成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2012.01.09
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カテゴリ: 高速路線バス
本日付 『東京交通新聞』 の第3面がめいっぱい「新高速バス特集」で、当社も簡単な広告を出稿させていただいた(同紙は上記リンク先から500円で購入、ウェブ閲覧可能)。「ユニークサービス花盛り 新高速バス移行へ活気」として、ウィラーの「コクーン」、海部観光の「マイ・フローラ」、そして富士急行の女性専用車が紹介されている。また、ずっとこの問題を追いかけている竹之内記者による記名の「解説」も。まずは高速ツアーバス各社にとって、「安全」こそが新高速バスへの移行の最大のハードルである旨。

続けて、<国土交通省の担当官は、新高速バスにシフトした場合の既存会社の変革のキーワードについて、・価格のレベニューマネジメント(航空会社やホテルで利用されている需要動向に応じた的確な供給・価格管理) ・直営とアウトソーシングのバランス(品質を落とさずに他社車両を使う知恵、強みと弱みの分析とそれを補う業務パートナー選び) ・予約サイトやウェブマーケティング展開、と提言している>とした上で、解説は、<これまでの共同運行による高速路線バスから脱皮し、今までにない展開を生み出す革新が路線バス会社には求められている>とまとめている。

何度も繰り返すが、高速ツアーバスは全国の高速バス市場の中でせいぜい5~6%のシェアを占めるにすぎない。そしてそのほぼ全てが300km超える長距離路線であり(当然、ほとんどが夜行便)、さらに7割以上が首都圏~京阪神、名古屋、仙台の3路線に集中する。逆に言えば、高速路線バスの「本丸」である地方路線、特に多頻度昼行路線においては、今のところ高速ツアーバスの進出は極めて限定的だ。そういう前提で高速路線バスの商品性を見渡すと、高速ツアーバスの直撃を受けている大都市間、夜行路線では、多様な座席タイプや繁閑別運賃など(過剰反応から来る極端な値下げも含め)その商品性が限りなく高速ツアーバスに近づいている。一方で地方、昼行路線においてはその動きは大きくない。

しかし今回の制度改正は、系統長50kmを超える路線に(それ未満でも条件を満たせば)適用される。本質は実はここにある。高速ツアーバスが参入しやすかった長距離、大都市間路線では、既存側も高速ツアーバスの動きに食らいつき、両者とも「第3フェーズ」化が進展。その結果、高速バス市場全体では大きく伸長した(首都圏~仙台はここ5年で5倍弱。首都圏~京阪神でも2倍)。だが地方、短中距離路線では競争が生まれず、「本丸」になかなか変革が起こらない。強引かも知れないが、先に「外科的手術」を行ない制度を変えてしまうことで、その種の路線にも変革を導こうというのが、本質的な理解である。

逆に言えば、既存組がこの制度をうまく活用せず(または活用できず)何の変革も起こらなければ、時間がかかっても高速ツアーバス(厳密には「移行組」の新高速バス)がその種の路線に徐々に浸透し、「既存組」は、いつかはあわててそれに対応することになる。先に対応し新規参入の余地を埋め尽くしてしまうのが得か、変革を先延ばしにして強敵が現われてからあたふたするのが得か、答えは明白だろう。

<レベニューマネジメントなんて言うけど、既存事業者はそんな新しいことはできないよ>という意見も聞く。しかし、たまたまホテルでレベニューマネジメントを担当したことのある私が、楽天トラベルとして高速ツアーバス各社を集め、<楽天のシステムを改修したから皆さんレベニューマネジメントを導入してください>とそのノウハウをレクチャーした際、反応のほぼ全てが、<バスには向いてないよ>というものだった。わずか4年前の話だ。だが手取り足取りノウハウを伝え、流れが一度起こればあっという間に定着した。

制度上は価格変動は自由だったとはいえ、紙のパンフレットで売っていた時代には価格のリアルタイム変動など技術的に無理だった。しかし販売側が技術的に対応し、かつノウハウを注入する者がいれば定着に時間はかからなかったのだ。もちろん、その過程で、楽天のスタッフも、実際に運用する高速ツアーバス各社の担当者も多くの試行錯誤をした。「高速バスのレベニューマネジメント」など誰もやったことがなかったから当然だ。これから私は、高速路線バス各社やそのシステム会社達とともに「多頻度昼行路線のレベニューマネジメント」という、誰もやったことのない新しい取組に挑戦する。それだけのことだ。

アウトソーシングも同様だ。特に大都市の大手私鉄系事業者は貸切バスの減車を進めており続行の設定能力が落ちている。しかし既存路線が繁忙期に満席であることは、同区間への新規参入を容易にする。高速路線バスの予約センターやターミナルのスタッフには、帰省ラッシュの夜行便を1~2週間前に申し込むお客様に、<いやあ、1ヶ月前に買いに来てもらわないと…>と、既に満席であるのが誇らしいかのように断った経験が一度はあろう。今後、そのロストビジネス(満席等の理由で、せっかく購買意欲があるお客様を断ること)はそのまま新規参入の脅威につながる。「貸切バス型管理受委託」に一定のカタチ(ノウハウ)が定着するには時間がかかるだろうが、挑戦と試行錯誤が無ければ何も生まれない。



「提言」どおり課題は明白なのだ。初めてのことに挑戦し失敗するのは、正直、私も怖い。だが課題を乗り越え高速バスを成長させるには、皆で試行錯誤を繰り返すしか道はない。





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Last updated  2012.01.09 16:35:55コメント(0) | コメントを書く


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京帝117@ ご参考まで この度 K電鉄バスの取締役安全技術部長に…
京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
成定竜一@ Re[1]:中央高速バス~ふたつの路線~(02/24) 京帝117さん、コメントありがとうございま…
京帝117@ Re:中央高速バス~この風は、山なみの遙かから~(03/02) 86年に私と、その後KKKに入社したH君の2…
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