おきもの時報

映画の着物。―「春の雪」―

今更ながら、行定勲監督・妻夫木聡・竹内結子主演「春の雪」を見ました。 元々、三島由紀夫の「春の雪」はすごく好きな作品なのですが、着物に興味を持つようになってから、着物が出てくる映画にも興味しんしん‥ 着物で正装と云えば半襟は白のイメージなのですが、この映画の人達はほとんど色柄襟。 柄襟や柄足袋はちょっとカジュアルなイメージだったのですが、 登場人物が品よく華やかに見えるのは髪型や着こなしが落ち着いているからなのかしら‥ 作品中では、衣装による人物像の描き分けはもちろんあるのですが、 同じ女中さんでも、派手好きの松枝の本家と質素倹約を重んじる松枝のおばあさまのおうちでは女中さんの衣装も少し趣きが違って、 かたや柄を染めた半襟にエプロン、かたや色の無地の半襟に前掛けなど、よく見ると結構細かくておもしろい‥(^-^) 竹内結子演じる公家の令嬢聡子はいつもあざやかな色の振袖を着ていてとても目を楽しませてくれるのですが、 *紗綾*としましては、清顕とのお忍びの逢瀬の時の聡子の控え目な小紋や聡子お付きの蓼科の渋い色めの着物が大好きです。