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2007年11月14日
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カテゴリ: 国際政治
永年の間「無原則外交」を続けてきた自民党政権は、いま「テロ特措法」と「拉致問題」という2つの外交、安全保障の難題にぶつかっている。政府は「テロ特措法」について「テロとの戦い」「国際貢献」のためと国民に対し理解を求めようとしているが、民主党は「国家の行動原則である憲法」に違反していると反対の立場だ。

「拉致問題」についても小泉元総理は「拉致被害者の全員帰国」という原則を放棄し、北朝鮮が出してきた「拉致被害者13人(8人死亡、5人生存)」を呑んで「平壌宣言」を結ぶ政治決着を行ってきた。その後、拉致被害者の反発もあり13人以外の拉致被害者も返せと要求したが北朝鮮から約束違反と激しい反発を受けている。

北朝鮮のこのような態度は日本人の感覚からすると盗人の開き直りのように見える。これに対して拉致被害者家族の蓮池透氏は11月11日放送のサンデープロジェクトで「日本政府はなぜ北朝鮮が日本に対して激しい怒りをぶつけるのかを理解して対応策を練るべき」と極めて冷静な発言をしている。

蓮池氏は、小泉訪朝以来、日本政府は拉致被害者の全員帰国という原則を主張せず、4つのあいまいな政治決着(1つは2002年の小泉初訪朝と平壌宣言、2つめは拉致被害者5人の一時帰国で決着を図ろうとしたこと、3つめは小泉再訪朝と拉致被害者家族の帰国、4つめは横田めぐみさん遺骨問題)を行ってきたと批判している。

拉致被害者からすると小泉政権は自身の支持率回復のために北朝鮮との間で「平壌宣言」というあいまいな政治決着をはかってきたという思いがあるようだ。国民感情からすると「5人でも帰ってきたのだからいいじゃないか」と思うかもしれないが、相手にそれで打ち止めと思わせたことになれば他の人は返還されなくなる。

結局、最初に原則を決めずに日本政府が「北朝鮮の拉致被害者は13人」を認めたことが、その後の問題の解決が一歩も先に進まない状況を生み出した。安部総理が「拉致被害者の全員帰国」という原則を新たに持ち出しても、日本政府が「平壌宣言」に縛られる限り北朝鮮は約束違反と原則論を繰り返すだけだ。

さらに蓮池氏は「拉致問題」解決に熱心な福田総理に対しても、また「あいまいな政治決着」をするのではないかと危惧の念を抱き、真の問題解決のためには「平壌宣言」を破棄し、もう一度再交渉すべきとも主張する。しかし「平壌宣言」の破棄は小泉訪朝の否定につながり、今の自民党政権下では実現は難しい。

日本人の「あいまい」な交渉態度は相手を傷つけないなど良い面もあるが、文化の違う諸外国との外交交渉においては無原則やあいまいさは相手を怒らせたり、こちらの立場を不利に追い込むことになる。国民の間で小泉訪朝は高く評価されているが「拉致被害者の全員帰国」が実現しなければ日本外交の失敗であったといっても過言ではない。





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最終更新日  2007年11月14日 20時53分00秒
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