存生記

存生記

2009年07月14日
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都議選の自民の大敗。当然の帰結。小泉マジックとはいえ、そもそも郵政民営化選挙で自民が圧勝したこと自体が不思議だった。この十年の世の中に成り行きに目をやれば自・公連立政治が何をもたらしたのかは明白だった。大企業の優遇によって個人商店や起業が難しくなった。最近のセブンイレブンのオーナーの反乱はようやく堪忍袋の緒が切れたのだろう。

労働者の収入も下がり、雇用も不安定になった。定額給付金も景気対策なのか貧困対策なのかはっきりしなかった。こんな額の金が支給されたって何がどうなるわけじゃない。天下りの役人が牛耳る組織で安く使われ、理不尽な解雇にあう人も増えた。そこには派遣制度の問題もある。外国人教師の労働環境もかなり劣悪だが、日本人にとってはよその国の話なのか、政府が本腰をいれて取り組む気配はみられない。あらゆる領域で予算がないからという理由で人が安く使われて捨てられている。そういう環境に耐えながら働いて老いたときの年金もどうなるかわかったものではない。

要するに麻生内閣は何をどうすべきなのかを明示して、その達成度を国民にきちんと伝えるべきだったのだ。どこかで公表しているのかもしれないが、テレビをうまく使わないと伝わらない。結局のところ、生活実感のようなものがものをいう。いろんな意味で貧しくなったということだ。マクドナルドの大盛りサービス的なメニューの流行は、食文化の貧しさを象徴している。本もCDも売れなくなったのは、ネットだけが理由ではあるまい。あれこれ試してみるだけの可処分所得がなくなったのではないか。一部のベストセラーに偏るのもそんな背景がある気がする。

笑顔が魅力の麻生総理は地金がすける前に解散すべきだった。剛胆な振る舞いは虚栄にすぎず、傲慢な態度だけがマスコミにとりあげられて目についた。それで強引なリーダーシップを発揮したわけでもなく、弱小派閥の長だからかあれやこれやのお偉方の意見に振り回されている印象だ。で、決戦のときを見誤った。しかも無策である。選対本部長の辞任というおまけつき。本部が迷走しているので各候補者は自らの持ち場で全力を尽くせという選挙戦である。

前線で指揮をとるべき古賀は逃げた。総大将の麻生は八月をどう過ごすのだろう。選挙応援にまわるのだろうか。来て欲しくない候補者もいるのではないか。断られたら自宅で回想録でも執筆するのだろうか。クーラーのきいた部屋で葉巻をふかしながら、総理としての残り少ない日々を満喫してやろうと腹を決めたか。敗戦の弁を語るときのスーツを買いに出かけるのも気晴らしになるだろう。





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最終更新日  2009年07月15日 02時30分28秒


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