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July 17, 2006
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Vol.16 コラム~好きなことは出会うもの~

※この文章は、かつて富士吉田教室に通う生徒と保護者宛に配布してたコラム調のものです。
特に思い入れの深かった号を抜粋して、どさくさに紛れてたまに挿入しますが、
別にネタに詰まった、というわけではありません(笑)。



「好きなことは出会うもの」
 自分は将来何になりたいのか、どんな仕事に就きたいのか、特に決まっていない生徒がとても多いと思います。これは別に珍しいことでも何でもなく、このような生徒のほうが圧倒的に多いというのが現状だと思います。逆に言えば、現在既に自分の中でなりたいものが「有る」人はその時点で大変幸せなことだと思います。かといって、「自分は何になりたいんだろう?」と一生懸命に考えてみても、現時点でそれが「無い」人はいくら人から「何かあるだろう、誰でも好きなことや得意なことは必ずあるもんだ」などと言われたところで、「無いものは無いんだ!」と頭をかかえてしまう生徒が多いのではないでしょうか。
今回はこんな人たちに向けて書いてみようと思います。
 最近とても売れてる本で「13歳のハローワーク」というものがあります。これは本当に色々な職業のことが具体的に述べられていて、しかもとても易しい言葉で書かれているという点で実に画期的な本だと思います。その中で作者(村上 龍)が述べている部分で、今まで私がずっと思ってきたことで、しかし上手く表現出来なくて、もどかしい思いをしていたことが、実に的確に書かれているくだりがありました。まさに「我が意を得たり」と膝を打って共感した箇所です。以下の通りです。



 好きという言葉はとても曖昧だ。「好き」は、「嫌いじゃない」に始まって、「それがないと死んでしまうかも」にいたるまで、幅広く対応している。好きなことを見つけなさい、と親や教師がアドバイスするかもしれない。だが、将来的に人生を支えてくれるような「好きなこと」を見つけるのは簡単ではない。「好きなこと」というのは、レストランのメニューのようにどこかにズラっと並んでいてその中から選ぶ、というものではないからだ。
 「好きなこと」は、見つけるというより、「出会う」ものかもしれない。「好きなこと」は、テレビの映像の中や、本の中の言葉や、誰かの言ったことの中に潜んでいて、突然その人を魅了するものかもしれない。この本を読んできて、「自分には好きなことが何も無い」と、がっかりする必要はない。好きなことがこの世の中に何も無い、ということではなく、まだ出会っていないだけなのだ。好きなことを探すのを諦めてはいけない。探していないと、出会ったときにそれが自分の好きなものだと気付かないからだ。ただし、飢えた人が食べ物を探すように、常に目をギラギラさせて、これでもない、あれでもない、と焦って探す必要はない。自分は何が好きなんだろうという気持ちを、心のどこかに忘れずに持っていれば、それで十分だ。そして好奇心を失わずにいれば、いつか必ず「好きなこと」に出会うだろう。




このように、好きなことというのは必ずいつか「出会う」ものだと思うのです。そして今回私がもうひとつ言っておきたいことがあります。それは本人の中で、「ついに出会った!」ということになったとしても、[世の中も、そして自分自身も日々変わっている]ということは忘れてはいけないということです。
あまり良い例が浮かばないのですが、例えばある人は昔、蒸気機関車の運転手になりたくて、一筋に努力したが、今は蒸気機関車そのものが姿を消したという世の中の変化は如何ともしがたいものだし、仮にこの人が電車の運転手にはなれたとしても、本人の中では蒸気機関車でなければ意味がないのかもしれませんし、そもそもこの人はこれまでの日常の中でこれとは全く別の「好きなこと」に実は出会っていたのかもしれません。しかし「いや、自分は昔から運転手になることに決めていたわけだし」という頑なな考えがそれを打ち消してしまっていたとしたら悲しいことです。
これとは逆に、食糧難の時代では存在し得ないようなダイエット目的のエステ産業や、ほんの10年前には職業としては成立し得なかったような「インターネットウェブデザイナー」のような仕事が誕生し、途端に水を得た魚のように生きがいを持って大活躍する時代の申し子のような人もいると思うのです。
このように時代の変化への対応と、それ以上に自分自身の気持ちの変化に正直に対応していくことが最重要であると思います。そしてもちろん選択肢は多いほうがいいに決まっています。いろんなことへの知識が豊富なほうがいいに決まっています。興味や関心のアンテナはずっと張り巡らしておいていただきたいと思います。


(つづく)





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Last updated  July 17, 2006 07:22:51 AM
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