月臣邸

2005.12.03
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「黄泉。…黄泉」


ペチ、と俺の頬を軽く叩く。
その優しい声の持ち主を探そうと、俺の瞳は無意識にキョロキョロと辺りを探った。

真上。

優しい瞳が、俺を見下げていた。



「…さき…と」


ポロッ、と雫が零れ落ちて。
俺は、咲人に抱きついた。

着ている服は昨日と違う服。




「っ…こわかっ……」
「…そっか」


頭を撫でてくれる大きな手が、あまりにも暖かくて。





俺は、また目を閉じた。











「…あー。起きた」

「ちゃんと縛ったぁ?」

「もちもちー。つか亀甲縛りの方よくねぇ?」

「ギャハハッ、それはまた後でだよなぁー」


パッ、と目を開けたら

さっきとはまったく違う空間で。

真っ暗な部屋の中に、3人の人影が確認できた。






ニヤリッ、と微笑んだその顔は


昨日俺を滅茶苦茶に犯した3人組の一人、”新弥”――



「ッここっ…」

ハッと顔が蒼ざめ、勢いよく起き上がろうとすると、冷徹な顔をした”瑠樺”に背中を踏まれ、硬い地面に押さえつけられた。
グリグリと踵で背を踏まれ、痛みに顔が歪む。



「…なっ…」

”柩”の人のいい笑みとは裏腹な発言に、俺は叫びそうになる口をグッと堪えた。

嘘。嘘――
ズキズキと痛む腰。

これは、夢じゃない――



涙が零れた。


「うっ、嘘…っ昨日、逃がしてくれるって…っ」

「はぁ? あんな嘘信じてた訳? アッハハ、おめでたいなぁー。ンなことするはずなーいじゃん。腐っても警察ですよー、こちとら」
「テメーは警察としてじゃなくてコイツの体目的だろ?」
「新弥だってそーだろーがよぉ、なあ瑠樺さん」
「フン、まぁな」


顔から血の気が引き、頭がクラクラする。
このまま死んでしまえれば、いっそ楽なのに。


「ま、本来は死刑なんだけどなー、お前」
「だけど俺たち、黄泉のこと気にいっちゃったからさ」



俺らが言ってること、わかるでしょ?















悪夢なら、せめて覚めてくれ。

誓ったあの時からきっと悪夢は始まった。


だから、もう――




僕を解放して…




Fin

結局咲人とはどうなったのよん。フフン





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Last updated  2005.12.03 18:23:48
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