ある日どこかで

ある日どこかで

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2011.06.09
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カテゴリ: 日本映画




多くの人の命を一瞬にして奪った原爆。昭和20年8月6日から3年後の広島。図書館に勤める美津江は父や大切な人たちを原爆で失くし、今は一人で暮している。ある日美津江は一人の青年と出会いお互いに惹かれるが、自分ひとりが生き残ったことに負い目を感じている彼女は、「私は幸せになってはいけない」と自分の心を必死に抑えようとする。そんな娘の事を心配した父親が、幽霊となって現れる。



浅野忠信はあまり出てきません。ほとんど宮沢りえと原田芳雄の二人芝居です。
ユーモアもあり、ほのぼのとしたものが感じさせられる父娘の会話。しかし、スクリーンの向こう側には、しっかりと原爆の惨劇とその後の生活の情景を見ることが出来ました。
愛する人たちを一瞬にして失くした傷痕はなかなか癒えず、生き残った事に苦しむ美津江。当時では多く聞くような話です。もちろん、幽霊となって娘を説得するなどあり得ないのですが、だからこそ、そこにユーモアと悲しみが感じられて心打たれるものがありました。

真面目に生きる美津江を、宮沢りえがとても清楚に演じていてステキでした。そして、原田芳雄の幽霊らしからぬ娘を想う幽霊が、どこか飄々としているからこそ切なくて、でもちょっぴりおかしくて、静かに哀しみを感じられる、でも決して暗過ぎることなく描かれていています。

原爆、戦争と言う題材を抜きにしても、父親が娘を想う気持ちはどこか小津作品にも通じるものがあり、しみじみと心に刻まれる作品でした。


2004年
監督/脚本:黒木和雄
原作:井上ひさし
出演:宮沢りえ、原田芳雄、浅野忠信




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Last updated  2011.12.17 16:17:41
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ETCマンツーマン英会話@ Re:『マイ・レフトフット』(05/09) 『マイ・レフトフット』を調べていてこち…
hoshiochi @ Re:☆君を想って海をゆく☆(03/18) はじめまして、こんばんは。私もこの映画…
Maria@ 残念ですけれど… まだまだ未読の映画レヴュー…少しずつ読め…
伊場拓也 @ Re:Somewhere in time!(03/24) 同じ思いかも?考え所ですかね。
こぶたのベイブウ @ Re:Somewhere in time!(03/24) リラさんのブログ、今まで楽しく読んでい…

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