京極夏彦『ルー=ガルー 忌避すべき狼』
~講談社ノベルス、 2009
年~
京極夏彦さんによる未来を舞台にした長編小説。読者から公募した近未来社会の設定を活かすという、実験的な作品でもあるようです。
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学校という制度もなくなり、児童たちはモニタを通じて学習する時代。時折、リアルのコミュニケーションを経験するためのコミュニケーション研修を受ける。
ある日、牧野葉月が研修の帰りに寄り道をすると、同じクラスの歩未がいた。そこに、天才少女の美緒も現れる。なんとなく解散したのち、美緒の忘れ物があり、葉月と歩未はそのディスクを届けることにした。
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その頃、葉月たちの住む町の近隣で連続殺人事件が起こっていた。カウンセラーの不破は、無駄な会議・決定に抵抗するも、子どもたちの個人データの提供という不本意な業務にあたることとなる。
監視役として、あまり有能ではなさそうな警察官、橡が作業に立ち会っていた。橡は、不破の考えに共感するところもあるようで、不破の担当児童が行方不明になったことが分かったとき、職務権限を越えて不破の手助けをすることとなり…。
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歩未が、殺人犯と目される人々にクラスメートが襲われているところに居合わせたこと。そこに、美緒の友達、麗猫が現れて少女を助けたことなどが明らかになっていく。葉月たちは、行方不明になった少女・矢部を助けようとするが、大きな陰謀に巻き込まれていき…。
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2001
年に徳間書店から刊行された単行本で一度読んでいて、当時もわくわくしながら読んだのを覚えていましたが、 20
年以上ぶりの再読の今回も面白く読みました。
背表紙には「ミステリ」という言葉もあり、たしかにそういった要素もありますが、少女たちが巨大な陰謀に(ときにとんでもない手段で)挑む姿が印象的な物語です。
上でも少し触れましたが、物語は葉月さんの視点と不破さんの視点で交互に語られます。
有能ではなさそうな橡さんですが、かっこよいですし、次第に不破さんが彼に心を開いていく様子も素敵でした。
葉月さん、歩未さん、美緒さん、麗猫さんの4人も素敵です(美緒さんのぶっとんだ感じが特に良いですね)。
あらためて、久々の再読でしたが、良い読書体験でした。
(2024.12.25 読了 )
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