神崎忠昭『新版 ヨーロッパの中世』
~慶応義塾大学出版会、 2022
年~
2015
年に刊行された初版(記事は こちら
)に「知の世界」の章を加えるとともに、初版にはなかった文献案内も補足した新版です。
本書の構成は次のとおりです。
―――
イントロダクション
第 1
章 大いなるローマ
第 2
章 古代世界の終焉とゲルマン人
第 3
章 フランク王国
第 4
章 隣人たち――交流と緊張
第 5
章 鉄の時代――混乱と再編
第 6
章 皇帝
第 7
章 教皇
第 8
章 修道士
第 9
章 英仏の葛藤
第 10
章 都市
第 11
章 新しい宗教生活
第 12
章 知の世界
第 13
章 国民国家
第 14
章 それぞれの国制の模索
第 15
章 隣人から一員へ
第 16
章 中世後期の教会
第 17
章 衣食住
第 18
章 人の一生
第 19
章 宗教改革
第 20
章 近代へ
エピローグ
文献案内――さらに学びたい人のために
人名・事項索引
図版出典一覧
―――
概説書なので細かい紹介は省略して、完全に自分のためのメモをしておきますが、特に分かりやすかったのは、教会行政に関する役職と品級の違いを簡潔に指摘する 140-141
頁。7つの品級(司教、司祭、助祭、侍祭、祓魔師、読師、守門)は叙階の秘跡によるもの、大司祭や大助祭は参事会教会の長(別事例もあり)を意味する、教会行政による役職。これは勉強になりました。
冒頭にも書きましたが、初版に参考文献目録がなかったのが残念だったので、今回文献案内が追加されたことは嬉しいです。単に章ごとの参考文献を挙げるだけでなく、総論として、論文の書き方に関する基本文献の紹介から始まり、研究入門、概説・事典等、総論、翻訳史料、データベースについても紹介があるのが有益です。
(2022.09.17 読了 )
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