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韓国のベストセラー小説のミュージカル化、その日本versionである。感想は、一言で言うと素晴らしかった!に尽きる。花總まりちゃんのファンクラブ貸し切り公演は、都合で行けなかった。職場に同じくファンクラブ会員の方がいて、「この話は原作を読んだ方がいい」と原作を貸してくださった。実は時間がなくて、最後のクライマックスの所に入る直前までで観劇日を迎えてしまった(^^;)~~ここから先はネタバレあり~~花總まりちゃんの役は、65歳の防疫業者、つまり、殺し屋である爪角(チョガク)。少年時代父親を爪角に殺され、自らも殺し屋になり彼女にからむトゥが浦井健治さん。少女だった爪角に暗殺の技術をたたきこんだリュウに武田真治さん。武田さんは、現在の爪角が出会う医師、カン博士との2役。爪角はカンにほのかな想いを感じ、その家族に胸が温かくなる思いを感じる。防疫エージェンシーのユンが中山優馬さん。若き日の爪角を熊谷彩春さん。人を思う心、あたたかい感情、人間なら誰しも得たいと思う物にずっと背を向けて生きてきた爪角が、老犬の無用(ムヨン)を飼うことで心境の変化を感じ、動かなくなる体に老いを感じ、カン博士とその家族に今まで知り得なかったあたたかさを感じる。しかし、トゥはそんな爪角にからむ。爪角はトゥが昔ターゲットとして殺した男の息子であることを知らない。トゥは、20年前に家事代行としてやってきた女が、やっかいなアレルギーの錠剤をきちんとすりつぶし、時間を守って自分に与えてくれたことを覚えている。そして、父を殺した後、「忘れて」という言葉を残して消えたことも。暗殺者になり、その女が爪角と知った後、トゥは爪角を陥れ、決戦をいどむ。まりちゃんは宝塚時代から姫役者のイメージだったけど、ここ数年、正反対の役にチャレンジすることも多く、今回は65歳の役でアクションあり、という本人もびっくりの役。まりさんの美しい話し声から自然に歌になっていくところがとても好きなのだけれど、今回はしゃべるのもしゃがれ声で年齢を表現している。実はワタクシ、まりちゃんとは1歳違い。昔からストイックな人だったけど、ずっと鍛錬しているのだろうな、アクションシーンもこなし、ただただ、かっこいい。浦井君!童麿!(←鬼滅の刃から離れろ私。舞台版の童麿役なの)。いやー憎々しいほどかっこいい。トゥの爪角への思いは、ゆがんだ愛なんだろうな。自分には優しかった女は、殺し屋だった。ずっと冷酷で冷徹であってほしかった。それなのに、老いだと?誰かにあったかい感情を持つだと?そんなこと、耐えられなかったのだろう。または、独占欲かもしれない。トゥは、すでに心が壊れていたのだと思う。彼の目的はなんだったのだろう?爪角に思い出してもらうこと?爪角に殺されること?両方かな。果たして、彼の目的はかなう。しかし、爪角が彼を本当に思いだしたか確信しないまま、命が消える。原作ではそうだった。ミュージカルでは確信していた感じだったが。でも原作でもミュージカルでも爪角は最後にこうつぶやく。「もう錠剤、のみこめるのかい」と。この物語は過去と現在が行き来する。爪角も悲惨な生い立ちだが、リュウと出会い、自分を襲った米兵を殺してしまったことから、リュウに誘われて防疫の世界へ入る。立ち上げたエージェンシーが大きくなればなるほど、自分達も命を狙われる。爪角はリュウを愛していたが、リュウには妻と赤ん坊がいた。その妻と赤ん坊が殺さる。失意のリュウ。原作では、2人は1度だけ結ばれる。しかし、「大切な物はもたないようにしよう」とリュウに言われる。その後、2人が襲われた時、リュウは爪角をかばって死ぬ。ミュージカルでは、最後にリュウが爪角にいう。「あ・・・い・・・し・・・」そして息絶える。原作にはなかったと思う。この台詞はどうなんだろう。原作と違って結ばれるシーンがなかったから入れたのかな。でも、このリュウの言葉が、ずっと爪角をしばりつけるのは確かだ。それからリュウなしで、命の駆け引きをして生きてきた。早くリュウの所に行きたい。そしてカン博士の娘がトゥに誘拐され、助けるために最後の決戦に赴く。直前に、犬の無用が死んでしまった。自分が死んだら部屋からちゃんと抜けられるようにしていたのに、爪角より先に死んでしまった。ここの歌は、悲痛で悲しかった。彼女が初めて感じた悲しさだったのかもしれない。結果として、爪角はトゥに勝つ。エージェンシーのユンは、原作のヘウ?日本版は結構ユンの比重が大きくなっているとのことだった。彼が死ぬことはなかったんじゃないかな、と思うんだけどな。最後、爪角は、ネイルサロンで爪をきれいにする。トゥに「きれいにしたらいいのにぃ~」と言われたこと、それから、新しい出発にするために、かな。そしてつぶやくのだ、「リュウ、まだあなたのところへ行くタイミングはきていないみたいだ」と。