横溝正史『幽霊男』
~角川文庫、 1974
年~
金田一耕助シリーズの長編です。
―――
ヌード・モデル仲介業者、共栄美術倶楽部にふらりと訪れた不気味な男。ぼさぼさの髪に、襟巻きに顔をうずめ、ほとんど顔を隠したその男は、幽霊男と名乗った。幽霊男は、そこにいた三人の娘の中から、恵子を指名した。翌日、約束通り幽霊男のもとを訪れた恵子は、男に血を吸われそうになってしまう。
恵子の帰りが遅いことを心配した倶楽部のメンバーが、彼女の足取りをたどると、彼女がトランクに詰められてホテルに届けられていたことを知る。たどり着いたホテルでは、彼女が真っ赤な浴槽の中で死んでいるのが発見された。
その後も、ある人物の依頼で事件の捜査に関わった金田一耕助を翻弄するかのように、惨劇が続いていき…。
―――
金田一耕助ファイル 10
と銘打たれた改版の記事をあげたのが 2007
年7月(そのときも何度目かの再読)なので、およそ 20
年ぶりの再読です。金田一耕助ファイル版では、中島河太郎さんによる解説が省略されているので、今回旧版で解説が読めたのも嬉しいです。
その解説によれば、大衆向けの雑誌に連載するため、めまぐるしい展開となるよう意識された作品のようです。
実際、伊豆に舞台が移ったり、おどろおどろしいものが好きな人形作家が登場したり、幽霊男からの犯行声明があったり、謎の女性が登場したりと、手に汗握る展開です。
初めて読んだときの、意外な犯人に驚いた印象が忘れられずにいる作品の1つですが、今回も楽しめました。
(2026.08.18 読了 )
・や・ら・わ行の作家一覧へ米澤穂信『栞と嘘の季節』 2026.05.30
横溝正史『獄門島』 2025.11.02
吉本ばなな『キッチン』 2025.10.25
Keyword Search
Comments