存生記

存生記

2009年05月02日
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「レッドクリフ Part2」を池袋で見る。前編はDVDで見た。赤壁の闘いまで行かなくても十分楽しめた。なるべく言葉で説明せずに――冒頭さんざん言葉で説明するからなおさらだ――ちょっとした微笑などで万感の思いを表そうと務めている。音楽で友愛を確かめ深める場面などは秀逸だ。為政者は風流や芸事を解していなくてはならない。そんな時代の戦争を描いているからどこか安心してみられる。お茶にこだわってハニートラップにはまった曹操も少しは同情できるというものだ。

小説やマンガも三国志はおもしろい。今回の映画では、意外に孔明役の金城武に違和感がなかった。なんとなく賢者の風貌を想像させるキャラクターだが、理系文系を問わず当時の最新の知識を戦に生かした人物となれば、案外こういう新進気鋭の軍師もアリなのかもしれない。

 あくまでも冒険活劇として楽しめる映画であって、つっこみどころは満載である。劉備や孫権が最前線で闘っている光景なんて実際にはありえない。あれだけの大軍を率いる曹操にしても愚鈍すぎる。主君が愚鈍ならば支えるべき部下も愚鈍ときている。あれだけ豊かな大国であれば孔明に比肩する聡明な軍師がいてもおかしくないはずだ。水軍を統括する地元出身の武将らもあっさり処刑されてしまう。曹操軍は、私欲まみれの卑怯でやたらと数が多いだけの悪役として描かれている。

 対する弱小連合軍は一騎当千の超人ぞろい。ほとんど不死身なのだが、万が一死ぬ場合はそれなりの見せ場を演じてくれる。燃えさかる炎のなかの闘いは、やはり映画館で見るべきだ。爆裂のなか両軍が死力を尽くして闘う。敵味方の区別も困難な混沌とした戦闘を延々と描く。これから先も三国志は描かれていくだろうが、これだけのものが出てしまうと少なくとも赤壁の闘いに関しては、かなり高いハードルを超えなければならないだろう。





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最終更新日  2009年05月02日 14時51分42秒


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