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ナオちゃん9978

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November 4, 2011
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カテゴリ: 修行の日々

Chartres13.JPG


 10月10日、シャルトル展示開催期間の最後の日、午後4時、私たちの共同ブースの脇ではフランス・ロシア共同のコーラス団体による30分間のコンサートが行われました。人間は楽器を持たなくとも歌が歌える、鼻歌すら音楽になりうる、人間そのものが最高の楽器ですらありえます。このときだけはご来場のお客様がこのコーラス隊に注目するように仕事の手を止めて私もコーラスに聴き入っていました。

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「展示会はお祭り騒ぎみたいなもんだよ。」
シャルトル展示会ではいつも調停役を務めるステファンが展示会をお祭りと形容しました。
「それで俺たちはサーカスの出し物の一つのようなものさ。」
この展示会から約一ヵ月後の現在、パリでほとんど同じメンバーと共に展示会を行っているのですが、つい先日出展者側の心境を語りました。
 何か面白いものが見れるかもしれないというお客様の期待に応えなければなりません。そして私たちは観衆を楽しませ、そして私たちの会の存在を覚えてもらわなければいけないのです。それにしても「サーカス」とは言いえて妙だなと思いました。私たち「フランスの人間国宝メートル・ダールとその弟子たちの会」には観客に飛びかかっていきかねない「猛獣」のような性格の持ち主が少なからずいます。

 午後5時から少しずつ片付けを開始。展示会の終了時はいつもある種の寂しさを感じざるをえません。撤去作業は非常にあわただしく同じ時間を共有した仲間とはまた離れ離れとなる瞬間ですから。
 午後7時、主催者側が用意した大型トラックに全ての荷物が搬入されるのを確認し、展示会場を後にしようと振り返ると、おそらく20歳前の年齢の女の子が二人、私の後ろに立っており、私に話しかけてきました。
「君たちは確かこの地方の伝統工芸技術養成学校の・・・。」

この4日間の展示会中、私たちの隣のブースで展示会の名を冠したTシャツを着て学校の紹介をしている10代後半の男女を何度も目にしていましたので、そのうちの二人と数分間お互いの職業を話しました。
「私、あなたのブースを4日間ずっと見てました。あの、とてもカッコよかったです。」
家具製作科に在籍している女の子から予期せぬ褒め言葉を頂きました。裏方役に徹するような仕事に就いている私の人生においてそれはもっとも縁遠い言葉のはずでした。
「私たちはC.A.P(職業適性免状)を取得し、現在はその上の位である高等技術免状取得のために勉強中です。来年もこの展示会に参加します。だから来年も来てくれますか?」
「いいよ、約束しよう。シャルトルの展示会は面白いからね。」
「じゃあ、来年また会えますね。」
その二人から靴紐で編んだ編み物を頂きました。約束の証として大事にとってきましょう。どうやらファンを作ってしまったようです。
「じゃあ、また来年。」
その二人の女の子は引率の先生に率いられて帰って行きました。
 若者たちの無気力感が時々批判されますが、私は必ずしも全ての青少年たちがそうではないことを知っています。難しい分野の仕事に果敢に挑む人たちががっかりしない社会を作るのは大人たちの役目のはずです。

 午後8時50分、ローカル線の電車に乗りパリへの帰途に着きました。

展示会の熱が覚めやらぬ私の脳裏によぎったのはある人の言葉。

 午後10時半、帰宅。師と奥様の愛犬ディラン君がガラスの扉越しに私の帰宅を待っていました。
「ただいま、ディラン。」
師が今回の展示会の開催期間中不在であった理由はふたつ。ひとつめは今回の展示会が弟子たちが中心であったこと、ふたつめは師が奥様と共にヴァカンスで旅行に出かけていたからです。私は野不在中は御息女ティファニーが留守番を務めてくれました。翌日師と奥様が帰宅。私は16日間非常に静かな時間を過ごしたのでした。

「シャルトル展示会編」終了。




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Last updated  November 4, 2011 09:34:53 AM
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