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June 3, 2004
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長崎県佐世保市の小6女児殺害事件は、他のクラスメートらが犯行直後、血まみれの加害者の同級生を目撃するという不幸な事態も招いた。6年間一緒のクラスだった子どもたちに与えた「心の傷あと」の深さは、うかがい知れない。学校を舞台にした、あるいは子ども同士の事件も後を絶たない。事件後の子どもたちへの心のケアに問題点はないのか、探った。 (蒲 敏哉、藤原正樹)

 「どげんしたとや」。男性教諭(35)の悲痛な声が教室に響いた。現場は佐世保市立大久保小学校三階の学習室。児童が自由に出入りできる憩いの場だった。

 一日正午すぎの給食の時間。六年一組の机には牛乳、ご飯に酢の物、海鮮豆腐が並べられ「いただきます」と皆が手を合わせた直後、両手を血だらけにした女児(11)が飛び込んできた。

 教諭が女児の手を広げてカッターナイフを取り上げ、とっさにいなくなっている同級生・御手洗怜美(さとみ)さん(12)を思いだし「御手洗は」とたずねると、女児は「私じゃない。私の血じゃない」と叫び、廊下の先を指さした。

 この後、教室にいた三十六人の児童は五時間にわたり個別に事情聴取された。

 「想像を絶する経験をし、児童たちの受けたショックは計り知れない」と駆けつけた同市教委の小林庸輔主幹は話す。

 同小は全校児童百八十七人。一年から六年まで各一クラスで、六年生は三十八人。六年生の息子を持つ父親はこう話す。「一年生からずっと同じクラスだから、とても仲が良い。もちろん、転校してきた御手洗さんも含め、兄弟、姉妹と同じほど親密だった」。それだけに、事件の衝撃、その影響は大きかったという。

 別の同級生の男児の祖母は「五人家族でいつもにぎやかなんだが、孫は昨晩帰ってきてからもなんも話さない。相当なショックで沈んでいる」と明かす。

 同校OGの看護専門学校生(23)は「一年から六年まで同じクラスだから席替えを月一でやって気分を変えていた。中学時代を通じて家族以上の親友もできる。今回はそれが壊れ、周りも精神的傷を負った。残された子どもが楽しい人生を送れるかどうかはカウンセリングの仕方次第」と看護の立場から心配を口にする。



 全校集会では六年生のうち男児一人、女児二人の計三人が欠席。前述の小林主幹は「依然としてショックが続き登校できない児童もいるのでは」と推測する。

 保護者会では、「当面休校にすべきでは」との意見について、臨床心理士から「休むことでは心は治らない。まず登校させることが治療の常道」と説明があったという。小林主幹は心的外傷後ストレス障害(PTSD)が長い期間を経た後、発症する場合があることを踏まえ、「当面、学校には臨床心理士が朝から夕方まで常駐するが、どこまで手を尽くしたらいいのか」と厳しい表情で話した。

 同様の事件で、心のケアはどう行われたのか。

 昨年七月の長崎市幼児誘拐殺人事件で、被害者の男児が通っていた幼稚園でケアを担当した長崎純心大学の大野弘之教授(児童臨床心理学)は、同事件では、結果的に園児へのケアが、被疑者の少年が通っていた中学に二週間ほど遅れたことを悔やみながら、こう話す。

 「行政的な手続きの問題などで遅れてしまった。事件では同じ組の園児に特に強い影響が出た。眠れない、怖がるなどの症状だったが、大人に比べ、逆にストレートに影響が出た。いつもいた人間が急にいなくなったということへの不安などが大きな原因だった」

 ケアには三カ月ほどかかったという。その上で、今回の事件については「七十二時間以内に行わなければならない『応急手当て』は、三人の臨床心理士が行っている。しかし、心の傷は深刻と見られ、今後、半年、一年という長期的なスパンで見守っていかなければならないだろう」と話す。

 一方、二〇〇一年六月、福岡県小郡市の小学六年男児(11)が公園で、同級生(11)=いずれも当時=に全身を包丁で刺され重傷を負った事件は、周囲が「二人は仲良し」と口をそろえる状況で起こった。

 「家も近所、保育園から一緒でいつも遊んでいた。はた目には仲の良い二人の悲惨な事件で学校中に動揺が広がった」(同市教委幹部)ため、児童に「心と健康のケア」が実施された。

■『自分もそうなりそうで』

 全学年の担任が児童一人ひとりと面談し「夜、眠れない」「食欲がない」など、事件が与えた影響を二十項目にわたり聞き取り調査した。六年生はほぼ全員が「下校が怖い」「自分もそうなりそうで、心配」などと不安を訴え、全項目の三分の一以上に該当した。他の学年でも30-40%いた。

 同年度いっぱい同小には臨床心理士が置かれ、個別面談も実施。その後も被害者の進学に合わせ、中学でも臨床心理士を配置するなど、心のケアを継続し、効果を上げたという。



■報道の影響でPTSDも

 大阪・池田小校内児童殺傷事件で、心のケアにかかわった大阪大学の西沢哲助教授(児童心理学)は「佐世保の事件は、同級生の血まみれの姿を見たなどの点では、池田小事件と同じだが、被疑者は他人ではなく信頼関係があった友達で、“特殊な影響”が出る恐れがある。さらに、事件報道などで想像をかき立てられた児童にもPTSDが起こる可能性がある」と指摘し、きめ細かなケアを求める。「児童一人ひとりトラウマの強弱が違う。そんな個別性、事件当事者との関係性を細かくチェックする必要がある。加えて、クラス単位などグループでの対応で、児童の友人への視点・認知への影響を調査する必要がある」

■事例積み上げ再発防止策に

 一方、日本の少年事件では事件原因が検証されずに終わる例が多い。西沢助教授は「少年事件ごとに児童精神医学者など研究者が心理疫学的な調査をし、事例を積み上げれば再発防止策としてフィードバックできる。米国では実施されているが、日本では『悲惨な事件で子どもをモルモット扱いするな』という感情が強く、どうして事件が起こったのか解明しようという視点がない」と批判する。

 西沢助教授はこう提言する。「少年事件はプライバシーが強調され、事件の背景が見えない。さらに、阪神大震災などの天災ではデータが共有されるが、事件では周囲の責任問題も絡んで情報が隠ぺいされる。前例のない今回の事件をきっかけに、面接や心理検査で問題点を正確に査定する心理アセスメントなどを実施、事件の背景を検証する調査を始めるべきだ」





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Last updated  June 3, 2004 10:21:13 AM
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