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October 8, 2006
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Vol.45~コラム(最終号)「この教室にものび太はいる!」~

 コラムが最終回なのであって、本編はもうちょっとだけ(あとチョットだけど)続きます。
引き続きご愛読のほど宜しくお願いします。

(最終号)・・・「この教室にも、のび太はいる」
 毎月お送りしてきましたこの文章ですが、このようなコラム調(!?)の形式では、今回が最終回となります。 次号より、形態も書式もリニューアルしたものになりますので、お楽しみに。
 さて、今回は「最終回」ということにあやかって(?)、ドラえもんの最終回の話で締めくくりたいと思います。
 まずは読んでみてください。私はこれを読んだとき、鳥肌が立ちました。しばらく動けませんでした。
 熱い思いと信念を貫き、その果てにとんでもないことをやってのける、そんな「のび太」が、
この教室にもいるはずです、きっと・・・。


 ドラえもんの最終回・・・。
のび太とドラえもんに別れの時がおとずれます。
その日ものび太は、宿題をせずに学校で叱られたり、はたまたガキ大将のジャイアンにいじめられたり、スネ夫の自慢話を聴かされたり、といった、いつもと同じような一日が始まるはずでした。青い空には白い雲が浮かんでいました。
 ところが、そんないつもの風景の中で事件は起こりました。 なんと突然ドラえもんが動かなくなってしまったのです!
 のび太には何がなんだかわかりません。喋りかけたり、叩いたり蹴ったり、しっぽを引っ張ってみたりもしました。何の反応も示さないドラえもんを見て、のび太はだんだん不安になってしまいます。
付き合いも長く、そして固い友情で結ばれている彼ら。しばらくしてのび太は、動かなくなったドラえもんがどういう状態にあるのか、小学生ながらに理解するのでした。
 無駄とわかりつつ、のび太はいろんなことをしました。思いつく限りの、出来うることを全てやってみました。それでも何の反応も示さないドラえもん・・・。その晩、のび太は眠りにつくことが出来ませんでした。
 やがて、のび太は彼の机の引き出し、そう、「タイムマシン」の存在に気がつくのでした。
「なんで今まで気がつかなかったんだろう。」のび太はパジャマのまま、二十二世紀へとタイムマシンに乗り込みました。
 「これで全てが解決するはずだ!」のび太は、なんとかドラミちゃん(ドラえもんの妹)に連絡を取り付けました。のび太は嬉しくてたまりません。「ドラえもんが治る!」 のび太は、ドラミちゃんと一緒に、とにもかくにも二十世紀へ戻りました。
 しかし、のび太はドラミちゃんでもどうにもならない事が起こっていることに、この時は気付いていませんでした。いえ、ドラミちゃんでさえも思いもしなかったことでしょう。

そして電池を交換しようとしたその瞬間、ドラミちゃんは大変なことに気がつきました。
 「予備電源がない・・・。」
のび太には何の事かわかりません。早く早くとせがむのび太に、ドラミちゃんは静かに告げました。
 「のび太さん、お兄ちゃんとの思い出が消えちゃってもいい?」
 のび太にはまだ理解できません。実は旧式ネコ型ロボットには、その耳に予備電源が内蔵されていたのです。電池交換時には、それまでのデータを保持しておく役割があったのです。  ところが、ドラえもんには耳がない!

 電池を交換することで、ドラえもんの中に記憶されているのび太との思い出が消えてしまうこと、今のままで置いておけばデータは消えないこと、そして何故か、ドラえもんの設計者は、設計者の意向で明かされていない(超重要極秘事項とのこと)ので、連絡して助けてもらうことは出来ないようだということ。ただ、修理や改造は自由にしてよいとのこと。
 のび太の心に、ドラえもんとの思い出が次々と蘇ってきました。初めてドラえもんに会った日のこと。数々の未来道具、過去へ行ったり、未来へ行ったり、恐竜を育てたり、海底で遊んだり、宇宙で戦争したこと。鏡の世界へも行きました。どれも映画になりそうなくらいの思い出ばかりです。
 混乱と失意の中で、のび太は決断を迫られました。
のび太はドラミちゃんにお礼を言い、そして「ドラえもんはこのままでいい」、と一言告げるのでした。
ドラミちゃんは後ろ髪をひかれる思いでしたが、何も言わずにタイムマシンに乗り、去っていきました。
のび太、小学6年生の秋でした。
 あれから数年後・・・。
小学生の頃、成績が悪かったのび太ですが、彼なりに必死に勉強しました。
そして中学、高校、大学と進学し、確実に力をつけていきました。
外国留学から帰国したのび太は、最先端の技術を持つ企業に就職し、ある程度の成功もしました。
しずかちゃんはそんなのび太と自然に恋に落ち、めでたく結婚しました。そしてとても暖かな家庭を築いていました。
 のび太はドラミちゃんが去ってから、「ドラえもんは未来に帰ったんだ」とみんなに告げていました。
いつしか誰もドラえもんのことは口にしなくなっていました。
 しかし、のび太の家の押入れには、ドラえもんが眠っていたのです。あの時のまま・・・。
 そして今、のび太は技術者として「ドラえもん」の前にいるのです!
そうです、「ドラえもんを治したい!」、その一心でした。
人間には、その人の一生を変える出来事があるといいます。のび太にとっては「ドラえもんの電池切れ」がまさにそれでした。「修理が可能であるならば、僕の手で・・・。」
それが小学6年生の、のび太の原動力となったようです。
しずかちゃんが自宅の研究室に呼ばれました。誰も絶対に入ることを禁じていた研究室でした。
中に入ると夫であるのび太は微笑んでいました。
「ドラちゃんなの・・・?」
「しずか、こっちに来てごらん。今、ドラえもんのスイッチを入れるから。」
 頬をつたう一筋の涙。しずかちゃんは黙ってのび太の顔を見ています。
この瞬間のため、まさにこの為にのび太は技術者になったのでした。
何故だか失敗の不安はありませんでした。こんなに落ち着いているのが変だと思うくらい、のび太は静かに静かに、そして丁寧に、何かを確認するようにスイッチを入れました。
 ほんの少しの静寂の後、長い永い時がつながりました。
「のび太くん、宿題はすんだのかい?」
 ドラえもんの設計者が謎であった理由が、明らかになった瞬間でもありました。

(つづく)





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Last updated  October 8, 2006 11:39:31 PM
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