元八重樫東選手後援会速報

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oak80jpn

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Dec 28, 2021
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カテゴリ: プロボクシング
https://number.bunshun.jp/articles/-/851271
Number Web 2021/12/24 17:02

“武尊のライバル候補”から“井上尚弥の同門”へ…武居由樹が3連続秒殺KO勝利で証明した「元K-1王者がボクシングでも強い理由」
12月14日に行われたボクシング転向3戦目で、59秒の衝撃KOを見せた武居由樹


 K-1ファイターとしてボクシングの世界チャンピオンになる。そんな夢を抱いて名門・大橋ジムの所属となった選手がいる。K-1でスーパー・バンタム級のベルトを巻いていた武居由樹だ。
 第1回K-1年間表彰で武尊を差し置きMVPを獲得したこともある武居。“悪ガキ”だった彼は地元・足立区の格闘技ジムPOWER OF DREAMに預けられた。そこでは古川誠一会長のもと、問題を抱えた子供たちが共同生活を送りながら練習に励む。彼らの姿はフジテレビの『ザ・ノンフィクション』でも取り上げられたから覚えている人もいるかもしれない。
 K-1系列のKrushで-53kg級の初代チャンピオンになると、K-1では-55kg(スーパー・バンタム級)チャンピオンに。武尊に続いての第2代王者だった。武尊の次のK-1エース、あるいは武尊を脅かす存在になる選手。多くのファンはそう思っていたはずだ。
2020年、K-1からボクシングへの転向宣言
 ところが1年前、武居はタイトル返上とボクシング転向を宣言する。2020年、彼はケガで試合から遠ざかり、コロナ禍もあって自分を見つめ直したという。そこで出した結論が、ボクシングで世界チャンピオンになることだった。もともと、武居はアマチュアボクシングの経験もあった。

 K-1が嫌になったわけではない。だからK-1ファイターとしてのプライドは捨てなかった。昨年12月13日、K-1両国国技館大会でファンに向けて挨拶。武尊に花束を贈呈され、「K-1代表としてボクシングでも必ず結果を残します」と誓っている。
 井上尚弥を擁する大橋ジムで武居のトレーナーについたのは、世界3階級制覇、“激闘王”とも呼ばれた八重樫東だ。同時に古巣のPOWER OF DREAMの朝練にも参加し続けている。
 POWER OF DREAMではチャンピオンになっても外泊禁止。プライベートから厳しく指導されてきた。大橋ジムのある横浜に移っても「僕にとってはお父さん」の古川会長のもとで自分の気持ちを“締める”必要があると考えたそうだ。
「古川会長と八重樫さん、2人の師匠がいるのが僕の強みです」
井上尚弥世界戦の前座で見せた衝撃の3戦目
 2月、井上らとともに出場したチャリティーイベント『LEGEND』で元世界王者・木村翔との“ガチ”スパーリングを披露。規定の3ラウンドを終えた木村は、武居をこう評した。
「階級が違うとはいえ判定があったら負けでしょう。普通に日本、東洋(タイトル)獲る選手だと思います。今後の成長しだいで世界もある」
 3月のデビュー戦、9月の2戦目ともに1ラウンドでKO勝ち。将来への期待もいよいよ高まる中で組まれた3戦目の舞台は12月14日の両国国技館大会。K-1を卒業した会場、武尊に花束をもらってから1年と1日後のことだった。言うまでもなく、井上尚弥の世界戦『PXB WORLD SPIRITS』の前座である。
「夢之力」(=POWER OF DREAM)と書かれたベストを纏っての登場
 出番はセミファイナル(谷口将隆vsウィルフレッド・メンデスのWBO世界ミニマム級タイトルマッチ)の一つ前という好ポジション。これは次代を担う武居の“お披露目”という意味もあったのではないか。
“わずか59秒”の豪快KO

 サウスポーの武居が最初に出したのは右のジャブ。次のフックで早くも今村がフラつく。さらに左右のフックを当てると、今村の右フックに右のアッパーを合わせた。崩れる今村に左フック、右フックと追い打ち。この日一番の“豪快KO”だったと言っていい。
今村の右フックに、武居は右アッパーを合わせた
崩れた今村に追い打ちをかけ、“わずか59秒”の豪快KO。拳を高く突き上げた
 敗れた今村の表情も、どこかスッキリしていた。インタビュースペースでの第一声は「痛かったです(笑)。効きましたね」だった。試合は「一瞬」で終わってしまったが「一瞬だから偶然ということではない。実力差を感じました」と言う。それだけ武居が圧倒的だったのだ。
K-1のチャンピオンだったからこその強さ

