存生記

存生記

2010年02月03日
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「キャピタリズム マネーは踊る」を新宿で観る。キャラの立ったマイケル・ムーア監督じゃなければ、こういう硬派のドキュメンタリー映画の公開は厳しいだろう。アメリカ人の社会主義アレルギーなど日本人には理解しづらいところもあるからだ。ルーズベルト大統領の演説もまっとうすぎてピンとこないかもしれない。日本が成功例として評価されているのも違和感がある。

 パイロットの給料の安さ、大企業が社員に生命保険をかけていた不気味さ、「ゴールドマンサックス内閣」の内実にはぞっとさせられる。とはいえ「アメリカ型資本主義の病理」にも食傷していて、マイケル・ムーアのパフォーマンスも既視感がある。もはや笑えない現実なのだろう。マイケル・ムーア自体が消費されてしまったということもある。これで映画制作は中断して執筆に向かうらしいが、賢明な判断だ。机に向かううちにまた違ったゲリラ的なパフォーマンスを思いつくかもしれない。

 現実は「悪い金持ち」を叩けばすむほど単純ではない。映画でも街でおいしいアイスクリーム屋があるとその店に客が集中するというたとえ話がでてくる。我々ひとりひとりの欲望がキャピタリズムを増長させてしまう。職場で「カイゼン」に励むと社内外の競争がエスカレートする。安く良質の商品やサービスを享受できるのでこのこと自体を批判するのは難しい。

 多くの人にとっては、そもそも批判する余裕もなく、金をどこかで稼いでこなければならない。映画内ではキリスト教と労働組合という二つの団結の形が示されていたが、あまり説得力を感じなかった。おそらくマルクスが生きていた時代から進歩していないのだろう。





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最終更新日  2010年02月04日 00時24分36秒


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