成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2011.12.02
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カテゴリ: メディア掲載情報
ぽると出版の和田編集長からご指名いただき、 『年鑑バスラマ 2011→2012』 (12月5日発売)に、「新時代を迎えた高速バス事業」と題して寄稿させていただいた。季刊である本誌『バスラマ・インターナショナル』は、学生時代からずっと読み続けており、既に何度か記事中に名前を紹介いただいたことはあるものの、今回は『年鑑』に原稿の形で掲載いただいたもの。大変光栄なお話で多くの関係者の皆様に感謝。

和田編集長には、もう5年ほど色々お世話になっている。やはり業界の人脈は格別で、一例を挙げれば、編集長にご紹介いただいたある路線バス事業者のE氏が、もともと私の知人であったO氏と知り合ったことがきっかけで、お二人からG氏とT氏をご紹介いただき、今やそのG氏とT氏は私にとって重要なビジネスの相手である。この人と知り合っていなければ今の自分はなかっただろうという人が何人かいるが、和田編集長もその一人である。

そういえば『バスラマ』本誌では、私が事務局長として高速ツアーバス連絡協議会を立ち上げた際、綿密にご取材いただき大きな記事にしていただいたことがある。設立準備会の様子やウィラー村瀬社長のインタビュー、平成エンタープライズ乗車記などだ。ただ、本格的にこの問題を取り上げるのはそれ以来、ということになる。私自身、編集長からお電話を頂き、ご依頼の内容を聞いて少し驚いたくらいだ。

前回のその『バスラマ』第109号(2008年8月25日発売)では、編集長ご自身の言葉としてこうある。<サッカーのゲームにたとえよう。高速路線バス事業者はフットワークでボールを運び収益を得ようとする。かたやツアーバスは足だけはなく時には手も使う。それはハンドというルール違反だと審判に訴えても、相手チームにはそうしたルールが適用されると説明を受ける。それはフェアではないし観客としても面白くない>

しかし最近、編集長が公式な場で、<手を使ってもいいと審判が言い、手を使った方が面白いと観客が拍手喝采したのだから、高速路線バス事業者もそのことを認識しないといけない>とお話になったのを私は聞いている。今回、『年鑑』の巻頭言にも同趣旨の文言がある。私をご指名くださったのは、109号の特集の続編、という位置づけなのかもしれない。

一方で私の方でも、期せずして「続編」となった。2009年に財団法人運輸調査局からご指名いただき『運輸と経済』に「高速ツアーバス事業の現状と課題」を寄稿した際、かねてからご説明している通り、高速ツアーバスの成長はウェブマーケティングと結びついたことによる、と書いた。ただそこでは、紙数の関係で、ウェブマーケティングによる新規需要(特に大都市圏の需要)開拓に焦点を当てざるを得なかった。一方で今回は編集サイドから、<高速ツアーバスのハイグレード車両を紹介してほしい>というご要望を頂戴した。

紙の時刻表やパンフレットと電話による予約の時代から、ウェブ上で情報を見てそのままウェブで予約する時代になった。特に高速ツアーバスではほぼ100%がウェブ予約だ。ウェブの特徴として、その需要喚起力とともに、複数の事業者、車両タイプを簡単に比較できる「一覧性」と、その際に利用者側が画像やスペック、他利用者の感想まで確認することができる「豊富な情報量」の二点も挙げられる。おのずと利用者はバスどうしをじっくり比較して予約するようになり、平板な商品では多数のライバルの中でうずもれてしまう。結果として高速ツアーバス各社は商品の個性を競うようになり、ハイグレードな座席や待合ラウンジなど地上サービスに力を入れるようになった。新規需要の開拓と並んで、ウェブが高速バスに与えた二つ目の影響である。今回はその点を細かく紹介できたことで、私にとっては『運輸と経済』の、ちょうど続編のようになったのだ。

