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2005.09.10
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ニンギョウがニンギョウ

~講談社ノベルス~

 普段書くかたちでのあらすじは自分用にメモをとりましたが、ブログには感想のみ(多少は筋にもふれますが)アップすることにします。
 正直、よく分からない話でした。
 「ニンギョウのタマシイ」「タマシイの住むコドモ」「コドモは悪くないククロサ」「ククロサに足りないニンギョウ」。以上四つの短編集ですが、連作短編集の性格があります。
 昨日、本書を買ったことを書いた記事でもふれましたが、本書は定価1500円ですが、非常に薄いのです。箱入りだし、装丁も凝っていますが、もう少し安くならなかったのでしょうか…。

 とまれ。薄い本書の目次には、「ククロサに足りないニンギョウ」……234、とあります。まず、疑問に思い、第四話の扉を確認すると、109ページです。同じく、他の話のはじまるページも、目次と実際との間にズレがありました(第一話は、扉が7ページ目、はじまりが8ページ目で、目次には8とあります。短編の扉(タイトルだけが書いてあるページを、このようにいうかと思うのですが…)がある場合、その扉のページを目次に記すのが一般的だと思っていますので、やはりこのズレも、ズレと考えてよいのでしょうか。なにしろ、本書の奥付に、143pとあるのですから、234なんて数字はありえないのです。これは誤植ではなく、意図的に付された数字なのだと考えるしかないと思うのですが、まったく意図がわかりません。いくらか考えてみたのですが…。
 さて、物語の方に話を移しましょう。
 一話目は、17番目の妹が死んだため、23人の妹をもつ長男である私が映画を観にいく、という話です。まず、設定されている世界が分からないと厳しいな、と感じたのですが、結局その世界がわかりませんでした。あえていえば、ぐっちゃぐちゃの世界です。私は、靴を三足はいて出かけ、映画館は、銀行の中でキャッシュディスペンサーの場所を尋ねたときに教えてもらった方向の延長だろうと「私」が勝手に認識して行ったところにありました。そこでは映画をさかさまに映すため、客も天井からぶらさがってみる…。こんな世界です。「そういう」世界なんだと割り切り、この世界を理解しようという気持ちをなくして読みました。

 それぞれの話で、23人の妹のうち一人あるいは二人がクローズアップされています。そして一貫して登場する「熊の少女」。
 結局、話が理解できたとはいえません。左手で拳銃を扱ったために起こったこととか、右足の腐敗そして○○とか(珍しく伏せ字)、空がないとか、兎の運転手とか、それぞれに象徴があるのかもしれないし、ないのかもしれません。わからなかったですが、「あ、いいな」と思える言葉には出会えて、付箋を貼って…。私はそれで満足でした。





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Last updated  2005.09.10 20:51:15
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