存生記

存生記

2009年05月05日
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出不精ということもあって京都に来るのは久しぶりだ。新幹線に乗るのも久しぶりということになる。車窓の景色は工場と企業の看板が目立つ。到着後、抹茶色の電車に乗って萬福寺に向かう。電車はゆったりと運行している。ずいぶんと田舎に来たかのような時間の流れだ。古都の観光はこうした時間の流れも売り物なのか。

萬福寺は一風変わった中国風のお寺である。黄檗宗の隠元が開祖だそうだが、日本史の教科書で知っていた程度だ。入試のためだけに暗記して覚えていたが、実物がどんな建物なのかまったく知らなかった。なるほど異国情緒に溢れていて仏像もエキゾチックな風貌だったり、メタボな体型だったりする。横浜中華街に立ってそうな別館でやっていた加納鉄哉展を見る。

伏見稲荷大社に行く。雨が降り出したのでコンビニで傘を買う。鳥居が延々と続く道を登っていく。呆れるほどどこまでも鳥居が林立している。紅色の強烈な色彩と山景色が幻想的な非日常性をかもしだす。道が三つに分かれているところに来る。どれもが鳥居でびっしり覆われている。ひたすら登っていくと、もはやこれは登山だと思うほど消耗する。

鳥居が並んでいるだけでなく腰痛専門の神様やカエルの像など立ち寄れるスポットがある。必ず賽銭箱があってお金を徴収する現金な仕掛けになっている。お店なのか民家なのか、絵に描いたように年をとったお婆さんやお爺さんが山の上で暮らしているのに驚く。猫も人なつっこくつくづく牧歌的である。

鳥居だらけの道を適当に曲がって降りていくと、知らないところに行き着いてしまった。だがケータイのGPS機能で現在地がすぐわかるので迷うことはない。便利な時代になったものだ。

京都駅地下街で食事。消費者としては地下街が中心の町のようだ。連休ということもあるが、人が多く店が少なく感じられる。行列する店が多い。

京都タワーにのぼる。通天閣より少し高いタワーのようだ。見知らぬ土地に来るとこうやって俯瞰して落ち着くのだ。

銭湯に行く。雑居ビルにある怪しげな店である。中もボロく場末感がたちこめている。脱衣所では裸の男たちが黙って煙草を吸っており、そなえつけのテレビではロンドンハーツの番組が流れている。観光客が来るようなところではなく、風呂付きの家に住めない人たちが通ってくる銭湯だ。浴場は上の階にあり、まともな銭湯だった。電気風呂はビリビリして入れたものではなく、熱い風呂ばかりなので長湯はできなかった。





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最終更新日  2009年05月11日 00時40分43秒


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