武田真治さん、こんなにかっこよかったっけ?!いや、見た目がかっこいいのは分かっていたけど、本当に目力といい、リュウ!って感じ。対して、カン博士は穏やかな雰囲気をまとっていて、いやすごいなあ。ユンの中山さんも目力すごいよね。熊谷さんはフレッシュで、爪角もこんな時があったんだ、と思わせてくれる、ちゃんと現在と過去の同一人物に見えた。原作の、老いた女性(しかも殺し屋)が主役というのも珍しいらしい。韓国は美しくあるために整形をいとわない国と言われているけど、日本より、老いた女性は生きにくいのかな。ルッキズムとか、若い女性ほどいいとか、それは世界共通だと思うし、私も50歳台なかばにさしかかってきて、体の不自由を感じるし、職場でも当然若い女の子よりおばちゃんは扱いが(笑)みんないい人だけどさ、まあ、男性は若い女子には弱いわね(笑)私は、年相当に美しくありたいと思っている。おばちゃんでも堂々と生きていきたい。そんな風に思えるのは、旦那が大切にしてくれて、幸せに生きているからだろう。爪角は、65歳にして、やっと自分を大切にすることを知ったのだと思う。原作を読んでいったので、ミュージカルにのめりこんだよね。前回のまりちゃんの「バグダットカフェ」はまったりしていてちょっと長いと感じてしまったけど、あれも映画を見てから行ったらもっとのめりこめたのかな。今回はとにかくあっという間に終わってしまったというくらい集中してしまった。音楽も美しくて切なくて、心に残る。素晴らしいミュージカルだった!
2026年03月21日
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「今日が何の日か知っていますか、ショパンの誕生日です。生きていれば216歳、いい数字ですね、6×6×6・・・」というMCもあった、3月1日のサントリーホール(千秋楽の前日)に行きました。少し前に角野隼斗さんのアルバム「Chopin Orbit」の感想ブログを書いたけど、生で聴ける喜び。サントリーホールは背面席があるけど、背面まではいかない下手側2階席で鑑賞。基本、後頭部を見ていたが(笑)、左手の弾いた後の脱力具合とか、グランドピアノのハンマーが見えて面白かった。やはり、いつ聴いてもクリスタルな音色が心地よい。なんであんな音が出せるのだろう。スケルツォ1番から始まり、ショパンの楽曲とそれをもとにした角野さんの楽曲、それから、舞曲つながりでヒナステラのピアノソナタ第1番、トリを飾ったラヴェルの「ラ・ヴァルス」という構成。角野さん作曲のポストリュード「雨だれ」が、なんだか中間部が違うな、別の曲になったのかな、と思ったら元に戻ったのだけど、後のMCで、即興を入れていたとのこと。即興。角野さんのすごさは、卓越したピアノのテクニックや深い洞察力に基づいた構成力や美しい音色はもちろんのこと、その即興のセンスにあると思う。つまり、とにかく、すごーーーーーいいいい!!!!のだ。アンコールは客席からのリクエストで。私のすぐ近くの席の人が当たって、「胎動」とリクエスト。私もこの曲が大好きで、もし当たったら言いたいと思っていた!手を上げなかったので当たるはずないのだけど。いや、こういう時恥ずかしがり屋でね、あたくし(笑)ショパンのエチュードop10-1のCdur。もう死ぬほど好きな曲なのだ!それを元にして角野さんが作曲したのが「胎動」。さらに客席にリクエストを求め、当たった少年が「ノクターン風に」と。少年よ、ノクターン風をリクエストとは、君はただ者じゃないな。その即興演奏がもう楽しくてかっこよくて。頭の中でコードとか瞬時に計算するのだろうか、そのベース進行とコードはかっこいいっす!!しか言えないっす!次は、今日お誕生日の方が当たって、角野さんが作った「お誕生日変奏曲」(のような名前)を、その方のリクエストが「英雄ポロネーズ」だったので、途中ポロネーズ風に。かっこいいねぇ。ちゃんと英雄が入ってる。なんだったら途中のオクターブのダダダダダダダダも入れて欲しかった、と思うのは贅沢ですね。何が出てくるのか分からない、玉手箱のようなアンコール。撮影オッケーなのが嬉しい。写真だけ載せてみる。動画も撮ったが。ね、後頭部を見るお席でしょ?(笑)アンコール前の、ラストのラヴェルも、「いやこれオーケストラの曲だしさ!ラヴェルがピアノ版も作ったけどさ!すごいよね!」としか言いようがない。世に名だたる作曲家達、あなたたちの頭の中はどうなっているのだろう?と常日頃思っていたが、角野さんも仲間入りである。角野さんの美しい音色が奏でる音楽を聴きたくて、これからも演奏会に足を運ぶだろう。願わくば、なるべくチケット抽選が当たりますように!
2026年03月08日
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