 武居につけられたキャッチフレーズは“K-1からの黒船”だった。入場テーマ曲はK-1時代と同じ、クイーンの『ボーン・トゥ・ラヴ・ユー』。トランクスのベルト部分には「夢之力(=POWER OF DREAM)」とある。試合後のマイクでは、つい「足立区から来ましたPOWER OF DREAMの」とK-1時代と同じ挨拶をしてしまった。
 リング上の闘いについても、彼は単なる“ボクシングの新人”ではない。K-1のチャンピオンだったからこその強さというものもある。蹴りのあるK-1とボクシングでは距離感やリズムが違う。武居はそれに慣れなければいけないのだが、相手にとっては「ボクシングにはない距離感とリズムの武居だからやりにくい」という面もある。八重樫トレーナーも、指導する上でK-1時代からのよさを消さないことを意識しているそうだ。
「いいところを残しつつ、ボクサー仕様にしていきたい。もともと完成されたキックボクサーなので、それをボクシングのルールに則った形にして。ボクサーにしようとは思ってないので。“武居由樹”という形で」
武居の「ボクシングにはない距離感とリズム」は、対戦相手にも脅威となる
 K-1の独自性もあらためて説明しておいたほうがいいだろう。K-1は“K-1という競技”を標榜している。ムエタイや従来のキックボクシングと違い、首相撲など組みついての攻撃は一切禁止だ。“殴る蹴る”だけに特化したルール。ヒザ蹴りはあるがヒジ打ちは禁止となっている。
 つまり接近戦でも「組んでヒジ、ヒザ」ではなく殴って蹴って、相手を押したりいなしたりして距離を取ることが求められる。武居はそういうK-1で抜群の強さを発揮し、チャンピオンになりMVPを獲得した。“組まない闘い”で強いから、それだけボクシングにもアジャストしやすい(同じことは、組んでの攻撃が1発のみと制限されたRISEを主戦場とし、2022年にボクシングに転向する那須川天心にも言えるだろう)。
“強烈なプロ意識”が生んだKO
 キックボクサー、K-1ファイターとしての武居は、23勝(2敗)16KOのうち11の1ラウンドKOを記録している。チャンスと見たら一気に勝負をかけることができるタイプだ。魔裟斗が「鉄球のよう」と絶賛したパンチ力に加えて、勝機を見出す能力も高い。それがボクシングでも出ているのではないか。
 強烈なプロ意識も、K-1のチャンピオンとして培ったものだ。今後を見据え、ボクシングの実戦経験を積むためには、長いラウンドを闘うことも必要だ。デビュー3戦目、そろそろそういう試合をしようという気持ちは武居自身にもあったという。だが、そうはならなかった。
「今日の大会が判定の多い流れだったので、PPVもあるし倒さなきゃって」
 これはやはり“新人ボクサー”の思考ではない。K-1のチャンピオンは興行を背負う立場だ。それは観客、視聴者を満足させる責任を持つということ。倒して勝つことで大会全体を盛り上げ、ファンを喜ばせる。武居にはその感覚が沁み込んでいるのだ。
「それは古川会長にもずっと言われてきたことなんです。判定が多い大会になると“お前が倒さなきゃダメだぞ”って」
武居はボクシング転向後、3戦すべてで1ラウンドKO勝ちとなった
武居「ボクシングでの完成度はまだ30%」
 八重樫トレーナーは「仕留めにいく嗅覚、大胆さは天性のもの。今回はそれを止めなきゃいけない場面でもなかった」と言う。ただ今後は「段階を踏んで相手を“削って”いく作業が必要になる」とも。武居も「ボクシングでの完成度はまだ30%くらいです」。
 SNSでのファンの反応やボクシング記者たちの見方も興味深い。その強さを讃えつつ「分からない」という声も多いのだ。倒すのが早すぎて、弱点や課題を含めた能力の全貌が見えないというわけだ。武居はまだ、ボクシング公式戦で3試合トータルで5分39秒しか闘っていない。
「早い段階でベルトがほしいです。それに近づける闘いをしていきたい」
 来年に向けてそう語った武居。これから対戦相手もどんどん強くなるだろう。ただし武居もまた“ボクシング仕様”でレベルアップしていく。いつか能力の全貌が見られる日もくるだろう。そしてそこにはK-1ファイター、K-1王者としての力も間違いなく含まれている。幾分か薄まったとしても、おそらく失われることはない。
「ボクシングのチャンピオンになるのは簡単なことじゃないと思います。でもK-1でベルトを巻くのだって難しかったので。K-1でトップの人たちと闘って勝ってきた、その自信は持っていたいですね」
 1年前、K-1両国大会のバックステージで聞いた武居の言葉だ。





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Last updated  Dec 28, 2021 02:12:36 PM
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和田憲智@ Re:本人が考えて結論を出すと思います(02/26) ホッとした。でも、残念。まだまだ、八重…
ジョニー@ Re:36歳(08/31) 普段は笑顔で、試合では熱く! 大好きなボ…
Toshi.w.1971@ Re:リングサイド観戦(06/19) 八重樫さん、井岡一翔選手に挑戦して4階級…
Toshi.w.1971@ Re:リングサイド観戦(06/19) 八重樫さん、どちらも強敵ですが、目の前…

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