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2014年03月27日
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カテゴリ: 健康
 先日、ギニアで謎の病気が発生し、6週間という短い期間に23人が死亡したというニュースがあり、後にその病気がエボラ出血熱であった事が報じられていました。エボラ出血熱というと致死率が90%近くに達する事もある怖ろしい感染症であり、アフリカを中心に突発的に発生が見られる事からまた怖ろしいものが出てきたと思う反面、道の新たな病気でなかった事は幸いとも思えます。

 エボラ出血熱の発見は、今から30年ほど前の1976年に遡り、スーダンのヌザラという町で倉庫番の男性が39度の高熱と共に激しい頭痛と腹痛を訴えて入院してきた事が始まりとされます。

 病院に収容された男性は、その後消化器や鼻の粘膜から激しく出血して死亡し、その男性の近くにいた2人が同じような症状を発症してしまい、それを皮切りに血液や医療器具を通じて周囲に感染が広まっていきます。最終的にヌザラの街では284人が感染してしまい、151人もの人が命を落とすに到っています。

 最初の感染者となった男性の出身地の近くには川が流れていて、その川の名前から「エボラ」の名前が付けられ、今日、エボラの名前は川よりも遥かに高い知名度で致死性の感染症の名前として知られる事となっています。

 その後、10回ほどアフリカ大陸で突発的な発生と流行が見られ、感染してしまった際の致死率は最低でも50%、最大では89%にも上るという非常に高い致死率を誇るだけでなく、消化器官などの粘膜から大量の出血をして死に到るという壮絶な病状もエボラ出血熱の恐怖を不動のものにしたようにも思えます。

 エボラウィルスの毒性はタンパク質を分解してしまう事にあり、体細胞の構成要素であるタンパク質を破壊される事で出血が起こり、致命的なダメージを受ける事になってしまいます。発症を未然に防ぐワクチンや直接的な治療法は確立されておらず、わずか数個のウィルスが体内に入っただけでも感染してしまう事から、病原体としての危険度を示すバイオセーフティーレベルは最高度の「4」に指定されています。

 最初の流行となったヌザラの町では151人もの人命を失ってしまいましたが、発見からの30年間でエボラ出血熱で命を落とした人は600名程度とされ、感染力の強さや致死率の高さから見ると意外なほど少ない事に驚かされます。

 高い感染力と致死率を誇りながら意外なほど死亡者が少ない最大の理由は、エボラ出血熱が感染者の血液や体液に触れないと感染しないという点にあります。そしてもう一つは強力な致死性にもあるとされ、一週間ほどの潜伏期間の後に症状が生じると間もなく死に到ってしまう事から、感染者がキャリアとして感染を広めない事も感染の拡大を妨げる要因となっています。

 しかし、感染者が死亡してもエボラウィルスは感染力を保持している事や、野生動物がウィルスを運搬するという困った性質があり、感染が起こった地域の古いしきたりとして死体を沐浴させる事や、情報不足からエボラ出血熱による死亡を魔女のせいと考えて、死体の埋葬を行わないといった事は新たな観戦にも繋がっています。






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最終更新日  2014年03月27日 07時48分04秒
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