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2020年02月24日
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カテゴリ: 恥産致笑文学
もうすぐひなまつり ということで 今回は 

 2001年に書いた はぢ拾遺物語 回顧編 13弾 です。


  ひなまつり・・・再び

 「幼い頃、私は雛人形を持っていなかった。どうしてないのかときくと、祖母は「ここは社宅だから置く場所がない」と答えた。嘘である。同じ社宅の中でも親王飾りを持っている子がいたし、七段飾りさえ持っている子もいたのだから。母は悲しげに黙っていた。
 実は、初節句に、母の実家から人形を買う為のお金はちゃんと送られてきていたのである。しかし、父がそれを使ってしまっていたのだ。雛人形が無いことで私は自分が大切にされていないと感じてとても寂しかった。
 そんな、雛祭りの日、幼稚園から帰って驚いた。可愛いお雛様が、食卓に並んでいたのである。蒸しパンにウズラのお顔、海苔の髪に食紅でほんのりピンクの頬、黒ゴマの瞳。その頃、我家は決して裕福ではなく、母は家計のやりくりに苦労していたが、それでも、娘を喜ばそうと、作ってくれたのだ。三十年以上も前の事だが、母のあの美味しかったお雛様が、今も私にとっては世界一なのである」

  毎度、昔書いた雑文の引用で申し訳ないが、 これは、2001年春に四国新聞に掲載されたものである。コレを読んだ人には、 「ここに貴女の手作りのルーツがあるのね」とか、「暖かい家庭に育ったのね」などと、言って頂いてしまったりして・・・。まるでこのネタが美談の様に思っている方もいるようだが、・・・甘い。この話は、コレで終わりでは無いのである。字数の制限で、さわりの部分しか紹介出来なかっただけのこと。実は、続き・・・というかオチがあるのである。


 実際、あの蒸しパンはすこぶる美味しかった。そして、私はそれを次の日、幼稚園で自慢して友達から「えいんかぁ~」(小豆島のなまりで、「いいなあ」という意味)の大合唱を受け、嬉しかった。が、それでも、自分のひな人形が無いことに対する不満は消えることはなく、その後もひな祭りの時期になると、たびたび私の心に浮かび上がったのであった。
 そんな私にも小学校の高学年になって、やっと自分のひな人形がやって来た。といっても新しく買ってもらったわけではない。祖母の実家が屋敷を引き払い東京住まいをする事になったため、そこにあった雛人形、親王飾りを譲り受けることになったのである。数十年前の、三越呉服店と書かれた木箱に入った雛人形は、年代をへて、古ぼけ、少しキズもあったが、お内裏様お雛様の上品な顔立ち、一つ一つ丁寧に細工が施された調度は珍しく、子供心にもそれが当時とても高価なモノであったろう事が容易に想像できるしろものであった。その当時のお雛様といえば、下膨れの子供の顔をしたモノが主流であっただけに、古い細面の大人の姿のひな人形は、高貴さが漂っていた。そしてそこには自分の知らない歴史がうかがわれ、他の子たちとひと味違うものをもつ喜びに浸ったモノだった。

以来、我が家では、随分古ぼけ、少しばかりキズもあるその雛人形が、毎年ひな祭りの前になると飾られるようになったのである。

 そして随分たって後、私がすっかり大人になり、ラジオのレギュラー番組をやっていた頃のこと。人形飾りの専門家とのインタビューの中で、我が家ではひな人形についてある重大な過失を犯していることが判明したのである。そう、「雛人形は、ひなまつりが終わったら、すぐに片づけないと、その家の娘は嫁き遅れる」というあの説を知ったのである。
 嘘!? 私は驚いた。 我が家では、毎年、雛人形は、ひな祭りが終わってもすぐには片づけず、旧のひな祭り、四月が終わってから、ゆっくりと片づけるのが習わしであったのだ。道理で、私が嫁き遅れた訳だ。
 我が家に帰ってすぐさま母にそのことを報告すると、彼女はあわてた様子で
「ええっ、大変、今年はすぐしまわないと!!」
 しかし、私が、
「んな事言っても、もうすでに嫁き遅れてるんだし、いまさらあわててしまっても・・・」と言うと
「そうだよね」などと、すぐに納得しおるのであった。失礼なやつめ。その頃、私はすでに30位だったと思う。で、まあ、30と言えば、もうすでに世間一般的には十分嫁き遅れているんだし、「もういいか」と、我が家では、引き続き例年どおり旧暦のひな祭りまでしっかり飾ることとなり、私と言えば、その説を「嫁き遅れた原因は、ひな人形」などと、笑いのネタとして長年愛用していたのである。そして「ひな人形を出しっぱなしにしていると嫁き遅れる」説は、定説と言っても過言ではあるまい・・・と密かに思ってすらいたのである。

