Laub🍃

Laub🍃

2011.04.17
XML
カテゴリ: .1次夢
・あじさいの浴衣のお姉さんが、今となっては他のあじさいにうもれているこの町の初めのあじさいを想いだす。

そして、その年下少年は天才少年と呼ばれていたが毎年自分をプロデュースするために
子供っぽいことを全て我慢していたため、年に一度のおまつりの時は仮面を被って好き放題する。


「……?」

歩きながら彼は言う。
おっとりしていてとろ~んとしているお姉さんは、ゆるい茶髪をまとめた頭をかしげる。

覚えている。だけど、この子にはきっと将来が、もっと大きな将来があるから。





あじさいが増える前、はじめのあじさいは殺風景な街並みで一か所だけ鮮やかで、
さながら告白の桜の木のようだったのだ。

そこで、8年前彼と彼女は婚約の真似ごとをした。


今では、そんなことただの口約束に過ぎないと彼女は知っている。
だけど悲痛そうな顔で嘆く、仮面の奥の少年は彼女よりも少し幼く見えて、彼女はどうしようもないもどかしさを抱えるのだった。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2017.09.03 11:47:34
コメント(1) | コメントを書く
[.1次夢] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: