成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2012.01.29
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カテゴリ: 高速路線バス
今回の北海道出張は、金曜午後に札幌でアポイント数件(実は本当の目的はその数件のアポよりも、土日の「ノースライナーみくに号」、帯広のシティリゾート「北海道ホテル」、「とかちミルキーライナー」ではないのかというツッコミは無視)。午後イチの札幌アポに最適なフライトは、ANA系だけ見ても羽田発9:00、9:30、10:00と30分間隔で高密度だ。

3週間ほど前に、楽天トラベルとANAが展開するダイナミックパッケージ(DP) 「ANA楽パック」 で検索すると、9:00発より9:30発の方が数千円安かった。10:00発はさらに数千円安く、9:00と10:00では1時間違うだけで1万円近くの差がある。時間の制約が少ない私は当然10:00便を選んだ。そして当日、少し早めに羽田に着いたところ(早く着いた理由は、わざわざ遠回りして、かつ便数の少ない武蔵小杉~羽田線に乗ったからでは、というツッコミも無視)、9:00発は空席少し、9:30は満席で出発した模様。10:00は表示では「○」だったが、それでも搭乗率90%近いか。インバウンドの団体、国内系旅行会社の募集もの、小さな学生パーティ、出張客、それに個人のプレジャー客と雑多な機内。国内線で初めて聞いた中国語アナウンス。隣席は私と同様、ひたすらPCに向かう出張客。一方、前席のおばあちゃん3人連れのうち2人は、飛行機そのものが初めての様子。といった多様な顔ぶれだ。

見事なレベニューマネジメント(RM)ではないか。出張が決まって検索をした際、3便ともまだ空席は多そうだった。それでも、その時点から1万円の差がついていた。最人気の9:00便は高単価でほぼ売り切り、私のような「日和見」組を10:00に誘導(その結果、10:00便が早くから満席だったら「安売りし過ぎ」なのだが、見事に若干の空席が残っていた)。RMの結果を評価するのは難しいが、仮に「9:00便の単価を1万円上げた」と考えれば(※実際には1万円の運賃差はANA楽パック上の話で、販路により運賃差は異なるので、単価アップ額は1万円ではない)、1万円×500席で片道500万円の売上(ほぼイコール利益)アップだ。あるいは、「日和見」組が10:00便に移ってくれたことで「どうしても9:00便に乗りたい」乗客を受け入れることができ、JAL系への逸走を防いだと見ることもできる。

RMを、「乗車率(航空の場合は搭乗率)が上がるのに合わせ運賃を上げていく」とか、全く逆に「売れ残った席を値下げで売り抜ける」とかいう手法だと理解している人がたまにいるが、そうではない。データ分析(と多少のヤマ勘)により予測した最終的な乗車率をベースにロジカル(論理的)に運賃をコントロールすることで、収益最大化を実現することこそRMの目的だ。そのために必要なものは何か。巨大システムか。いやそれ以前に欠かせないもの。乗客の心理を読む力である。読もうとする意志である。

例えば、高速路線バス事業者とRMの話をしていて、よく出てくるのが「早期購入割引」の話だ。ANAが「早割」というインパクトある商標で定着させた感のある早期割引だが、ではなぜ「早いと安い」のか。なぜ「遅割」ではいけないのか。

上で私は「1万円安かったから10:00便を選んだ」と書いた。だが、私はきっと特殊な客だ。ふつう、出張客は会社の経費で出張する。どんな細かい上司でも、いちいちサイトで検索して、<1時間遅い便なら1万円の経費削減になる>と小言は言わないだろう。一方でプレジャー客は自腹だから価格に敏感だ(その意味で、会社経費も事実上は個人の財布である私は本質的にはプレジャー客に近い)。そして出張客は直前に予定が決まる(リードタイムが短い)が、プレジャー客は事前に予定を合わせ休暇を申請するなどリードタイムが長い。また出張客は会議の予定などにより特定の便に乗る必要性が大きいのに対し、プレジャー客は運賃差によっては時間帯はおろか行先さえ変えることができる。

つまり、先に割引運賃(旅行会社に対する団体運賃も含む)を提示することで、行先や時間帯を迷っているプレジャー客である程度まで搭乗率を上げたうえで、最後の最後に出張が決まるビジネスパーソンを高い運賃で狙い撃ち、トータルで収益を最大化するというのが「早割」に象徴される「右肩上がりの運賃曲線」の発想だ。それは高速バスでも有効か。

結論から言えば、「路線による」。鉄道などとの競合が少ない路線(東京~伊那飯田、大阪~津山など)か、競合がある路線(東京~松本、大阪~岡山など)かによって異なるだろう。前者では航空と同様の「右肩上がり」が通用するのに対し、後者では難しい。後者の路線を利用している出張客は、大雑把にいえば鉄道運賃で出張旅費を精算し、実際には安い高速バスを利用することで差額をポケットに入れているケースが多い。当然、運賃差が小さければ遅延などのリスクを負って高速バスを選ぶインセンティブは小さくなる。<最後の2日間の予約は出張客がほとんどだから高く取れるよ>というわけにはいかない。そんなことを、各社はこれから理屈で学び、体験してまた学ぶことになろう。






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Last updated  2012.01.29 20:13:17
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仕事  
basukeiei さん
>少し軌道に乗った

Re:仕事(01/29)  
basukeieiさん、ありがとうございます。

本当に皆さんのおかげで、会社としての形はできたと思います。いわゆる「独立起業の初年度」としては十分以上だったのではないかと思います(忙しいばっかりで儲からない、という愚痴はありますが)。また、大規模な制度改正が目前に迫っていることも、営業的にはプラスだったと思います。

問題はこれを継続できるかで、そのために最も必要なことは、クライアントの事業者様に喜んでいただくことですので、気をゆるますことなくがんばります。引き続きご支援をよろしくお願いします。 (2012.02.01 10:45:15)

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京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
成定竜一@ Re[1]:中央高速バス~ふたつの路線~(02/24) 京帝117さん、コメントありがとうございま…
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