 が、しかし、最近、新たな説が浮上した。なんと、ひな人形を長くしまわずにいたのにちゃんと結婚出来たという人がいたのである。私の高校時代の同級生であるその彼女は、あっけらかんと
「えっ、うちは、一年中飾りっぱなしだけど、結婚出来たよ」
  などと言うではないか。そう、彼女は、人もうらやむ格好良くて優しい旦那と順当に結婚し、今や子沢山の母なのである。
えええ? じゃあ、「ひな人形を出しっぱなしにすると嫁ぎ遅れる」と言うジンクスは、当たらないのか? もう一度、彼女の婚姻形態を思い出して、はっと気が付いた。「ひな人形を出しっぱなしにすると嫁入りが遅れる」という意味では、ジンクスははずれた訳ではないのである。彼女は、一人っ子。他家へお嫁に行ったのではなく、家に居ながらにしてお婿をもらったのである。要するに結局お嫁に行く(家をでる)ということはなかったという点ではちゃんと当たっているのである。しかし、結婚していない私とどこが違うか。

 それは、「ひな人形をしまうことなく、一年中飾りっぱなしにしておく」という点ではないか?

 そこで、今後、私は、もう一歩踏み込んでさらに詳しい「ひな人形と婚期に関する考察」をふまえ、新しい説を唱えようと考えるに至った。
「ひな人形をしまうのが遅れると嫁き遅れるが、しまわず出しっぱなしにしておくと婿が来る」 ・・・どうだろうか。
 母に話してみた。「あっはっは、そうかもねぇ」とその場では冗談の様に笑って聴き流していた風にみえたのだが、・・・去年、母は、3月が過ぎてもひな人形をしまおうとはしなかった。4月が過ぎても、しまおうとはしなかった。私がしまおうと言っても「まあ、まだいいんじゃない」などと、あいまいな答えをかえすばかり。夏が過ぎ、秋が過ぎ、そして、そのまま今もまだ出しっぱなし・・・すでに、ひな祭りは目前。
 ・・・もしかして、イワシの頭も信心から? まさかとは思うが・・・母は、もしかして新説を試そうとしている?・・・言葉にはしないが、母は、まだ私が結婚することを諦めていないのか? 母の期待を背負わされてひな人形も肩が相当凝ったかもしれない・・・気の毒に。今年はひな祭りが終わったら片づけるぞ。
   と言うわけで、今回新しい定説にもう一言加えて以後それを「真説」とする。
「ひな人形をしまうのが遅れると嫁き遅れるが、しまわず出しっぱなしにすると婿が来る。ただし、それは30歳くらいまでの場合」・・・と言うことで。


*****2020年の私から

 ああ、もう20年近くたったのね。昔すぎて笑える。
 「結婚」とか言われなくなって、ホント楽になった。ありがたい。年を取るというのも悪くない。
が、歳を取っても「女」を捨てない人もいる。それはそれで立派だ。
 同世代の間での今の話題の中心は、老後・・・だったりする。その前は結婚している友人たちのメインは子供や配偶者。私はただただ介護だった。
 思い返すと・・・・結婚は私にとって「してもいいなあ、しなくてもいいな」「しなくてはいけないのかなあ」というもので、「絶対したいものではなかった」。祖母の我儘につき合わされている母の姿を見てきたせいもある。
 結婚にごだわらないというのは、今の時代の若者に似ているのかも・・・はっはっは。時代先どりってことで。
 お雛さま。。。もう20年くらい出していないけど。。。大丈夫だろうか?
 飾ってくれないと夜中に騒ぐって言うけど。。。騒いでくれた形跡はない。覚えもない。
お雛様もあきらめてくれたようだ・・・・ごめんね。(笑)
 それにしても。。。お雛様に願う「女の子の幸せ」ってなんだろうね。
 私は今 それなりに幸せ。まあ、こんなものだろう。ね、お雛様。

 追伸 何で?ひな人形をずっと一年の間出しっぱなし・・・の表現の所で、、わいせつな表現があるので掲載できないって・・・警告が出て止められた。何が?何が?なのですこしだけ書き換えたが・・・。ホントにいったいなにが?そのか所と理由を教えて欲しい。。。もやもやするぅぅぅ






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最終更新日  2020年02月26日 11時58分19秒
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