Albert Lecoy de la Marche, La chaire française au Moyen Âge. Spécialment au XIIIe siècle d’après les manuscrits contemporains
, Genève, 1974 (1886)
19
原著第1版は 1868
年刊行で、本書は 1886
年に刊行された第2版のリプリント版です。
本書の構成は次のとおりです。(拙訳)
―――
前書き
第1版の前書き
第1部 説教師
第1章 フランス説教壇の起源
第2章 一般的な説教師
第3章 在俗聖職者の説教師―司教と枢機卿
第4章 在俗聖職者の説教師―司祭と教師
第5章 修道会の説教師―ドミニコ会とフランシスコ会
第6章 修道会の説教師―様々な修道会
第7章 逸名作者の説教集
第2部 説教
第1章 聴衆、説教活動の時と場所
第2章 説教で使われた言語について
第3章 説教の様々なジャンルとその主題
第4章 説教の方法と様式
第5章 説教の話し方と再生産
第3部 説教からみた社会
第1章 教会と宗教的世界
第2章 王国と封建社会
第3章 ブルジョワ、商業、民衆
第4章 女性と奢侈
第5章 学校と教育
第6章 文学、科学、芸術
ビブリオグラフィー
補遺
―――
第1部第1章で原初から教父、 12-13
世紀の説教活動の状況を簡潔に見たのち、第2章は説教の担い手の概要と彼らの義務と機能などを論じます。第1部のメインは第3章以下で、主な説教の担い手ごとに、その略歴や主著を紹介します。第3章は司教や枢機卿 13
名、第4章は司祭や学者など 16
名、第5章はドミニコ会士 20
名。フランシスコ会士 9
名、第6章はシトー会士ら約 10
名を扱っており、とにかく幅広い目配りがされています。また第7章では、これらの説教師の所属する集団ごとに、説教の写本の数をまとめた表が付されています。
第2部は、説教史料に関する分析で、上の構成のとおり、聴衆などの一般的状況や、説教に用いられた言語(ラテン語か俗語か)、説教史料の分類などの議論を展開します。
第3部は上の構成のとおり、説教史料をもとに、 13
世紀社会の諸側面を描きます。たとえば第3章は表題のブルジョワなどのほか、船乗りや農民、迷信についても論じていたり、第4章は結婚生活に求められる内容(子どもの教育など)や部屋の飾りなどにも言及があったりと、扱われるテーマは多岐にわたり、また興味深い内容となっています。
付録として、本書に登場する人物の所属修道会(あるいは教師などの属性)、没年、主著などを整理したビブリオグラフィーが付されていて、今回は目を通せませんでしたがこちらも必要に応じて参照できるので便利です。
付録を除く本論だけで約 500
頁という大著なので、今回は流し読みした部分もありますが、この基本的文献にようやく目を通せてよかったです。
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