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脊髄障害を抱えてから、排便は「出る・出ない」だけの問題ではなく、生活の中で最も大きなテーマの一つになった。便意の有無、筋力、移乗、姿勢保持、排便後の処理、そして失禁のリスク。どれもが「自分の体がどこまでできるのか」を毎日確かめる行為で、正直しんどいと感じる日もある。
しかし、こうして振り返ってみると、少しずつ、確かに前に進んでいることを実感できた。
車椅子生活の私だが、現在以下の排便動作は自分で行えている。
退院後5ヶ月、下肢の状態に波はあるが、初期のころに2回だけ便座に届かず床に落ちたことを除けば、今は余裕を持って排便動作を行えるようになった。これは大きな進歩だと思っている。
排便管理の大きな支えになっているのが薬である。
マグミットは便を柔らかくし、グーフィスは腸の動きを促す薬。私の場合、マグミットを増やすと軟便や下痢になりやすいため、退院後は1日3錠に調整している。
排便の調子には食事も大きく関わる。特に効果を実感したのは次の2つだ。
これらをよく食べていた時期は排便が非常に安定していた。
体調によっては便が出ない日が続くことがある。3日目・4日目まで待てば自然に出る感覚はあるものの、翌日に通院や通所リハがある場合は「外で失禁したらどうしよう」という不安も出てくる。
そのため、必要に応じて前日に坐薬を使って排便を促すことがある。これは翌日を安心して迎えるための準備でもある。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療開始直後から下肢麻痺が進行し、排便・排尿とも自力での管理が困難になった。
6月25日(メモより)
朝4時前、浣腸後の残便を看護師さん2人がかりで処置してくれた。
ありがたい気持ちと申し訳なさの入り混じった時間だった。
7月27日(メモより)
大量の便の処置をしてもらった。こうして生きていくのだと思った。二人の看護師さんに感謝。
この頃から「肛門のあたりが動く感覚」がわずかに戻ってきた。
リハビリ病院で作業療法士の介助を受け、初めて便座に座ることができた。しかし排便のコントロールはまだ難しかった。
介助を受けながら便座での排便が可能に。
リハビリ病院で撮影した移乗動画を看護師に見せ、介助で排便ができるようになった。治療開始から3ヶ月、念願だった「便座で排便」が実現した。
治療が一区切りつき、身体機能の回復に集中できるようになった。
手すりを使った立位保持が安定し、ズボンやリハビリパンツの上げ下げが可能になり、自己判断でトイレへ行けるようになった。
退院後は便秘気味の日もあるが、便失禁はほとんどなくなった。体幹の安定、下肢筋力の向上が排便機能に良い影響を与えているように思う。
便意や肛門周囲の動きなどの微細な感覚は、仙髄(S2〜S4)の神経が担っている。最近の「わずかな便意」や「肛門の動き」は、神経の可塑性(つながり直す力)が働いている証拠だと感じている。
排便に必要な腹圧は、体幹・骨盤底筋・腹筋の安定が不可欠。リハビリで座位・立位が安定したことで、自然な腹圧が戻り、排便を押し出す力が強くなった。
ふくらはぎの張りや太ももの急な緊張は痙縮の一種だが、神経回復期には一時的に増えることがある。最近の体の反応は、そのプロセスの途中にいるように感じる。
腸の動きは自律神経の影響を大きく受ける。治療の負担が減り、生活リズムが整ってきたことで、腸のぜん動が安定してきた。
排便管理は、今も生活の中で大きなウェイトを占めている。長時間便座に座り続けることもあるし、出ない苦しさもある。それでも、この1年7ヶ月を振り返ると、確実に回復の階段を登っていると感じる。
便失禁がほとんどなくなったこと、便座への移乗が自立したこと、腸の動きや便意の感覚が少しずつ戻っていること。どれも、以前の自分にはなかった変化だ。
排便管理は正直しんどい。しかし、身体は確かに回復しようとしている。その動きを信じながら、これからも無理なく、生活の質を高めていきたい。
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