もっとも、正直に言うと私にとってちょっと困ったこともある。この記事で初めて私の名前をご覧になった方は、記事の内容そして私の経歴をお読みになって「ツアーバス側」の人物だと判断なさるだろう、ということだ。私としては、今の会社のクライアントの7割は既存の高速路線バス事業者なのだから、「ツアーバス側」と思われるのは心外だ。いや、私自身の率直な気持ちとして、このブログもそうだが、「既存組」の高速路線バスに厳しめの文章ばかり書いてしまうのは結局は、高速路線バスのことを大切に感じているからの裏返しであり(それは事実だ)、逆に言うとここまで自分を育ててくれた高速ツアーバスのことは大切に思っていないからではないか、と自らを心配しているくらいだ。



繰り返すが、今回の制度改正により、既存も新興も、「路線」も「ツアー」も関係なくなる。それを機に高速バス市場全体が大きく拡大していく「高速バス・ビッグバン」の到来だ。『バスラマ』にこのような原稿が掲載されたことは、まさに今、時代の節目が訪れていることの一つの象徴だろう。高速バス事業にたずさわる全ての関係者は、その節目を強く感じ取り、今すぐにギアを入れ替えるべきである。





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Last updated  2011.12.02 17:57:06
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年間バスラマ2011-2012  
ひろしプロジェクト さん
興味深く記事を拝見させていただきました。

「バスラマ」は創刊号から読んでいる雑誌の一つですが、毎号読む度に勉強になることが多く、今度発売になる「年間バスラマ」の成定様の記事も楽しみにしているところです。

来年は制度改正やバス車両の安全基準強化で、高速バスが大きく変わる年になりそうですが、今後も面白いかつ参考になる情報発信を期待しております。

(2011.12.03 20:50:35)

Re:『年鑑バスラマ2011→2012』~新時代を迎えた高速バス事業~(12/02)  
yo-sun さん
大変興味深く拝読させて頂きました。
いよいよ「高速バス維新」が始まる気がしてなりません。
新制度が始まっての高速バスがどの様に進展していくか注目してみたいです。 (2011.12.03 21:47:59)

バスラマ  
basukeiei さん
和田編集長と懇意になられたのは、よかったですね。私もS社にいたとき、イベントの対談でご一緒しました。頼りになる方ですね。

高速バス、高速ツアーバス、両方とも可愛いということですよね。 (2011.12.05 12:49:44)

Re:年間バスラマ2011-2012(12/02)  
nalys  さん
ひろしプロジェクトさん、コメントありがとうございます。私もいつもブログを拝見しています。

さて、先日の当社のフォーラムを含む数日間(11月上~中旬)で、何か一気に山が動き始めた、という感じがあります。特に「既存組」の路線バス各社が、ようやくコトの重大さに気づいた、という感じでしょうか?

一方で保安基準改正は、私としてはちょっと水を差されたという感がありますね。もっとも、それでも市場のニーズと新基準とを両立させる取り組みは必ず生まれるとも信じています。正当なロビー活動は必要ですが、一方で「規制が悪い」「行政が悪い」と他人のせいにし続けることがどれだけ業界をダメにしていくか、と考えると、今回の件も愚痴だけは言わないようにしようと考えています。

引き続きコメントをお待ちしています。 (2011.12.12 10:20:16)

Re[1]:『年鑑バスラマ2011→2012』~新時代を迎えた高速バス事業~(12/02)  
nalys  さん
yo-sunさん、記事をお読みくださり、またコメントをいただきましてありがとうございます。

そういえば今から約6年前、私が楽天トラベルに転職することを決めたときに頭の中にぼんやり浮かんでいた、新しい高速バス像が、くっきりと輪郭まで見えてきた気がします。

来年は、その輪郭を現実のものとする年でしょうし、私の立場ではさらに新しい輪郭を描き続けないとメシが食えなくなってしまう(苦笑)ので、引き続きがんばりますし、どんどんアイデアのご提供をお願いします。

またコメントをお待ちしています。

(2011.12.12 10:25:05)

Re:バスラマ(12/02)  
nalys  さん
basukeieiさん、はい、和田編集長にはずいぶんとお世話になっています。今回お仕事をいただけたのは非常に光栄でした。basukeieiさんも含め、多くの先輩方に助けていただいて今の事業ができていると感謝しているところです。

引き続きご協力をよろしくお願いします。 (2011.12.12 10:28:42)

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