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2013年08月26日
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カテゴリ: 食事
 少し前の事となるのですが、漁業に従事する人たちの会合にお邪魔させていただいた際、年配の漁師さんに聞かされた「魚食栄えて漁業廃る」という一言は、今も強い印象と共に記憶に残されています。グルメブーム以降、特定の高級魚にだけ消費が集中し、それ以外の魚を獲ってきても消費には繋がらず、漁業自体が成り立たなくなってきているという実情が、その簡潔な一言によって見事に表現されていました。

 また、その会合では漁業人口や漁船の数は減っているのに、漁獲高はそれほど変わっていない、その背景にあるのは漁業の高性能化で、精度の高い魚群探知機や高出力の漁船の登場が漁獲高を支えているとの事が話されていました。高性能の魚群探知機は高価で、漁師に経済的な負担を強い、高出力な漁船はそれだけ多くの燃料を消費する事から、経費負担を大きくして漁によって得られる利益を減らしているという窮状も話題となっていました。

 そのような事が頭の片隅にあるせいで、日本人の魚離れという話題には敏感に反応してしまうのですが、あの日から時は流れ、魚離れは進む一方である事には落胆するのみとなっています。

 和食は健康面において世界的に評価が高く、和食を語る際には決まって「魚食を中心とした」という言葉が使われていたように思います。しかし、世界一だった日本の魚の消費量はポルトガルや韓国に抜かれ、今や日本の魚介類の消費量は3位となってしまっています。

 世界で魚介類の消費量が多いトップ10の国のうち、消費量が減少している国は日本だけとされる事からも、日本人の魚離れを伺う事ができます。

 子供の頃、魚屋やスーパーの魚売り場に並ぶ魚介類を眺めるのが、とても楽しく思えていました。その頃は冷気で満たされたカウンターに魚介類が形良く並べられ、カウンターの手前の部分には溝があり、常に水が流れていて魚に触れた手を洗う事ができるようになっていました。それがいつしか魚介類は発泡スチロールのトレ―に乗せられ、ラップで包まれて、触れても臭いすら着かないようになっています。

 スーパーにおける魚売り場も採算性が悪い「お荷物コーナー」となっていると聞かされて久しく、生鮮食料品を扱う上で品揃えの一環としては必要とされているが、このままでは魚売り場そのものががなくなってしまうという声もあり、魚離れは加速していくようにも思えます。

 魚離れの理由の一つとして、魚を調理する事の難しさや手が掛かるという面倒さが上げられ、その対応策として調理が簡単な魚種の提案が先行してしまった事も、一定の魚種に消費が集中する事に繋がり、会合での一言を助長したようにも思えます。

 スーパーで魚を買おうと思ったら総菜売り場か缶詰、刺身が欲しい時はカット野菜の売り場でサラダの一環として売られているパックを購入という寂しい事にはならないでほしいと、いまだに売り場で魚を眺めるのが大好きな私としては思ってしまいます。





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最終更新日  2013年08月26日 08時08分17秒
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