市場へ行こう。小高い丘にも上ってみよう。

2004.03.14
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カテゴリ: 日常記
「蝶のように舞い、蜂のように刺す」

深夜に思い出したように観た、一本のビデオ。
若くしてヘビー級世界チャンピオンとなり、その後、人生が一変した
一人の男の生き方としてのボクシング・ストーリー。

ブラック・ムスリムへ入信。「白人が与えた奴隷の名前」だと、
カシアス・クレイから、モハメド・アリと改名。
「他の貧しい国の人を、殺しになんていきたくない」と、
過激に自らの姿勢を示し、ベトナム戦争への徴兵拒否。
タイトルを剥奪され、裁判(最高裁で勝利)と戦い、


人種差別、黒人解放運動、マルコムXやキング牧師、ベトナム戦争などを
時代背景として、ちらちらと織り込みながら、
訪れる困難や不自由と戦っていくアリの姿。

モハメド・アリの、アリは、在りのままの自分。
それを求めるための、モハメド・アリとしての道なのか。
またまたダレジャでスンマソンですが、
深夜にふさわしいなぁと思いながらの、約2時間40分でした。

戦いの過程の中で、アリの才能に群がる教団とプロモーター。
この辺、とくにドン・キングは、予想通りの描かれ方。
(話それますが、金のにおいを嗅ぎつけ、ヌケヌケとやっちまう悪党、
ちょっと憧れるんですがね。商才とくそ度胸ないとできないもんね)


スポーツ番組などの公的な場になると吠えまくるアリ。
居丈高に饒舌に、傲慢に、機関銃の如く、吠える吠える。
あれも、置かれた状況や時代環境に対峙する、
自分へののろしをあげていたのでしょうね。
アリの逆境に立ち向かう雄たけびだったのかも。

相手を挑発したり、饒舌だったり。リップサービスの本能?

そして、この映画の心理描写を効果づける上で、大きな役割を
果たしたのが音楽でしょうね。
オープニングのサムクック(そっくりさん)のライヴシーンに重ねて、
アリのトレーニング風景やマルコムXの説法(こりゃ仏教か)、
バスの「COLORS ONLY」などが描かれていく
他、要所要所でアレサ・フランクリンやアル・グリーン、
ソールミュージック、アフリカ音楽などがストーリーを盛りたてます。

アリが、サム・クックやマルコムXと交流があったなんて知りませんでした。
一時、アナログ盤を買いまくった者にとっては、うれしい誤算。
マルコムXの暗殺シーンも印象的でした。
そして、ジョージ・フォアマン(この人はこの人でまたすごい)との
伝説のキンシャサの戦いを前に、ザイールの小さな町をランニングするシーン。

「アリ、ボンバイエ(アリ、あいつを倒せ)」の大声援とともに、
一緒に走る子どもたち。家々の壁には、アリがノックアウトで勝利する姿と
「アリ、ボンバイエ」の文字。
貧しいアフリカの生活の、精神的な糧としてのアリの存在。

監督はこの映画を、事実に基づいて撮ったのだと言います。
ヒューマンヒューマンしてはいないと思います。
あの傲慢さは傲慢さのままに描きながら、アリのそうした
精神背景を説明的に描写しないようにしたのでしょうね。

3番目の奥さんとなった女優さんがきれいでした。
きっと有名な方なのでしょうが、そういうのさっぱりわかりません。



昨日は「在る」で、今日は「ALI」。まったくの偶然ですが、ダレジャを
場のなごみとしてのアリ、と肯定する人間にとっては、これは意味のある偶然かな。

ああ、そうだ。思い出した。ジョージ・フォアマンが、また7年ぶりの現役復帰に向けて
練習を始めたそうです。55歳となった1月の誕生日から練習を開始。
「あと1試合するつもりだ」と。81戦76勝(68KO)5敗
前の復帰戦の時も話題になって、日本でも沢木耕太郎さんがNHKの番組で取材して
ましたっけ。いま、ステーキ店?わかんないけど、お店やって成功して、TVでも
人気だって聞きましたけど。すんごいねぇ。





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Last updated  2004.03.14 13:07:50
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