成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2009.09.16
XML
カテゴリ: 高速路線バス
いつの日にか実現するであろう、既存事業者の、いわゆる「4条」商品の取扱開始に向け、それを前提としたシステム改修や「利用規約」の改定など必要な対応だけは既に佳境に入りつつある一方、自分自身は、より多くの既存事業者にコンタクトし私のサイトでの販売をご提案する毎日である。初めてご連絡する会社、以前は前向きだったのにご担当者が代わって疎遠になった会社、そして、ご担当者ご本人は非常に前向きなのに、会社としてはなかなかご決断いただけずご担当者と私が一緒に悔しがっている会社など様々である。

昨日も、その熱心なご担当者から「今回のタイミングでの提携は見送りさせて欲しい」というご連絡をいただいたばかりだ。バス部門としての結論だという。「ご存知のとおり、鉄道系の会社というのは何事も一番乗りというのが嫌いで…」と恐縮されたが、その感覚は私にはよくわかるし、ましてご担当の方を責めるつもりはないものの、今後の参考にするためにその理由だけは聞いておきたい。「その理由はどの辺なんでしょうね? トップの方が、私のサイトが自ら高速ツアーバスを企画実施しているとまだ誤解なさっているからでしょうか? それとも、高速ツアーバスと並べて販売されるのがポリシー的に合わないということでしょうか? あるいはコストをご心配なんでしょうか? それとも他に何か…」「いやあ、明確な理由はないと思います。とにかく、新しいことができない体質で…」。まあ、わかった上でそれを何とか変えていきたいというのが私の思いなのだから、繰り返しチャレンジし続けるしかない。

この例は、逆に言うと、正式に会社として会議にかけていただけるまでに至ったケースだ。そこまで進まず、「なんとなく」のお話しかできていない会社も多い。面白いのが、踏み込んだお話に進むためには、思い込みから生まれる誤解をたくさん解いていかないといけない点だ。

まず、高速ツアーバスを自ら運営しているように誤解されているのがその一番目だ。「いえいえ、私たちは販売だけをお手伝いさせていただく立場なんです。現に、当社の宿泊予約部門は御社グループのホテルと深いお付き合いをさせていただいてますよ」。次に、私のサイトで販売するとなると自分たちの商品を高速ツアーバス(募集型企画旅行)形式にしないといけない、と思いこんでいる方もいらっしゃる。「商品によって、募集型企画旅行の受託販売の形か、乗合の手配旅行の形か、選べるように準備をしています」。最後に、私が取扱いたい商品は、高速ツアーバスが強い大都市間、夜行路線だと思い込んでおられる。「ウチは東京-大阪もやってないしそもそも夜行路線もないから」「いえ、東京-大阪は高速ツアーバス商品があるので、逆に彼らが弱い地方路線、多頻度の昼行便を売らせて欲しいんです」。既存事業者にとっては、昼行路線は既に定着しており相応の乗客がついている一方、高速ツアーバスの新規参入もほとんどないから、販売力強化の必要性など思いつきもしないのだろう。

振り返ってみると、東京-大阪のような大都市路線は、高速路線バスの世界ではつい数年前まで「ドル箱」だと思われてきた。たしかにダブルトラックが運輸省から認可されない時代から、郊外を発着する路線(例:八王子-大阪、新宿-枚方)が複数存在し事実上マルチトラックであったし、JRバスグループは同一路線に何便も設定し、首都圏-京阪神の間は1日に数十台の高速路線バスが運行されており、それをもって「ドル箱」だと思い込んできた。しかし高速ツアーバス業態が誕生しウェブマーケティングを活用することで、いまは1日に数百台レベルでバスが動いている。実際には既存事業者が満足していたより数倍のポテンシャルがあり、彼らはそれをうまく掘り起こせていなかったのである。

いま既存事業者は、大都市と地方を結ぶ多頻度昼行路線には乗客が定着していると満足しているが、それで十分なのか、というのが私の問いである。首都圏-京阪神ほどではないにせよ、まだまだポテンシャルがあるのではないのか。その潜在需要を掘り起こすためには、どのような手法が有効なのか。目の前に一定数のお客様がいることに満足して拡大の可能性を排除してしまえば、大都市路線と同じ結果(高速ツアーバスの台頭)を招くことにはならないか?

と、ここまで書いて自分でハッとする。結局私は、既存事業者の高速バスを応援したいだけかも知れない。本音のところは、いまの取引先には申し訳ないけれど、既存事業者の高速バスを守るためにホワイトスペース(まだ誰も掘り起こしていないマーケット)を先に埋めてしまって、高速ツアーバスが参入してくるのを防ごうとしているのではないか? まあ正直言って、あくまで個人の立場ではそれを否定できない。でも、会社の立場としてはそうでないこともまた事実である。新規も既存も、高速ツアーバスも高速路線バスも関係なく、幅広く「高速バス」を広く世間に知らしめ一人でも多くの人に利用してもらう。そのためには1本でも多くの路線を取扱いたいし、もし両方のバスが走っている路線であれば、私のサイトは「検索→比較→予約」サイトだから、どっちのバスを選ぶかは一人ひとりの利用者に委ねよう、という考えは、会社としてはブレることはない。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.09.16 19:34:36
コメント(2) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


高速バス販売  
basukeiei さん
>新しいことができない体質で…


なかなか思いが通じないですね。
でも、いつの日か、ですね。 (2009.09.27 10:10:25)

Re:高速バス販売(09/16)  
basukeieiさん、いつもコメントをいただきありがとうございます。とはいえ、「あと一歩」というところまで来た手ごたえは感じています。大手の路線バス事業者で長い経験と実績をお持ちのbasukeieiさんから応援いただいているのは、気持ちの上で本当に大きいです。今後ともよろしくお願いします。 (2009.09.28 17:51:15)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Profile

nalys

nalys

Comments

京帝117@ ご参考まで この度 K電鉄バスの取締役安全技術部長に…
京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
成定竜一@ Re[1]:中央高速バス~ふたつの路線~(02/24) 京帝117さん、コメントありがとうございま…
京帝117@ Re:中央高速バス~この風は、山なみの遙かから~(03/02) 86年に私と、その後KKKに入社したH君の2…
京帝117@ Re:新宿高速バスターミナル(02/21) 私がカウンターに座っていた時は、空いて…

Calendar

Archives

2026.10
2026.09

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: