月臣邸

2005.10.22
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子猫を、拾った。



ダンボールに入ってもおらず、雨に打たれてプルプル震えながら



怯えて目で、俺を睨んでた。





手を伸ばすと益々震えて、威嚇的に鳴いた。







面白いから

飼ってみることにした。















子猫と戯れ

1話 子猫と飼い主

















「ォーイ。お前って何食べんの」





ボロッボロのTシャツ一枚を纏い、寒さに震えていたコイツは。

俺とおんなじ人間の姿に、黒ネコの耳と尻尾がついたような形。





本物か? と思い耳を引っ張ろうとしたが…威嚇してくるせいで、触ることも出来ない。大人しかったのは、あの捨てられていた場所からうちに運ぶまでの間だけだ。

お姫様だっこするように持ち上げるとビクッと震えて……もしかして大人しかったって訳じゃなくて、怖くて何も出来なかっただけなのかもしれない。





しかしよぉ…こんなに威嚇されてちゃ、その汚ねぇTシャツ脱がせることも出来ないんだよな…

しかも、Tシャツ以外は何も着ていない。

つまり、見えてしまうのだ。大きめのTシャツを見下ろすと…小さく、その男である印が。







「…聞いてる?」



少し苛立った声で問うと、またコイツはビクッと体を震わせた。



「あ…悪い……」



怖がらせたか、と後悔しつつ謝ってみると、そいつは涙目になって俺を見上げた。







「…? なに?」





屈んで耳を近づけると。



小さいけど



凛とした、綺麗な声で。









「…ょみ……」









「…よみ?」



聞き返すとコクッと頷いて。



「何、よみって…お前の名前?」



コクコク頷くよみの顔からは、少しだけ恐怖心が消えていた。





「フーン…じゃ、黄泉」



名前を呼んでやると、不思議そうに首を傾げて。









「俺の名前は、流鬼」





頭を撫でてみると



次こそ威嚇しなかった。







「お前は、猫なのか?」



「にぁ…」





空いていた片方の手を唇まで差し出すと、黄泉は俺の人差し指を甘噛みした。

ああ、こーゆーのって猫の仕草だよな。



んー…まあいっか。



結構気に入ったので







俺は”黄泉”を飼うことにしました。

















中途半端な猫と



それを気に入ってしまった飼い主の





変なお話。









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Last updated  2005.10.24 06:58:42
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