そして、日本が最も多くの世界王者を輩出しているのも、この108lb級です。 日本人が世界王者になることが多いフライ級は「伝統のフライ」と表現されてきましたが、現実は「伝統のジュニアフライ」です。 「レベルが低い軽量級の最下層」。そんな欧米の偏見をよそに、このクラスの黎明期には極東から3人の傑出した才能が飛び出しました。 日本の具志堅用高と、韓国の張正九と柳明佑。 三人の連続防衛回数を合計すると、13(カンムリワシ)+15(コリアンホーク)+17(ソナギ)=45。今なお、このクラスにおいて彼らの存在感は際立っています。 しかし、108lbのグレートは、極東だけの専売特許ではありません。 米国では注目度が非常に低いsub -bantam weightでありながら、メガファイトの主役となったマイケル・カルバハルとウンベルト・ゴンザレス。 彼らが火の出るような激闘を繰り広げたのが、ジュニアフライ級です。 カルバハルは1993年のリング誌 Fighter Of The Yearを獲得、これは現在に至るまでも Fighter Of The Year の〝最軽量記録〟です。 かつて、ボブ・アラムがノニト・ドネアvsフェルナンド・モンティエル(2011年の世界バンタム級タイトルマッチ)を「軽量級がここまで注目されるのはカルバハルvsゴンザレス以来、あの試合に匹敵する」と喧伝しましたが 「一緒にするな。カルバハルとウンゴンは20年前にもかかわらず3倍以上も報酬が多く、注目度は桁違いだった」と多くのファンの失笑を買うだけでした。 ちなみに、1993年の全米ボクシング記者協会(BWAA)のFighter Of The Year はパーネル・ウィテカ。