虹色のパレット

< 新しい記事

新着記事一覧(全2372件)

過去の記事 >

2008.11.08

884.白鳥・舞台裏表11－リハーサル on stage 2

(5)

カテゴリ：ダンス

先週は、後には回せない重大なことが色々起こった。
さあ、舞台裏に戻ろう。

Ｄ子さんが、コメントに書いておられたが、まさに、餅屋は餅屋。
これだけの色々な餅屋が、
それぞれの分担を担いながら舞台が構成されているとは！！
ただ、担っているだけではなく、全てがぴったりと合わなければいけない。

ダンサーのポジション。
真っ暗な客席に向かって、
踊りながら一瞬のうちに自分の位置を確認し無ければならない。
客席から見て美しいフォーメーションを
踊りながら作っていかなければならない。
そこで、
テープ屋、テープ屋！
と監督からお声がかかる。
テープ屋は色々な色のテープをもって、急いで舞台に。
赤をＸにその位置に。
青をＴ字にそことそこに。
テープ屋は、テープを言われた位置に張っていく。

カーテン屋。
これも間違えたら大変。
何層ものカーテン状の舞台背景を下ろたり上げたり。
タイミングが大切だ。

照明屋。
これも重要な仕事だ。
夜明けの色。室内の色。森の中の色。
スポットライト。
くるくると回りながらすごいスピードで動き回るダンサーを
追うのも大変な仕事だ。
ライティング微妙な色合いやタイミングによって、舞台は左右される。

音楽屋。
どれも重要だが、重要中の重要。

ほかにも舞台装置屋。

これらが、ぴたり合うようにする、そんな過程をつぶさに見ていた母は、
もう、頭が痛くなりそうだった。
｢やー、すごいなー。母には出来ない！！」
当たり前だけど。

そんな緊張の中で、舞台上のダンサー達は、なんとも和やかだ。

王子が出てきた。
「へい、へい、音楽が多すぎるよ。こんなに長い間、
ぼくは一体何をすればいいんだ！
湖は何処なんだ。えー、湖も見えないじゃないか。」
ユーモアたっぷりに音楽について、不満を述べると、すかさず、
｢ここは、サンタバーバラだよ！霧が深いんだ。
湖は、霧で見ないんだよ。」
と他のダンサー。
｢ハッハハハ。」
てな感じで笑いが起こる。
あの霧のサンタバーバラ港を見ていた、母は、すっかり納得。
うまい！！
因みに、この王子は、外部からのゲストアーティスト。

色々な場面で、こんな爆笑が起こる。

まだまだ、日本人の母は、こんなことで大丈夫なのか？
などと内心心配になりながら、
実は、おかしくてダンサーに釣られて笑ってる。

その日は、照明は、位置や色などは決めているようだが、
実際には舞台を照らさない。
コンダクターは、その都度総監督や舞台監督やダンサーの意見を
楽譜番号で記録しているようだった。
最後に、コンダクターが、
「さあ、明日どうなるか。始まったら、とにかく行くよりほか無い。」
なんていっていたので、
「Good luck!!」
と母。

大声が飛び交う、暗い照明の中で、懸命に写真を撮る母だったが・・・。
後で見てみて、がっかり。
ろくな写真は、撮れていなかった。