りらっくママの日々

りらっくママの日々

2009年08月08日
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カテゴリ: ある女の話:ユナ
今日の日記



<ユナ31>



どこにあったっけ?
だいたい、そんなとこに行くこと自体、
この前が本当に何年ぶりか?って話だったんだから。

沈黙が耐え切れなくて、ラジオをつけた。
大通りを走らせていたら、何件か並んでるのをみつけた。
じゃあもういいや。
ここに入れちゃえ。
あ~、何だって、女の私が車運転して、男の子乗っけて、
こんなとこ入らなきゃいけないんだろ。
どう見たって、私が無理やり連れて来たみたいじゃん。

情けない気持ちになってきた。
コンビニに戻ったことを後悔する。
車を止めると、アオくんが降りようとしない。
アオくんだって、
怒ってたからあんなこと言っただけなんじゃないだろうか?

「降りないの?どうする?」

「降ります。」

アオくんが入るのをやめるかと思ったけど、
そんなことは無かった。
肩をグッと引き寄せられて、
さっさと中に連れていかれた。

もういいや。
どうでも。
美しい思い出なんて作れるはず無いんだから、
せいぜい幻滅するといいよ。
寝る気なんてうせるようにしちゃえ。

そう思った。

「お風呂入る?」

「え?それって…」

さっきの強引な態度はどこに行ったのか、
アオくんが真っ赤になった。

「いっしょにじゃないよ。先に入る?って聞いてるの。」

そんな態度取られると移る。
私まで照れてしまう。
いくら何でも、そんなの誘うワケないじゃん。
私のこと、どんな女だと思ってるんだろ?

お湯をバスタブに入れる。

「アオくんが入らないなら、私は入っちゃうよ。
夜はお風呂に入りたいの。
今日は、ちょっと疲れちゃったし、
軽く浴びるなら、先に入っていいよ。」

アオくんはどうすべきか考えてるようだった。
いなくなるとでも思ってるんだろうか?
まさか、そこまで私だって悪いヤツじゃないよ。

「大丈夫よ。置いて帰ったりしないから。」

「じゃあ、先に入りますよ!」

私の態度が悪いからか、
アオくんは、まだ怒ってるらしい。
さっさとバスルームに消えた。
私はテレビをつけた。

ホントにまたこんなとこ来ちゃったよ…。

イマイチ現実感が無い。
本気でまた寝ようって言うんだろうか?
私のどこがいいんだろ?
それとも女なら誰でもいいとか?

この子が女の子と初めてだったのは知ってる。
それで、性欲に目覚めちゃったんだろうか?
だとしたら、そうさせちゃった私が悪いんだけど…。

アオくんが出てきて入れ替わりに私が洗面所に入る。

「化粧落としたら、ガッカリすると思うよ。」

で、我に返ってやめるかもしれない。
うん。青少年は、自分に見合った子と付き合うべきよね。
今日は一時期の気の迷いってことで。

アオくんが呆気に取られた顔をしていたので、
何だか可笑しかった。

あ~あ、ホントに化粧取ったらゲンナリってやつなんだろうな…。
まあいいか。
現実を知るのも悪くないわよね。
やっぱりやめておきます~!
なんて、冷や汗かいて、逃げるかも。

私はだんだん気持ちが楽になってきた。
この状況を楽しんでいる自分がいる。

お風呂から出たら、
アオくんはベッドにバスローブ姿で倒れているかのように寝てた。

ふ~ん。
酔ってたんだろうな…。ちょっと息が酒臭い。
無防備に眠っている。
あどけない顔。

髪の毛が顔に落ちてる。
手ですいてみた。
かわいい~。子供みたい。

髪を撫でてたら、アオくんの目が開いた。

「あ…ごめんね。起こしちゃった。」

私の顔をぼんやり、じーっと見ている。
あ、ヤバイ。
チェックされてる。

「そんなに変わってないけど…。」

「無理しなくていいよ。」

アオくんが寝惚けながらフォローするのが可笑しかった。

「一応、僕にも母や姉がいるんだよ、フジサワさん。
でも、そんな話、したことなかったよね。」

あ、そうなんだ?
じゃあ、女が化粧落としても、ちょっとは大丈夫なの?
何だか心が楽になる。
この子ってどうしてこう、
人を和ませるのが上手なんだろう?

「そうなの?そっか…。
そうだね。
何も知らないんだね、私達。」

ちょっと肩の荷が下りちゃった気がして、
せっかく、戦意喪失させようと思ってたのに、
拍子抜けしちゃって、
笑ってしまった。

「大丈夫。カワイイ…」

アオくんの手が、私の頬を撫でる。
そんなこと言われると、
私もアオくんと同じ歳の女の子になったような気がする。
アオくんが私を抱き寄せて、
唇に優しくキスをした。
そのまま、首筋から下にどんどんキスが下がってくる。

体が熱くなってくる。
どうしよう。
またこんなことに…。

抵抗するべきなんだろうけど、
もう体は言うことを利かなかった。
体が痺れ始めてきて、
声がつい漏れてしまう。

こんなのマズイ。
すっかりこの子のペースになっている。

気付くとまたアオくんの腕の中にいた。
いつの間にか寝てしまってたらしい。
時計を見たら、朝だった。

まだ少年って感じのアオくんの寝顔を見ていた。
またこんなことしてしまった。
どうしよう。
にしても、ホントにまだ若いんだな…

アオくんの目が覚めた。
「おはよう。」
「おはよ…」

まだ寝惚けてるらしい。

「アオくんの寝顔って、子供みたいでカワイイね。」

つい思ったことが口に出た。

「フジサワさん…
連絡先教えて。」

え?
まだこの関係を続けようって言うの?

良くないんじゃないかと思った。
この子が傷つくんじゃないかな…。

ううん、そうじゃないか。
私が空しくなるだけかも。

アオくんは、何を考えたのか、いきなり私をくすぐってきて、
私の体を弄び始めた。

「教えないとやめないよ。」

意地悪なことを言い出す。
もう耐えられない。

「教える。教えるから、もうやめて…。」

強引な男の魅力にかなうワケが無い。
しかも、彼は私の好きなタイプなんだもの。

もう、なるようになれって思った。

自分がこんな人間だとは、思わなかった。








続きはまた明日

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最終更新日  2009年08月08日 14時37分37秒
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