Beverly Mayne Kienzle (dir.), The Sermon , Turnhout, Brepols, 2000, 998p.
ビヴァリー・メーヌ・キエンズル編『説教』(西欧中世史料類型第 81-83
分冊)A- VI
.B
A.文献史料
VI
.宗教・道徳生活関連史料
B.説教活動
(1.一般的諸問題 2.説教・聖書講話の集成 3.語られない説教
4.説教術書 5.例話集)
* * *
久々にレオポール・ジェニコが創刊した叢書『西欧中世史料類型』からの紹介です。今回紹介する第 81-83
分冊は、説教史料(そして関連する説教補助手引き)について、膨大な文献目録、、一般的性格を示す序論、そして初期中世から後期中世までを時代別に、また地域別に論じる諸論文から構成されます。
本書の構成は次のとおりです。(拙訳。連番は便宜的に付けました)
―――
献辞
編者前書き
文献目録( George Ferzoco
)
[01]
序論 (Beverly Mayne Kienzle)
[02]
中世ユダヤ教説教 (Marc Saperstein)
[03]
初期中世説教 (Thomas N. Hall)
[04]12
世紀修道院説教 (Beverly Mayne Kienzle)
[05]12
世紀学校教師と聖堂参事会員の説教 (Mark A. Zier)
[06]1200
年以降のラテン語説教 (N. B
ériou)
[07]
イタリアにおける中世説教活動 (1200-1500)(Carlo Delcorno, trans. by Benjamin Westervelt)
[08]
古英語の俗語説教 (J. E. Cross)
[09]
中英語説教 (H. L. Spencer)
[10]
古北アイスランド語説教 (Thomas N. Hall)
[11]
フランス語説教、 1215-1535
年 (Larissa Taylor)
[12]
スペイン、ポルトガル、カタルーニャにおける俗語説教活動 (Manuel Ambrosio S
á
nchez S
á
nchez)
[13]
中世におけるドイツ語説教 (Hans-Jochen Schiewer)
[14]
結論 (Beverly Mayne Kienzle)
写本索引
―――
40
頁程度の小著もある本叢書ですが、本書は全体で 998
頁と、おそらく叢書のなかで最長の一冊。文献目録だけで 120
頁以上あります。
序論と結論を除く各章は、 I.
定義、 II.
発展、 III.
普及、 IV.
解釈の諸問題、 V.
校訂版、 VI.
歴史的関心、 VII.
サンプルテクスト、という叢書に共通する構成を持ちます(一部順番が違ったり小見出しが違ったりしますが)。序論は中世説教史料の定義と概観を提示しており、中世ヨーロッパの説教を勉強するうえでは必読。結論は、各章の IV.
解釈の諸問題と VI.
歴史家にとっての関心を整理しており、この整理から各章のポイントをつかむことができます。
ごく簡単なメモですが、このあたりで。
学生時分から(関心部分については)何度も読んでおり、今回も全体に目を通したわけではありませんが、ようやく記事が書けました。
(2022.03.13 読了 )
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