桐まみれの日々 by さきさん

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さきさん1850

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2010年07月29日
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カテゴリ: ひとりごと
 ERはNHKの深夜のドラマ。救急救命医療の現場の話だ。

 昨日の話は、臓器提供のことと、即効性のない薬物での肝不全による自殺のこと。他にも幾つかあったけど、私としてはこの2件が最大の関心事だった。

 臓器提供は、無償で行われるべきものであると言うのが、大前提だ。でなければ、人身売買を誘発する可能性を秘めているからだ。

 でも、商業主義社会の現代において、そんなことはほぼ不可能であるようにも思われる。もし、臓器を提供して下さった方に、何がしかのお礼を、と言った時、金銭ではなくて、例えば、一年間のお礼奉公を、と言われても・・・・・である。

 移植する臓器を必要とする人は、老若男女を問わないのと同じで、富める人もあろうし貧しい人もあろう。富める人は、持てるものを全て投げ打ってでも、健康な体を手に入れようとするだろう。貧しい人は、そうしたいけれど、投げ打つものがないだけの話である。せめて、投げ打てるのは命くらいで、その命を守るために臓器提供を求めているのである。全く理不尽な話である。

 提供する人と、される人があり、そこにどんな契約があろうと、医療技術の進歩を追求する現場では、全く感知しない。と言う建前だ。

 理想は、豊かな人が貧しい人に手を差し伸べることであるが、命と言う究極の現実を目の前にすれば、イエスキリスト、お釈迦様でもない限り、私より、その方を先に・・・・・・と言える人はなかなかいないだろう。その問題が切迫していればいるだけ、その傾向は強いだろう。それに、その手術を受けるのに必要なと言うかを、貧しい人は持ち合わせないのが現実なのである。たとえ、幾らお先に、と言われてもである。



 問い詰めた結果、何を摂取したとは言わないが、ジュースと一緒に飲むと美味しかったわ、と母親が言った。
 救急車で付き添って息子は、母を愛していた。彼は、兄がいるが、母親の命に別状があっても、恐らく来ないだろうと言った。二人の母親への思いの違いは、一体何が原因だったのか、そこが良く分からないが、兄は、ネットギャンブルにおぼれ、財産を全てそれにつぎ込み、多額の借金しか残さない母親を憎んでいた。

 母親は死亡し、死亡診断書に原因不明の肝不全と記した担当医は、上司に注意され、上司は自殺と書き直した。二人は帰宅するが、上司はメインフロントでさっき自殺と書き直した診断書を、原因不明の急性肝不全と書き直した。医師のさじ加減一つで、受け取る死亡保険金が大きく変わるのであれば、残された二人の息子達が、大きな借金を背負って過ごす人生を不憫に思ったからである。

 一方、病院を退出した担当医を、兄が待っていた。母親の摂取した薬物は、自分がそれとなく母親の目につくように置いたものだったことを聞かされる。

 これほどではないにしろ、医療現場では、日々、様々な出来事が起こっているのだろう。そんな医療現場に身を置く、多くの医師や看護師達が、過酷な労働条件の中で、ひどいストレスにさいなまれているという現実を、何とか改善しなくては、と思うのは、人情ではないだろうか。





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最終更新日  2010年07月30日 21時05分57秒
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