいるものの実質的には新ホテルの立ち上げというべきか)を任されている、新進気鋭のホテルマンである。ホテルのGMというのは、組織の長という意味では他の管理職と同じだが、部下に当たるスタッフ一人ひとりの接客が「商品」にあたるためリーダーシップやマネジメント力が試される大変なお仕事である。業務スキル、向上意欲、マネジメント力、人柄、いずれが欠けてもいいGMにはなれない。だがZさんなら成し遂げられるだろう。

Zさんは、ホテルを含む第三次産業は、消費者のニーズに対応して常に変化しないといけないと、さかんにおっしゃっていた。同感である。街の古い喫茶店はどんどん姿を消しているが、コーヒーを味わったり座って時間をつぶしたりする人が減ったわけではなく、スターバックスやタリーズは店舗をどんどん増やしている。地方の商店街はシャッター通りと化しているが、郊外のロードサイド店は大繁盛しており、買い物客の総数が減ったわけではない。消費者の気持ちは移ろいやすく、その変化を早期にキャッチして対応していった業態だけが残っていくのだ。

現実には、地域の業界全体で変化に対応しようとしないことに、Zさんはとても歯がゆく感じているようだ。大手旅行代理店からの大量送客に慣れたホテル旅館業界が受け身の体質であることは、ホテルで10年勤務した私はよく知っている。瀬戸内の温暖な気候と豊かな土地柄は、競争を嫌い変化を拒む県民性を育んだのだろう。みんなの食い扶持がある程度確保されているなら、無理に競って脱落者を出すよりも、みなで分け合えば全員が幸せになれるのだろう。ホテル旅館業界、わけても松山の雰囲気がよく伝わってきた。

だが、「受け身で、変化を嫌う体質」とは、どこかで聞いたことのある話ではないか。いや、これはひとり松山に限った話ではなく、またホテル旅館業界やバス業界に限った話ではなく、この国全体の病理ではないのか? 年に何度かの激しい台風や地震を首をすくめて耐えればさえ、残りの毎日は比較的すごしやすい気候風土が生んだ受け身の気性を基層とし、戦後の高度成長がえんえん続くと信じられてきた右肩上がり神話を表層とする、日本人の特性。本当に右肩上がりが続く中ではそれでよい。だが、いま時代は成熟している。このままではこの国は成長の歩みを止め、やがては後退を始める。このままみなが受け身のままで、私たちはいまと同じ何不自由ない生活を続けることができるのか?

マーケット(需要)は「お上」が与えてくれるもの。誰もが食いはぐれのないように平等に分配。その結果が、画一的でお仕着せのサービスを「心のこもったおもてなし」と信じ込み、気がついたら消費者にあきられていた日本の旅館業界を生んだのだとしたら、それは旅館業界だけの問題なのか? それとも、バス業界も含めたこの国全体の問題ではないのか?

私も、もう一度心の中の耳を澄ませ、消費者(乗客)の声を真摯に聞いてみよう。元気づけてくれたZさん、貴重な出会いをセットしてくれたHさん、ありがとう。今回はすれ違いになってしまったKさん、次回はぜひ。








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Last updated  2009.02.28 15:29:57
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京帝117@ ご参考まで この度 K電鉄バスの取締役安全技術部長に…
京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
成定竜一@ Re[1]:中央高速バス~ふたつの路線~(02/24) 京帝117さん、コメントありがとうございま…
京帝117@ Re:中央高速バス~この風は、山なみの遙かから~(03/02) 86年に私と、その後KKKに入社したH君の2…
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