成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2011.08.26
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カテゴリ: メディア掲載情報
本日発売の 『MAG X (ニューモデルマガジンX)』10月号 で、「新制度は実現可能? 『バスのあり方検討会』の裏側」が掲載され、私のコメントも大きく採用いただいた(注:正式名称は「バス事業のあり方検討会」)。私はそんな熱心なエンスージアストではないがまあまあクルマ(速いとか大きいクルマよりコンパクトな欧州車)好きで、この雑誌も読者として存じ上げていたからご連絡をいただいた際には驚いたが、そういえば社会的な記事も多い媒体だった。全国のコンビニにも並ぶ、先日の『日経トレンディ』ほどではないが、小さな書店にも置いてある部数の多い媒体なので、この問題の理解が多くの人に広まることを期待している。

さて記事中では、2002年の乗合バス事業の需給調整撤廃とインターネットの普及により高速ツアーバスが大きく成長したこととその問題点を踏まえた上で、検討会の「中間報告書」の骨子を紹介、報告書について、<ツアーバス業者は賛同の意向を示していることに対し、高速乗り合いバス業者からは反対の声が大きいという>と紹介したところから、この媒体ならではの突っ込んだ記述が始まる。関係者は、ぜひ目を通してほしい。

私として苦笑したのは、<立ち位置の違いは乗り合いバス業者のなかでも大きいという。記者が取材した限りでも、「これまで規制に守られていたことに気づかず、本当の競争をしていなかった」と自己分析しながら新制度をチャンスととらえるバス会社の幹部がいる一方、「検討会に参加しているツアーバスの委員は弁が立つため信用できない」と話す路線バス会社の関係者もいる>というくだり。「弁が立つ」委員って私のこと?

この「弁が立つ」件、思い当たる節がある(まあ、検討委員の名簿が発表された時点から、関係者の間で「弁が立つ」がキーワードになったことは多くの関係者から聞いているが、それはそれとして)。検討会では、まず第1回目、第2回目において、参加団体からそれぞれ20分の持ち時間で意見の表明がなされた。当然、私はパワーポイントで資料を作成し、普通のプレゼンなら最悪ぶっつけ本番で臨むけれど、今回ばかりは日本のバス産業の将来を決めるかも知れない大切なプレゼン。何度も何度も時計で時間を図りながら予行演習し、20分ぴったりになるように台本を削り、ボイスレコーダーで録音して聞きづらい点がないか確認し、本番でもぴったり19分台後半で終わらせた。

パワポのプレゼン資料には、1ページごとに「テーマ」「具体的で映像的な論拠(グラフや写真)」「結論」を並べ、<●●に関しては、グラフにある通り●●という傾向があり、したがって●●と考えます>と繰り返し、最後に、<これらの事実を考え合わせますと、●●すべきであります>と断定していく。20分を起承転結4パートに分け、現状の説明、そうなった理由、現在の取組、今後の方向性について、高速ツアーバスが抱える課題も含め説明する。ビジネスの世界では常識になった手法だし、私としてもうまくいったプレゼンだった。少なくとも、お聞きになった学識経験者の先生方などには好感触だったと思う。

が、既存事業者の関係者の皆様には、至って不評だった。おそらく内容的な問題ではない。パワポを使ってのプレゼンという行為自体に、なんとも居心地の悪さを皆様感じたらしい。

そういえば、私が初めてパワポを使ってのプレゼンを聞いた時も、何か無性に腹が立ったものだ。全世界のホテル企業を飛び回り、先進的なマーケティング用ソフトウェアを売り歩く、アジア系の風貌の、しかしカナダ在住の、にもかかわらず日本語も見事にこなすビジネスエリート。ノートPCを開きパワポを投影しスマートに説明する様になんとも言えない敗北感を感じながら、しかし、<セールス(売り込み)としては逆効果だな>と、内心どこかで勝ち誇った気分だった。ただし、もう10年、一時代も前の話だ。

プレゼンのスキルなどよりも必要な知識は山ほどある。だが、ときどき事業者の社内会議に同席させてもらうが、現状ではスピード感ある意思決定は難しいと言わざるを得ない。3代ほど前の担当者が作成して以来手を加えていなさそうな、細かい数字が並んだだけのエクセル表。すぐに横道にそれる議論、というか会話。次回までの課題と、その遂行責任者がはっきりしない結論。会議の生産性とそこから生まれる事業の成長可能性を考えれば、会議資料もパワポにし、紙の配布ではなく投影で、議題ごとに持ち時間を区切り、かつ該当議題の担当者は立って説明するというスタイルに、まずは「形から」入るのもアリかなと思う。



グーテンベルクが印刷術を発明したことで庶民が聖書を読めるようになり宗教改革が起こり、そのプロテスタンティズムが産業革命と資本主義を生んだ。衛星放送の普及で東欧まで電波が届いたことがベルリンの壁を崩壊させ、SNSがムバラクを倒した。情報メディアの進歩は社会さえ変えるのだ。ウェブ化の進展により大企業と新興企業との間で情報発信力がフラット化し、かつ消費者が手にする情報量も飛躍的に増加している今、老舗と新興の関係性が変化しているのはバス産業だけではない。力強い変化に抗うことよりも、その流れをうまく掴む方がいかに生産的で簡単か。そして異業種に目をやれば、それに成功した老舗企業も少なくない。今こそ、既存事業者に蓄積したその底力を見せつける時である。





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Last updated  2011.08.26 17:25:32コメント(0) | コメントを書く


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京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
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