のぽねこミステリ館

のぽねこミステリ館

PR

Profile

のぽねこ

のぽねこ

Calendar

2015.08.22
XML


~福音館書店、2015年~


 日本で西洋中世研究をリードされている一人、東京大学教授の池上俊一先生による、絵本の第2弾です。
 前作 『カエサルくんとカレンダー』 が出たときもびっくりしましたが、続編が出たことにもびっくりしました。ですが、子供たちにもわかりやすいかたちで、身近なものの起源や由来を紹介するというのも、歴史学者にとって大切な仕事のひとつでしょうね。

 本作では、主人公は小学生のしょうたくんです。しょうたくんが図書館で本を選ぶと、中から出てきたのはローマの将軍、カエサル。カエサルは、従来の巻物形式の本を、現在の冊子形式にした、さきがけのような存在だそうです。
 図書館同士のライバル争いから、現在のトルコで羊皮紙の使用が始まったという話も興味深かったです。
 さらに時代をくだり、印刷本の話題になると、グーテンベルクさん(活版印刷の考案者)とアルドゥスさん(冊子の本を完成形にした)も登場して、しょうたくんに説明してくれます。

 電子パッドのような形態も出てきていますが、私にはやはり、帰る間際にカエサルくんたちが言うように、ページをめくって新しいページにいくときのどきどき感だったり、新しい本や古本のにおいだったり、そういうことが大切に思われます(古い人間なだけかもしれませんが…)。子供に本を読んであげるときに、じらしたあげくにぱっとページをめくってあげて子供が喜んでくれるような、そういうひとときも大切にしたいです。
 それに、このブログでも何度か書いていますが、コンテンツだけでなくて、その本自体への思い入れも大切になってきます。自分が書き込みをしながら読む専門書だったり、ミステリに目覚めるきっかけで何度も読み返した横溝正史さんの『本陣殺人事件』だったり、そうした本は、ただのコンテンツが大事なのではなくて、その本自体への思い出も大事に思います。
 …と、ちょっと話はそれましたが、娘が本書にも関心をもってくれるようになれば、また読んであげたい1冊です。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2015.08.22 23:02:46
コメント(2) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:いけがみしゅんいち(文)/せきぐちよしみ(絵)『カエサルくんと本のおはなし』(08/22)  
シモン さん
池上先生の本ですから、大人が読んでも楽しく興味深いでしょうね。

お嬢様がきっと楽しく読める歴史書のひとつになりますね。 (2015.08.29 12:21:20)

シモンさんへ  
のぽねこ  さん
コメントありがとうございました。
少ないページ数でありながら、(西洋の)本に関する歴史の流れが、すっきりと分かる興味深い1冊だと思います。
娘は、前作のカレンダーの絵本にはたまに興味を示してくれますので、本書も気に入ってくれたらと思っています。 (2015.08.29 14:09:38)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 第2部第…
のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 脳科学に…

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: