にゅーハチのブログ

2019.06.21
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犬夜叉。
途中で脱落したとか、奈落との鬼ごっこ、中だるみだなど言われることもあります。ですが、完結している作品の強みで、一気見できます。脱落した人も満喫に行くなり、大人買いするなりで、見てみてください。サイドエピソード的なものにも本筋に繋がる意味があって、とても良くできた作品だと分かるのではないでしょうか。

犬夜叉の名シーンは数多くあります。神楽が死ぬ時、桔梗が死ぬ時…等々。
特に神楽はそれまで人間や妖怪を何のためらいもなく殺しまくっていた悪者であるのに、ボロボロになってからの最期の演出のおかげで妙に同情的にみてしまうという、留美子マジックが冴え渡っています。
しかしベストシーンは?と聞かれれば、こう答えるしかないじゃない。
最終回のかごめのママだと。

かごめが最終回で現代から過去に飛び立つ時、立ち会ったのは母親だけです。描写がないだけでじいちゃんと弟も立ち会った可能性もない事はないですが、おそらくは母親だけです。井戸の底に空を見つけた時と、井戸を通り抜けて犬夜叉と再会した時のかごめの服装が同じである点からも想像できます。

かごめと離れ離れになった後、犬夜叉は三日に一回閉じた井戸を訪れています。
かごめも同じペースで井戸を覗き込んでいたことでしょう。その都度悲しげに覗きこむかごめを母親が後ろで見守っていたはずです。



母としては現代に残って欲しいが、自分は娘より長生きは出来ないのだから自分の勝手な希望で娘を縛り付けるのは良くない、愛し合うパートナーと暮らすのが一番だ。引き止めるという選択肢はもう無いのだ。ならいつ送り出すのか。祖父と弟が帰ってくる時間まで待って欲しい。でもいつ閉じるか分からない。待たせている間に閉じて二度と開かなかったら?
かごめはなまじ一度開いたのを見てしまったためにより一層執着して気を病んでしまうかもしれない。今しかない。最後の別れに立ち会わせてくれなかったことを二人は激しく責めるかもしれないが、今しかない。
というのを一瞬で理解した表情です。

かごめも娘として最後に母親に甘えるという行為をしたのです。現代の事を全て丸投げというとんでもなく重い甘えですが、母親も最後にしてやれることなので、娘の一生分の甘えに応えようと頑張ったのでしょう。

現代に残された人たちにも自分の人生があるので、かごめロスに浸ってばかりもいられません。友達の姉に関する質問を軽くいなし、祖父の体調を気遣う草太と、寄る年波には勝てないと孫にしょぼくれてみせるじいちゃんのように。
二度と会えないものの死別したのではなく、遠くで幸せにやってるのだからいいじゃないかと納得するしかない、とてつもなくシビアなハッピーエンドだといえるでしょう。







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最終更新日  2019.06.21 22:07:51
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