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2014年03月31日
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カテゴリ: 食事
 リアルタイムで見ていない事もあり、浅間山荘事件の際の事は良く判らないのですが、日本中の注目を集め、現場のテレビ中継は大変な視聴率となった事を後に聞かされています。その際に記録された視聴率、89.7%は視聴率調査が開始されて以来、最高の数値とされ、現在もその記録が破られていない事からも、当時どれだけの人がテレビで事件を見守っていたかを想像する事ができます。

 長野県軽井沢の山間部、2月の下旬という酷寒の中、山荘に立て篭もる犯人と取り囲む機動隊員という図式で試験は進行していくのですが、寒々とした画面の中、時折、機動隊員に支給される湯気を立てる温かそうな食べ物が目撃され、それが後の食文化に大きな影響を与える事となります。

 事件の現場は山荘であっても取り囲む機動隊員は屋外であり、緊張が続く中での温かい料理は機動隊員にひと時の安らぎを与えるだけでなく、見ている視聴者の興味も大いにそそるものとなりました。片手で持つ事に適した容器に入れられたその食べ物は発売後間もないカップ麺で、事件のテレビ中継を通して得た知名度を元にその後、急速に普及して独自の食文化を形成する事となります。

 カップ麺の誕生には、先行して開発された袋から取り出した乾燥した麺にお湯を掛けるだけで食べられる状態になる即席麺の存在を欠かす事ができません。即席麺が日本で発売された後、欧米へも市場を求めて売込みが行われたのですが、即席麺を入れる適度な容器が見付からなかった事から、紙コップに入れてフォークで試食してもらっていた事に着想を得て、カップ入りの即席麺が考案されています。

 カップは商品を販売する際のパッケージであり、お湯を注いで食べられる状態にするという調理器具であり、食べる際の食器であるという三役をこなす物であり、もともと手軽だった即席麺の利便性をさらに向上させて、インスタント食品としての一つのカテゴリーを確立する事に大いに貢献したといえます。

 今日ではカップ麺を主食として食べて、それで一食を終えるという事も珍しくはないのですが、開発当初は間食という位置付けであった事から袋入りの即席麺の麺の容量が100g程度である事に対し、カップ麺は70g程度と少なくなっているのはその頃の名残りとされ、大盛りである事を強調したスーパーサイズの製品の登場でやっと袋入りの容量に追い付くといった事が見られています。

 そんなカップ麺にかつては「標準」と「上級」というランク分けが存在した事は、あまり知られていない事となっています。2009年の6月30日の発売分を最後に撤廃されてしまったのですが、それ以前の製品にはJAS法の厳格な規定による標準カップ麺と上級カップ麺という分類が行われていました。

 標準とされるカップ麺は麺の重量に対し「かやく」と呼ばれる具材の重量が6%以上とされ、火薬の重量が麺の重量の15%以上になると上級とランク付けされていました。カップ焼きそばとカップスパゲティでは若干重量が緩和され、4%以上が標準、10%以上が上級と規定されています。

 今では世界中で食べられていて、現地生産されている物も多いのですが、個数で考えると日本が輸出したどの工業製品よりも多いといわれ、新商品が生まれては消えていくサイクルの早さも含め、カップ麺は日本固有の文化のようにも思えてきます。





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最終更新日  2014年03月31日 07時57分58秒
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