成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2010.06.16
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カテゴリ: 高速路線バス
本日より、東京空港交通/西東京バス共同運行による 八王子-成田空港線リムジンバス の取扱を開始。昨年11月に4路線(新宿/東京駅/TCAT→成田、新宿→羽田)から取扱をスタートさせた東京空港交通だが、その後、羽田→成田の取扱や、各路線での「お帰り券付き」(復路はオープン券)の取扱などが加わり、このたび初の共同運行路線の取扱開始となった。経済不順による渡航客の減少に伴う需要減(今月に限っては、昨年インフルエンザの影響で大きく落ち込んだ反動で対前年の数字はいいだろうけれど)を補うほどめちゃくちゃ多くの予約をお送りできているわけではさすがにないけれども、取扱路線を増やしてくださっているということは、まあまあご満足いただいているということだろう。海外航空券やホテル予約とのシナジーが期待できるという意味では、私たちも「戦い方」がはっきりしている商品だ。

業態が「路線」だろうが「ツアー」だろうが、私のサイトで販売をするというのは、原則、認知度を高め新しい需要を獲得するための「攻め」である。もともと電話予約だったリピーターさんをウェブ予約に誘導することで、乗客は24時間予約でき便利になり事業者側は予約センターのコストを削減できる、といった「守り」の話ももちろん非常に重要なわけだが、それは私たちが担うべき役割とは異なる。「発車オーライネット」や京王系SRS(サイトとしては「ハイウェイバスドットコム」)など、基幹システムと、それに連動したウェブ予約エンジンの担当分野である。事業者にすれば、システム利用料は負担するものの、私たちがいただく「送客手数料」よりはぐっと安く済む(もっとも、路線バス事業者の中には「発車オーライネット」に対してもっと集客力を期待する向きもあるようだが、今のシステム利用料で集客力を持つことなど無理だし、逆に集客力を持った結果システム利用料が値上がりすれば元も子もない)。もちろん、各事業者によって「守り方」の上手い下手に差があるのはたしかで、本当はそこをどんどん改善していただきたく、「趣味」としては各社の守り方にもっともっと口出ししたいのはやまやまなのだが、仕事としては私の役割ではない。

では、どんな路線でも闇雲に「攻め」ればいいのか、といえばそうではない。あるいは攻める際のツールとして私のサイトがあらゆる路線に有効かというと、これもそうではない。大切なことは、各路線ごとにそれぞれが置かれた環境を十分に理解し、正しい「処方箋」を書いていくことである。例えば、首都圏-京阪神/名古屋/仙台といった「大都市間路線」においては、言葉は悪いが、私のサイトは「釣堀」状態である。同区間の高速バスを予約しようとしている乗客予備軍をたくさん抱えているのである。席を登録すればその瞬間から予約は入り始める。ただし競合も山ほどいるので、「とんがり」が無い平板な商品だと他社に競り負けてしまう。逆にニーズに合致した商品を作れば驚くほどの予約を集めることができる。全く新規参入の高速ツアーバス企画実施会社なら、極端な話、私のサイトに登録すればさえ戦い方しだいで「バス何台」単位で送客を受けることができるし、逆に路線バス事業者は既に自分自身の集客力をほどほどに持っているわけで、それはそれで従来どおり予約を受けつつ、こっそりと私のサイトに座席を登録し「足りない分」の穴埋めに使えばいい。既存のリピーターや自社販路で告知した乗客(親会社である鉄道の車内に掲出したポスターを見たお客様など)には、なるだけ私のサイトで売っていることは黙っておいて「発車オーライ」などへ誘導し、余計な送客手数料を負担しないようにするべきなのだ。

東京-青森や東京-金沢、大阪-広島など地方都市向け長距離路線は、私たちのサイトは残念ながら大都市間路線ほどには多くの顧客を抱えていない。一方、これらの路線はある程度高速路線バスに乗客が定着しており、また高速路線バス同士がマルチトラック化している。ふだん高速バスに乗らない人を次の旅行や出張で高速バスを使うように誘導するのはかなりのリソースがかかる(スイッチングコストが高い)が、ふだん他社の高速バスを利用している人を自社のバスに誘導するのはさほどハードルは高くない。ならば、むしろ積極的に私のサイト名をアピールし、それをフックにライバルの高速バスからの転移を図ることが有効だ。その際「期間限定でポイント○倍」などは地元のメディアにもアピールしやすい。もちろん、大都市間路線ほどでないとはいえ高速ツアーバス予約者の転移も期待できる。その合わせ技で戦うべきである。

さらに、高速ツアーバスで言えば 熱海 や 清里 、乗合商品で言えば 黒川温泉や由布院温泉 そして冒頭に挙げたリムジンバスのような路線なら、宿泊予約や航空券予約とのシナジーを明確に見込めるので、私たちには初めての路線であっても送客のお手伝いをすることはできる。もっとも、首都圏-京阪神のように「バス何台」単位での送客は到底無理なので、全くの新規参入では採算ベースに乗らないだろう。リムジンバスや九州横断バスのように既存路線の乗車率向上に活用するには有効だし、高速ツアーバスなどの新規参入であれば、まずは十分に各種販路を整えた上で参入する必要がある。



あ、大事なことを一つ忘れていた。上の考え方だと、既に地元で十分な認知があり地元客だけで十分な乗車率がある路線を取扱させてもらえれば、若干の乗車率の上乗せ(特に大都市側での観光客の喚起)につながるとはいえ、既存客の予約ソースの転移が起きて手数料の持ち出しが増えるリスクがある、というわけだが……業態がツアーか路線かにかかわらず同一区間に新規参入があり「がっぷり四つ」に組んだ戦いが始まるのなら、手数料負担がどうのなんて言っていられないはずだ。例えばアサヒやキリンのビールが、ヨーカドーでは売っているけれどイオンでは売っていない、という状況があれば、そのメーカーの売上が相手に負けることは明白なのと同じことである。現在よく乗っている路線ほど新規参入のターゲットになりやすいのは当然で、だから各事業者は、実は調子がいい路線こそ、脇を固めて乗客ニーズの把握とそれに対応する変化、進化を続けなければならないことを、もう一度認識しなおすべきである。





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Last updated  2010.06.16 18:23:38コメント(0) | コメントを書く


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京帝117@ ご参考まで この度 K電鉄バスの取締役安全技術部長に…
京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
成定竜一@ Re[1]:中央高速バス~ふたつの路線~(02/24) 京帝117さん、コメントありがとうございま…
京帝117@ Re:中央高速バス~この風は、山なみの遙かから~(03/02) 86年に私と、その後KKKに入社したH君の2…
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