丑のゐどころ-Ushi no Idokoro

丑のゐどころ-Ushi no Idokoro

2005.12.21
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カテゴリ: ほーん
伊集院静 1997.


【感想】

瀬戸内海の小さな島の小学校に
先生がやってきた.

幼い頃の病気で,
話すことができない先生.
口をきかないし,体が大きいので
「機関車先生」として子供たちに


最初は懸念を示していた大人たちにも
次第に機関車先生の人柄は認められていく.

機関車先生は
次の先生が来るまでの代用教員なのだが,

島に残って欲しいという子供たちや
島民の声が高まる.

先生を島に残す方法はないのか.

しかし,最終ページで先生は
笑顔を残して去っていく.

去っていくというラストが
とても良い.


めでたしめでたし,でないところが良い.

もし,先生が島に残ったら
この物語を忘れてしまうかもしれない.
忘れがたくしているのはこのラストだ.

去るということに,現実味を感じる.


機関車先生を高く買っている校長先生に
娘さんがいて,2人は短い会話を交わすのだが,
結局,島の人が望むような結婚という形には至らない.

至らないけれど,遠くない未来に
また会えるかもしれない,
そういう予感を残している.

多分,物語のラストは
機関車先生が島に残るというタイミングでは
なかったのだろう.

生きていると
それぞれの人生の道筋が重なる時もあるけれど
重なりそうで重ならない時って
いっぱいあると思う.

現実の厳しさと,失いたくない希望と.





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Last updated  2005.12.24 21:15:56
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