nipparatの日記 囲碁 不思議体験 

nipparatの日記 囲碁 不思議体験 

May 3, 2005
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テーマ: 囲碁全般(752)
カテゴリ: 囲碁
 先日のNHK杯、宮沢九段の対局を楽しみに見たが、ちょっと宮沢9段の力が封じ込められた感じで、残念ながら一回戦敗退となった。

 それでも、宮沢九段には大いに魅力を感じる。勝ち易いスタイルの碁を求める棋士が多い中で、極めて異色な存在である。手が見えれば成算はなくてもやって行ってしまう。そうしないと、気がすまないのだ。そして、必然的にサーカスのような面白い碁が生まれるのである。この姿勢は、プロとしてすばらしいと思う。

 よく、アマは勝ち負けはどうでもよく、プロ選手は勝ち負けがすべてという意見があるが、私は全く違う考え方である。むしろ逆ではないかとさえ思っている。
 もちろん、国を代表するトッププロや近いうちにそうなるプロには勝ってもらわないと困るのは当然である。問題は、そうでないプロである。道の先にトッププロが見えない棋士には、宮沢プロを手本にもっと個性的で楽しませる碁を打ってほしいと思うのだ。

 昨年依田碁聖と話す機会があり、極めて興味深い話を聞いた。今は20代前半に、タイトルを取れなければ絶対にトッププロにはなれないと言うのだ。これは、どうしてかと説明するのは難しいが、確かに過去も実際にそうなっている。若いころから期待されて、20代~30代ではタイトル戦に挑戦するなどして、トッププロになるのも時間の問題と思われていた人はたくさんいる。しかしそこでタイトルに届かなければ、いつの間にかタイトル戦線から消えてしまっている。
 依田プロによると、高尾プロがそのぎりぎりの正念場らしい。とすれば、今回宮沢プロに快勝したK9段クラスでも、先が見えているという事になる。何とも厳しい世界である。

 さて、アマの選手はどうか。アマの楽しみ方や目標は人様々である。勝つことや自分の記録更新を目標にするのも大いにけっこうであろう。
 以前、星稜高校の松井選手が5連続敬遠された時に、批判があった。「アマなのにどうして勝負しないのか。」というものである。この批判は、極めて的外れであると思った。
 多くの高校野球選手は、勝つという目標に向かって力を合わせて努力している。もちろん結果より努力することに価値があるのは当然だが、その肝心な本番でひたすら勝ちに向かわなくてどうするのだ。テレビ観戦者の見世物のためにやっているのではない。他人が批判する筋合いのものではないのだ。

 それに対して、プロ野球は魅せてもらわなければ困る。長島監督は、時に勝ち負けのリスクを犯してさえドラマを演出しようとしたそうだ。その点、山崎に本塁打王を取らせようとして松井を連続敬遠した星野や、松井に高津を代打に送った野村はどうか。彼らが一流の野球人と評価されているようでは、日本のプロ野球の先は暗いと思える。





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Last updated  May 3, 2005 04:40:38 PM
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Comments

nipparat @ Re[1]:追悼 畑正憲氏(04/08) GO!さんへ  ぜひお楽しみください。今回…
GO!@ Re:追悼 畑正憲氏(04/08) 11/11にしずおか囲碁まつりでまた伺う予定…
GO!@ Re[2]:追悼 畑正憲氏(04/08) nipparatさんへ 久能山東照宮は行ってみ…
nipparat @ Re:追悼 畑正憲氏(04/08) あまり確認しておらず、返事が遅くなりす…
GO!@ Re:追悼 畑正憲氏(04/08) しばらくご投稿がなかったので、案じてい…

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