月臣邸

2005.10.12
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「新弥ー、今日マック行きたい」
「は? なんだよ、どうせならもっといい所連れてってやるよ」
「いいの、マック行きたい」


誰かと行った気がした



「…お前さ……
 やっぱり、覚えてないのか」
「何を?」


ポテトを口にしながら尋ねてきた新弥に、何気なく返した




物足りない




いなくなった気がする















「ねえ、うちってなんでドラムいないの?」



何気ない一言だった。
楽屋で柩、咲人、新弥が寛いでる中。

俺のこの一言で、壊れた。





「……っ」

柩が
涙を流し、片手で口を塞いで嗚咽を漏らしてる

咲人が、傷ついた表情で俺を見つめた


「ぇ、な…何? ず、ずっと想ってたんだけど! 新しいドラム、探さないの?」


「……うちの…ナイトメアのドラムは……さんだけだから」



「思い出せよ…なんで忘れちまったんだよ……」


咲人が泣きそうな顔して
俺の頬を包んだ




「思い出せよ!!! 辛いからって忘れてんなよ!!」

「な、何…っ俺、何も忘れてなんか…」






記憶が曖昧で




たまに、マックとかファミレスとか

俺の家とかで


誰かを思い出すことがある





誰?



「俺、何も忘れてなんかない!」
「忘れてんだよ…お前の一番大切な人…っ」

「……ぁ」








一番大切な人?
そんなの、お袋でしょ、親父でしょ…
あと勿論柩も咲人も新弥もみんな大切だし、あ。てんてんも友達だし。


あと、誰?












思い出すのは







嬉しそうに微笑む


貴方で














「――

   」















貴方が墓石の下


微笑んでること願ってる





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Last updated  2005.10.12 20:31:15
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