にゅーハチのブログ
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映画ドラえもんの中でも一際異彩を放つ傑作、のび太と夢幻三剣士。 その中でも特に怪異な存在であるトリホーについて語りたいと想います。 冒険の舞台は夢世界。ひみつ道具、「気ままに夢見る機」(以下夢見る機)で行く夢の世界です。ゲーム機の如くカセットを挿して、そのソフトの世界を眠っている間に体験する道具です。「明晰夢を見る機」とか「夢の中でVR」的なものでしょうか。 注意書きに、「過度の使用は健康を害し、現実への影響を及ぼす場合がありますので、ご注意ください。」とあるので、ご多分に漏れずヤバめの道具です。 ちなみに、最初に表示される画面に「2183EMIX」との文字があります。あと163年待てば我々も体験できそうです。 トリホーは未来のひみつ道具の中の夢世界の敵軍の幹部、言ってみればゲームのキャラでしかないハズなのに、夢見る機を起動する前からのび太の住む現実世界の現代に現れ、のび太に接触します。その不可解さと不気味さが、この映画をドラ映画の中でカルト的人気を誇る一因であります。 ではトリホーとは何者なのか。以下の仮説を立てて話を進めたいと想います。 「彼はドラえもんが作られた時代、未来世界の市民ロボットである。」 職業は未来デパートの配送係で、夢見る機のヘビーユーザーでもある。夢幻三剣士の世界を舞台にしたカセットではトリホーを使用キャラに選んでプレイ中である。 一人暮らしをしており、夢見る機の夢幻三剣士にどハマりし、夢と現実が入れ替わると言う危険極まりない隠しスイッチを押してしまった。現代の廃ゲーマーが昼夜逆転生活を送っているが如く、彼も現実夢逆転生活を送っている。 自分がトリホーだと思い込んで現実でも、現実より夢世界を優先して行動してしまっているのです。まるでスマホゲーの時間限定イベントをこなすために現実の用事をキャンセルするが如く…。 ドラえもんが読み上げた夢幻三剣士のカセットの注意書きが以下です。 「この夢は強いパワーを持っているので現実世界に影響することもあります。このカセットは他と違い第二の現実を創造するため実感を盛り上げる様…(のび太に遮られ以下不明)」 トリホー初登場は、現代の裏山です。人間の姿で、のび太に知恵の木の実を授けます。食べた途端のび太は知恵を手に入れ、宿題を苦もなく仕上げます。この木の実は未来のひみつ道具でしょう。未来の住人なので姿を変えることもひみつ道具で余裕です。この日の放課後、のび太を夢幻三剣士の世界に誘います。 帰宅するとドラがほぼ未来デパートから夢幻三剣士のカセットのセールスくらっています。このセールスもトリホーの紹介があったのでしょう。二つとない特製品と言っていますが、おそらくただのセールストークでしょう。閉店しない閉店セール!みたいな。 次の登場は夢幻三剣士のカセットを注文した時です。ドラえもんがそのカセットを注文した時、奇妙なことに中々届きません。仮に注文が殺到したとしても、タイムマシン技術を介して配達されるのですから、遅延は存在しないはずなのに。22世紀人の20世紀客イジメでしょうか。「20世紀の奴から注文キターw、ナマイキやんけ、ちょっと焦らしてやるンゴw」みたいな。 そして、のび太の家の屋根の上で雨に打たれながらトリホーがクレームを入れると途端に届きます。おそらく悪戯したのがトリホーの配達仲間だったのでしょう。仲間の知り合いだと思って急いで届けたのだと思われます。 この三剣士の夢は2回目からは、ジャイスネしずにもおでこにアンテナをつけて、夢を共有させます。今で言うMMO RPGのような状態でしょう。もしかしたら大帝や他の登場人物もアンテナをつけたプレイヤーが演じているのかもしれません。 また、ひみつ道具を夢の中でも現実と違わず使うことができます。よほど精巧なプログラムなのでしょう。しかし現代のオープンワールドゲームで、スケールや精密さが高くなればなるほどバグの問題が深刻なものになるように、この三剣士のソフトもバグや問題が多発しているように思います。夢の中で奪われたドラえもんのポケットが現実でも奪われたままなど、いわゆる消失バグそのものです。リアルさを追い求めるあまりプレイ後の疲労度や現実生活への支障などを度外視している点などからも、22世紀のレビューサイトは大荒れなことでしょう。 ドラのように未来の道具を乱用しなかったのは三剣士の世界観を大事にしているからでしょうが、その一方で無意識ではこの生活が良くないもので誰かに終わらせてほしいと思っていたのかも。夢の世界でまどろんでいたい自分とまともな生活に戻らなきゃという自分とのせめぎ合いがあったのではないでしょうか。 そしてのび太が大帝を倒し、世界を救った、ゲームクリアした時、トリホーも隠しスイッチの効果から解き放たれ、自分で自分が使っていた夢見る機の隠しスイッチを切り、本来の意識を取り戻しお調子者の配達係として、のび太の部屋に返品回収の作業にやって来たのです。敵同士だったとはいえ所詮夢の出来事なので、のび太やドラに特に恨みなどの感情も抱かず。 うっかりさんなので、のび太の隠しスイッチを切るのを忘れたようで、エンディングの学校がおかしなことになっていましたが。チート適用中にセーブしたデータを、チートを切った状態でロードしたら挙動がおかしくなったゲームの状態といったところでしょう。 トリホーか他のスタッフが後から気付いて隠しスイッチを切って、それでのび太らの混濁した奇妙な状態も終わるはずです。 そもそもなぜ隠しスイッチなんて極めてヤバい機能をつけているのでしょうか。デバッグモードスイッチを削らず製品化して、名前を変えて残ってしまったのかもしれません。通常プレイさえままならない見切り発車なクソゲー、22世紀のゲーマーの評価はそんなものかもしれません。 結論 ドラえもんのび太と夢幻三剣士とは、廃ゲーマーが立ち直り社会復帰する社会派ヒューマンドラマである。
2020.05.11
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