コミュニケーションファクトリー ~演出工房~

コミュニケーションファクトリー ~演出工房~

PR

×

プロフィール

フェザー4189

フェザー4189

May 5, 2004
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
出張で近くに行った機会を利用して、両親の移住先である岡

山県の小さな島、白石島に一泊することにした。

2年の月日を経てすっかりと田舎のおじいちゃんになった親

父の案内で僕は本当の田舎の風景を堪能していた。

「まあ、自慢の畑だけは見ていってくれ」

親父は、軽トラックの荷台に僕を乗せ、舗装されていない山

へ続く道を走り出した。

2分ほど走った海の見える高台にその畑はあった。

土と肥料の混ざったにおいは不思議なことに都会生まれの都



「これ・・ジャガイモの花やね」

一度、ジャガイモ畑の取材をしたことのある僕は、知ってい

る限りの知識で親父に話しかけた。

「そう、あと一ヶ月くらいで、芋が取れる、もう少しや」

うれしそうに語る親父がそこにいた・・・

長靴と作業着が夕日に照らされた田舎の畑の風景に溶け込み

僕の心に何かを伝えようとしていた。

ジャガイモ畑の一段上ではイチゴが栽培されていた。

親父は赤く実ったイチゴを一粒もぎ取り腰につけていたペッ

トボトルの水で洗い僕に差し出した・・・・

「むちゃくちゃ甘い!こんなん久しぶりに食べたわ」



「去年は失敗やった・・・やっとええもんが出来るようにな

ったんやで」

失敗談を笑顔で話す親父は、やはり現役教師の頃の彼とはま

ったくの別人に思えた。

別の畑からとった小さなたまねぎを3つだけ積んで軽トラッ



夕食に出たたまねぎは、オーブンで丸ごと焼かれただけのも

のだったが今まで食べたどのたまねぎより甘くてやわらかか

った。

久しぶりの親子の団欒は静かなものだった。

どの季節にどんな作物が収穫できるのか、島の人がよそ者の

自分達に対してどれだけ親切にしてくれたか、村の祭りに地

元の人はどれだけ力を注ぐのか・・・・

そんな話を一通り僕に話した親父は、9時になると早々と床

に就いた。

親父とおふくろと僕の三人で語り合った時間はほんの短い時

間だったが、それで充分だった。

何一つ僕の近況について尋ねることはなっかた両親だった

が、それが何を意味しているのかは痛いほどわかった。

会話の中で親父は何度も「終の棲家」という言葉を口にした

人はそれぞれ人生の中で自分なりの花を咲かせる。

その花は人に感動を与え、人を和ませ、癒し、楽しませる。

花を咲かせるために、たくさん傷つき、人を傷つけてきたこ

ともあったに違いない。

どんなに大きな花も、華やかな花も間違いなく枯れていく時

が来る。

季節の終わりを感じた時、人は自分の一番美しい枯れ方を考

え、終の棲家を探し始める・・・・

そしてそこにたどり着かないと、人は本当に生きるべき人の

形に気づかないものなのかもしれない。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  May 6, 2004 02:06:31 AM
コメント(1) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

お気に入りブログ

幸せになろう!ダイ… げんきげんきさん
がらくたべや ○しょうこ○さん
Ka Pilina Ka pilinaさん
MEDICINEMA jediokiさん
*zutto zutto* g^o^n☆彡さん

コメント新着

アイス専門@ 今日これから欲しい方 東京、神奈川内で安全に確かなアイスを手…
31アイスクライマー@ Re:非合法薬物売買 aaa370@docomo.ne.jp
s有野s@ ss名古屋ss 名古屋 近郊手渡し。全国郵送。 名古屋 …
rmjkih@ IXamXbtNDo Rm5euh <a href="http://urfkprk…
りん@ Re:非合法薬物売買(10/24) 大阪ミナミ 24Hいつでも女性が手渡し …

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: