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1.千葉フィルハーモニー管弦楽団 第75回定期演奏会開催日:7月4日(土)14:00会場:市川市文化会館 大ホール指揮者:野田祐介プログラム:幻想序曲「ロミオとジュリエット」(チャイコフスキー) 交響曲第8番(ショスタコーヴィチ) 千葉フィルさんとは長い付き合いになります。最初に聞いたのは25年くらい前だったような、場所は習志野文化ホールでチャイコフスキーの5番でした。著名な音楽評論家の金子健志さんが指揮をするというので聞きにいったのですが、アンサンブルはガタガタでこんなレベルかとがっかりした覚えがあります(失礼!)。そんな出会いでしばらく聞きに行かなかったのですがたまたま聞きに行ったバルトーク「オケコン」の鮮やかな演奏ぶりに感心。以来都合が合うときには聞きに行くようになりました。以前も書いたとおり金子先生執筆のパンフレットもお目当てでしたw そんなことを思い出しながらチャイコフスキーを聞きました。現在ではアンサンブルは全く問題なく、スケール豊かでロマンティックな濃いロメジュリでしたね。一昔前の解釈ですが私はこの方が好みです。だってロメジュリですから。若さと苦しみ、突き抜ける情熱、いいですねぇ。 手元にスコアが無いので間違っていたらゴメンナサイですが、コーダのコラール風な部分でいつもトロンボーンが音を外したかのように聞こえる箇所があるんですが、今回の演奏ではトロンボーン奏者は吹かずホルンが吹いてなかったような? こんな版があるのか、それとも和音を揃えるための代用なのか。これも一つのやり方かな。(ご存じの方、教えてください) さて、メインのタコ8です。私はショスタコの強烈にフォルテで鳴ったかと思えば急に静かにソロになったりする極端なダイナミックさがどうにも馴染めません。マーラーならもう少しうまく推移してくれますが、ショスタコの場合はちょっと病的に聞こえます。10番以降それが顕著で苦手です(その割にはよく聞きに行きますがw)。 第1楽章冒頭からヒット曲第5番の匂いがします。この楽章は全体として同曲と構造が似ており、9曲全部違うタイプの交響曲を書いたベートーヴェンやマーラーは偉大さですね。演奏的にはかなり積極的かつアグレッシブな姿勢でありながら響きが混濁することなく、きっとどこかで自制が効いているものと思われました。テクニックも申し分ありません。トランペット奏者が梅干しみたいに真っ赤になって吹いていて素晴らしかった。ブラボー。 第3楽章を聞くといつも思い出すのは、坂本龍一さんの「1919」という曲。せわしなく動くチェロにピアノが分厚い和音を叩きつけ後ろで1919年のレーニンの演説が聞こえる、という曲ですが、あのせわしない部分が重なってしまうんですよね。坂本さんにタコ8、聞いた?って質問したかったですw 最終楽章はハ長調でファゴットソロが延々流れる冒頭から何やら明るくなる予感があるものの結果的には強烈な響きでその期待は打ち消され、あとには廃墟のような静けさで終わります。ハ短調からハ長調へ、まるでベートーヴェンの「運命」のようですが結末は真逆。ここら辺がショスタコーヴィチのひねくれ具合を表していると思います。 面白かったのはタムタムをガツンと叩いたのは第2ヴァイオリンの後ろのプルトの奏者だったこと。人数が足りなかった?それとも思い入れがあったのか? 最後に指揮について。チャイコフスキーを振り始めたとき何だか素人臭い振り方だなあ、大丈夫か?と正直思いました。あきらかに振るのが遅く音に合わせてるように見えました。タコ8でも相変わらず「せーの」みたいな振り方だったものの出てくる音は物凄く、見た目とのギャップがありすぎ。私のようなショスタコ苦手な人でも眠くなることなく(隣のおじさんは寝てたけどw)最後まで緊張感をもって聞くことができました。案外よかったなあと、演奏会終了後にパンフをよく見たら某音楽大学の副学長様でした、おみそれしました!お見事です! それにしてもタコ8の音が止んだらすかさず拍手した人がいました。久しぶり。でもそれに同調せず他のお客さんは静かにしていただいたおかげで余韻を楽しめました。素晴らしいお客さんに恵まれ(除く1名)今回も感謝です。 次回はエニグマと巨人ですか。行きたいけど千葉市は遠いなあ。CD / セミョーン・ビシュコフ / ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 (SHM-CD) / UCCD-2193世評高いビシュコフ&ベルリンフィル盤。私はゲルギエフの旧盤が好きです。1996 [ 坂本龍一 ]「1919」が含まれるサカモトのアルバム。他の曲も面白いです。ぜひご一聴を。
2026年07月04日
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1.東京アカデミッシュカペレ 第70回定期演奏会開催日:6月21日(日)13:30会場:すみだトリフォニーホール 大ホールソリスト:安川みく(ソプラノ) 小泉詠子(アルト) 小堀勇介(テノール)指揮者:角田鋼亮プログラム:マンフレッド序曲(シューマン=マーラー編曲) 野の花が教えてくれること(交響曲第3番第2楽章)(マーラー=ブリテン編曲) 春の交響曲(ブリテン) 昨年「復活」を聞いての2回目となります。こちらはオケと合唱団の両方を有するアマオケで合唱付きの大曲をよく演奏しています。合唱もオケもよく訓練されているしプログラムも面白いしこれからも聞き続けたい団体さんです。 今回はブリテンの春の交響曲という滅多に聞けない曲を中心に、攻めたプログラムです。すれっからしのクラオタからするとよく考えた内容で痺れました(笑)。 まずはシューマンのマンフレッド序曲をマーラーが1890年代に手を加えたもの。大指揮者マーラーがシューマンの交響曲にオーケストレーション修正を加えていました。マーラーの耳には先人の作品は不完全と聞こえたのかもしれません。といっても全く変えてしまうわけではなくより明確に声部が聞こえるようにするため。これはバッハでもベートーヴェンでも同じスタンスです。今回のマンフレッドも冒頭のシンバルが目立った違いであとはよくわかりませんでした。演奏はすばらしくバランスがよく迫力もあっていきなりよかったです。 続く曲はブリテンがシェーンベルク主宰の私的演奏会用に編曲したマーラーの交響曲第3番第2楽章。私的演奏会は演奏機会の少なかったブルックナー第7番やマーラー第4番など大オーケストラの曲を小編成に編曲して演奏していました。これもよくできた編曲で2管編成でマーラーの響きを再現していました(ハープは入れてます)。 さてお目当ての春の交響曲。ディスクで自作自演盤とガーディナー盤を聞いてましたがライブは初めてです。作曲は1949年なので「春=平和」と考えれば平和が訪れた喜びと同時に戦争被害者への追悼の意味もあったと思います。ブリテンは反戦主義者でしたから。出だしこそ少々硬い感じでしたが、第4部に入るころには素晴らしい演奏を繰り広げていました。ワルツの部分では合唱も体を揺らしながら春の訪れを喜びいっぱいに歌っていました。 合唱もバランスよく児童合唱の声は天使の声でした。ブリテンの意図がちゃんと伝わる良い演奏で大変満足できました。 指揮者の角田さんはもうすっかりマエストロですね。良い指揮者になられたと思います。これからもがんばってほしい若手の-一人です。 それと大好きな安川さんを生で見れて、美しかったです! 次回はヴェルディのレクイエム。指揮は藤岡幸夫さん。この間エンターザミュージックでこの曲やってましたよね。これは楽しみであります。
2026年06月21日
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1.ラスベート管弦楽団 第50回定期演奏会開催日:6月14日(日)13:00会場:すみだトリフォニーホール 大ホール指揮者:小久保大輔プログラム:バレエ「ライモンダ」(全3幕)(グラズノフ) ここはお初のアマオケさん。グラズノフをやりたい人たちの集まりです。そもそもグラズノフをあまり(ほとんど)聞かない私としてはライモンダ全曲を通して聞くことができるのか多少心配でした。グラズノフというとチャイコフスキーからラフマニノフへロシアロマンティシズムを繋いだ人であり、ラフマニノフの交響曲第1番初演で大失敗をやらかし(一説では二日酔いだったそうですが)ラフマニノフを落ち込ませた張本人でもあります笑(そこから立ち直ってピアノ協奏曲第2番が出来るのですが)。 さて、ライモンダの内容ですが、ライモンダ姫と婚約者ジャン、横恋慕のサラセン人アブデラフマンの3人が主な登場人物でジャンが留守の間にアブデラフマンがライモンダ姫を奪おうとする寸での所でジャンが到着、決闘の末、アブデラフマンを殺して婚礼の宴を催しハッピーエンドと全く陳腐です。こんな筋で音楽付けろと言われたグラズノフも気の毒。 今回の上演では踊りがない代わりに大スクリーンにイラストで描かれた情景を映すという趣向でした。ところがスクリーンにはっきり映すためか会場全体を一度真っ暗にしてしまって(楽員は手元のライトだけで演奏するのかと思いましたが)いつまで経っても始まりません。業を煮やしたのか指揮者が真っ暗な中で棒を振り始めます。と楽員のなかで動揺があったのかガタガタな演奏で始まりました。おそらく舞台演出と話が通じていなかったと思われます。(実は私もかつて似たような経験をしました。指揮台上ではさぞ頭にきたことでしょう、お察し申し上げます) 幕切れも真っ暗にするのですが、お客さんもいつ拍手していいのかタイミングがわかりませんでした。第2幕の開始は薄明りでしたが幕切れはやはり真っ暗。ラストの幕切れは数秒して明るくなりましたが、舞台演出の未熟さが今回の公演の足を引っ張っていました。ちゃんと演奏側と段取りせずイラストを売りたいためイラスト投影を優先にしたのでしょう。失敗ですね。 演出のまずさもさることながら、第1幕から何の盛り上がりのない音楽が続いて周囲のお客さんはお眠りなっている中、ライモンダ姫の夢のシーンがうっとりと奏でられそこに謎のサラセン人が登場して盛り上がるかと思いきやずっと平板なまま幕を閉じます。第2幕は決闘シーンが盛り上がりちょっとワーグナー風な半音階進行による音楽に目が覚めました。第3幕の婚礼の祝宴もいろんな国の踊りの音楽がだらだらと続き、ふとこれがチャイコフスキーだったらもっとうまくまとめてくれただろうな、と無い物ねだりしてしまいました。 というわけで価値ある公演だったと思いますが私にはピンと来ませんでした。帰りにグラズノフのCDを買う事もなかったです(笑)。 次回はカリンニコフの交響曲第2番。一時期流行りましたね。
2026年06月14日
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1.ルスコアール管弦楽団 第59回定期演奏会開催日:6月7日(日)13:30会場:すみだトリフォニーホール 大ホール指揮者:榊真由プログラム:海原の小舟(ラヴェル) ラ・ヴァルス(ラヴェル) 交響曲第9番(ブルックナー) ここは何度も聞きに来てます。上手いアマオケのひとつです。衝撃的だったのは10年前にトゥランガリラ交響曲をやったこと。アマオケでやるような曲じゃないでしょう。でもほんの数年前まではハルサイがそうでした。今後メシアンなんて当たり前のようにやるアマオケが増えてくるのかもしれませんね。 今回もトリフォニーの3階席中央です。ちょっとチケットを購入するタイミングが遅くてこの辺ぐらいしか空いてなかったので。。。この席はオケの響きが管楽器寄りになってしまいますね。弦楽器がマスクされてしまいます。1階席で聞いたらまた違った印象も持ったかもしれないという前提で書いていきます。 そもそもラヴェルとブルックナーという取り合わせの妙についてプログラムでは「(ラヴェルの)精緻な色彩感」と「(ブルックナー晩年の)精神性」が響きあうとのみ書かれていて今一つ意図がはっきりしません。まあやりたい曲を募集したらこうなりました、ということかもしれませんがwちょっと考えてみました。優れたオーケストレーションの技術をもちながら過去の音楽への郷愁を描くラヴェルと、オルガン的な響きを基調にしながら未来の音楽を目指したブルックナー、ということでしょうか。ほんとなら逆であるはずが作曲の腕前と方向性がごっちゃになっている二人。この路線ならラヴェルはクープランの墓とパヴァーヌあたりがよかったかも。あくまで私の好みですがw と、そんな余計な話はともかく、演奏のほうですがこの団体の技量の素晴らしさに惚れ惚れしました。管楽器のソロ、ヴァイオリンのソロの腕前も大したものです。全体的に弦楽器が弱くトゥッティになるとブラスがかぶってきます。あと低音楽器群の鳴りももう少しあっても良かったかな。これも3階席ゆえかもしれませんが。 指揮者の振り方がどうにも素人っぽくて(拍をひたすらするだけ)大丈夫かいと思いましたが、その分オケ側が思い切り弾けてたようなので、これはこれで良しとしましょう。それだけオケが優れているということでしょう。気になったのが、この指揮者はコンミスとコンサート始まってから終わりまでいっさい握手しませんでした。そういうことか、と勘ぐってしまいます。 次回はマラ10(クック版)!楽しみにしてます!
2026年06月07日
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1.アウローラ管弦楽団 第35回定期演奏会開催日:5月30日(土)13:30会場:すみだトリフォニーホール 大ホール指揮者:米津俊広プログラム:バレエ「ガイーヌ」より抜粋(ハチャトリアン) 交響曲第10番(ショスタコーヴィチ) ここもお初のアマオケさん。もともとチャイ1をやりたくて結成したようです、レパートリーもロシア物が多いようです。最近はタコだけ、マラだけという所も多いですね。こういうコンセプトオケは勉強になるし皆さんも好きな曲をやれるせいかレベル高いです。最近は日本作曲家を積極的に演奏するアマオケも増えてきていますので、そのうち日本作曲家だけというアマオケがそのうち誕生しそう、そうしたら是非聞きに行きます! それにしてもこのパンフは相当気合が入ってますね。上質紙にカラー印刷12頁に写真、譜例等も用いてびっしりプログラム解説を載せています。どこかのようにパート紹介や随筆(これはこれで面白いが)でページを埋めるようなことは無し。おかげで別オケでのガイーヌ演奏の時にわからなかった原典版とボリショイ版の違いがよくわかりました。 前半のガイーヌ抜粋は別オケで聞いた時より緻密な演奏です。比較するのは申し訳ないが前回聞いた抜粋より曲数が少ないしリズムのノリや想いの熱さはあちらの方が上でした。こちらは聞き所をうまく押さえつつ組曲版以外にも魅力的なナンバーがいっぱいあるよーという紹介としては成功していたと思います。アンサンブルも崩れることなく決めるべきところはきちんと決めていました。ハチャトリアンならではの熱さ(くどさ)がもう少しほしかったかな。 後半のタコ10もかなり聞いてきました。この曲はカラヤンがレパートリーにしている通り、聞いた感じからいうとタコ5系盛り上がりのある曲です(ほかに7番とか12番とか)。やはり後半のこの曲に全集中していたのかガイーヌに比べてかなり練れて熱い演奏でした。特に第3楽章で聞かれるホルンソロは見事。あとファゴットソロもよかった。ややもすると途中で眠くなってしまうタコ10を最後までちゃんと聞くことができたのはこの曲への思いがつまっていたからでしょう。 次回の定期ではなんとラフマニノフの1番と交響的舞曲という最初と最後の交響曲を聞こうという企画。2曲とも大好きな曲なのでこれは外せませんね!今から楽しみです。
2026年05月30日
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1.オーケストラ・ハモン 第52回定期演奏会開催日:5月24日(日)13:30会場:すみだトリフォニーホール 大ホール指揮者:冨平恭平プログラム:交響曲第10番より第1楽章(マーラー) 交響曲第9番(マーラー) 一昨年に復活、昨年は千人と聞いてきて、私のなかでは「マーラーオケ」の位置づけとなっているハモンさん。今回は遂に第9です。しかも10番も。 今回は3階席中央で聞きました。トリフォニーホールの3階席はミューザと違って音像遠目ながらバランスは結構いいです。 ここのパンフは手書き風の表紙のイラストが毎回可愛い、この手作り感がアマっぽくていいですね。今回は宝船に七福神(?)、マラ9との関係を知りたいです。 指揮者の冨平さんはN響等では合唱団指揮者として登場されています。確かルイージ=N響の千人のときもそうだったかと。その下地があっての前回の公演だったのでしょう。彼のマーラーはしっかりと鳴らすことを大事にした、地に足の着いた演奏です。浮ついた所もなくエキセントリックでもありません。もっとも日本人指揮者はどなたも基本真面目ですが。。。 このオケは技量的に大変優れておりマーラーでもアンサンブルが破綻することがありません。個人もソロになっても落ち着いています。聞いていて安心できるしこれだけの大曲にチャレンジするに相応しいオケだと思います。 前半の10番冒頭はヴィオラがピアノで演奏するのですが、これまで聞いてきたアマオケではたいてい恐る恐る弾くあまりズレたり音程が不安定だったりします。それが普通です。しかしながら今回のヴィオラ軍団はばっちり決めてくれました。音量はあまり意識せずきちんと歌うことを優先したのでしょう。ここが決まるとそれ以降も俄然盛り上がります。結果として素晴らしい10番でした。ぜひクック版で全曲やってもらいたいです! 後半のマラ9、マニアである私としてはよほどでない限り褒めません(笑) 第1楽章冒頭からホルンが怪しかったのですが第1主題が第2ヴァイオリンで奏でられるとホルンソロで素晴らしいオブリガードが入りますが、これがメロメロでした。そのせいか、続くほかの楽器たちもコケ始めて提示部はずっと不安定でした。それでも展開部以降は持ち直し「死の動機」と言われるブラスの強奏は張りのある響きで迫力があったし、コーダのヴァイオリンソロ、フルートソロも良い出来でした。 ハープは客演だから仕方ないけど3階席では音が小さくて聞こえにくかった。決めるべき音はきめてましたが、ちょっと欲求不満が残りました。 指揮者がテンポの変化をつけようとして失敗した第2楽章はともかく、第3楽章ではコーダのPresto部分が鍵ですが、安全運転せずアンサンブルが破綻しても追い込みをかけた指揮者にブラボーを贈りたい。やはりこのごちゃごちゃ感(破滅感)が大事だと思います! さて、第4楽章はたっぷりとした冒頭の弦楽の響きと安定した歌いぶりに感動。この曲への共感度は高いままラストへ向かいます。例のヴィオラの3連符も音程もアンサンブルもブレることなくホール内が静寂に包まれ、素晴らしい余韻に浸れました。今回も良いお客さんとともにこの感動を味わえたことを感謝いたします。 最後にオケの配置は対抗配置、上手にコントラバス、下手にホルンとハープ、それに合わせてファゴット、トロンボーンが上手、クラリネット、トランペットが下手という配置でした。アンサンブルのやりやすさへの配慮と思われます。 いろいろ悪く書いてしまいましたが逆にそれぐらいしか思い浮かびません。素晴らしいオケです。次回はグレート、次々回はタコ11。自信があるんでしょうね。 このオケならグローフェの大峡谷なんかも面白そうだなあ。
2026年05月24日
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1.千代田フィルハーモニー管弦楽団 第81回定期演奏会開催日:5月16日(土)13:30会場:ミューザ川崎シンフォニーホールソリスト:和田美菜子指揮者:和田一樹プログラム:ニュルンベルクのマイスタージンガー序曲(ワーグナー) アルルの女 第2組曲(ビゼー) 交響曲第4番(マーラー) おそらくお初のアマオケの演奏会に行ってきました。どんなオケでしょうか、楽しみです。 演奏開始前にコンミスが登場、長い黒髪で丸顔の笑顔が可愛いです(遠目ですがw)。しかしながらチューニングで音出しすると相当気の強そうな音を出します。実際、ワーグナーが始まった途端、アインザッツ出しまくってオケをリードしていきます。これだけしてくれたら指揮者はアンサンブルを整えることに気を遣わず音楽の内面を表現することに集中できそうですが、どうなんでしょう。オケは大変分厚い響きで豪快に鳴りまくります。変にこじんまりしないところは良い印象です。やはりオケの魅力は「ビッグサウンド」、細かいことは気にしない、これはこれで面白いです。 続くビゼーも豪快に始まりますがソロには繊細なニュアンスも求められる曲です。ここでは管のソロ注目しましたがどうもぱっとしません。メヌエットのフルートソロは久しぶりにどきどきしながら聴きました。無難に美しく吹いてくれましたが、それ以上がないのが寂しいですね。ファランドールは大いに盛り上がって結構ですが全体として管楽器群の不安定さは否めません。 後半はメインのマーラー。マーラーにしてはこじんまりと編成(トロンボーンがいない)の上に目まぐるしく楽器が入れ替わるというアンサンブル力が試される曲です。あとソプラノソロがどこで入ってくるのかもひそかに注目しましょう。 第1楽章の第2主題をチェロ軍団が演奏しますが、ちょっとおっかなびっくりな演奏です。管も自信なさげでとりあえず終わってよかったw 第2楽章はコンミスが全音上げてチューニングしたヴァイオリンを使ってソロパートを弾きます。さすがに自身たっぷりな弾きっぷりで「死神がヴァイオリンを弾く」というより女王様が弾いているように感じました。ここでもホルン部隊が不安定なのが気になりますね。 第3楽章のアダージョはマーラー屈指の美しい楽章ですが、弦楽器のアンサンブルは分厚く響いてこれはコンミスの影響と思うものの、管がいささか非力なのが目立ってしまいます。チェロ軍団が寂し気なメロディーを奏でますがどこかひ弱な印象です。オーボエソロが最初不安定でしたが楽章後半から俄然良くなったのは本番ならではの嬉しいハプニングでした。 そして終盤に差し掛かって突然オケがフルボリュームで鳴り渡ると舞台上手の扉が開きソプラノが登場、そのまま女王様のように威厳をもったまま静かに中央まで歩み寄ります。このやり方は高関=群馬響でかつて見てたいへん感動かつ感心したものです。たいていは第3楽章前に登場するのですが、私はこっちのやり方が好きです。久しぶりに見れて嬉しかった。これが見れただけでも今日来た甲斐がありました。 第4楽章は第3交響曲に組み込まれるはずだった楽章で同じモチーフを用いているのですが私は別の交響曲にして正解だと思います。ソリストはたいへん清らかな声の持ち主、オペラのようにがなり立てないところが良かった。見た目も清楚で綺麗系(たぶん)でこの曲に合ってました。ラストは静かにフェードアウト、しばらく幸福な静寂に包まれて、今日のお客さんに感謝です。 細かいことを言うようですが、豪快さが魅力も雑なところが目立つのがもったいない。例えばフレーズの終わりで音が切れ切れになったり音程が下がったり、鈴の置き方が雑で音が出ちゃったりなど。コンミスが図抜けてすごいのはわかりますがその分、他のパートの粗が目立つのかもしれません。臆せず自分たちの音を出してほしいですが雑にならないよう気を付けてほしいですね。意外と客席に聞こえてますよ。 次回はグラズノフの第5交響曲、紀尾井ホール。まだまだ先のことですが行けたら行きます。
2026年05月16日
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1.プロースト交響楽団 第43回定期演奏会開催日:5月6日(水)13:30会場:ミューザ川崎シンフォニーホールソリスト:高橋優介指揮者:阿部未来プログラム:市民のためのファンファーレ(コープランド) ピアノ協奏曲(アンダーソン) 交響曲第1番(エルガー) 某芸能人のお姉さんが所属していることですっかり有名なアマオケ。そのせいかこんな渋いプログラムでも大入りでした。 パンフレットも16ページカラー刷りでデザインもカッコよくて俊逸、お金かけてます。 更にチケットクーポンを発行して1000円以上値引きするという太っ腹ぶり。お金持ちオケはやることが違いますね。ちなみに私はちゃんと正規の金額を支払います。オケの活動資金にお使いくださいw さて、今回のプログラムはコープランドとアンダーソンはアメリカ、エルガーはイギリスとアングロサクソン系な内容です。いつもドイツだのチェコだのロシアだのが目立ちますが、こうしたチャレンジングな構成をとれるのもアマオケならでは。聞き所はなんと言ってもアンダーソン(そりすべりが有名)のピアノ協奏曲、そんなのあったんだと驚きもあり興味津々です。 1曲目のファンファーレは打楽器と金管が力強く鳴り渡る「ザ・アメリカ」って感じの曲。テレビで聞いたことあるんじゃないかな。最初から鳴らすのはかなり奏者にプレッシャーだと思いますが上手くいきました。 2曲目は期待のピアノ協奏曲。ライトクラッシクと言えばルロイ・アンダーソンって感じですが、それも抜群の作曲とオーケストレーションの腕前あってこそ。シリアス作品としてはこのピアノ協奏曲が唯一か。全く知られていないのも道理で、初演後作曲家自身が引っ込めてしまったらしい。冒頭から何やら明るく軽いラフマニノフといった感じで時にシリアス、時にムーディ、きちんとしたソナタ形式で進んでいきます。3楽章形式のミニ協奏曲で楽章はアタッカで(続けて)演奏されます。第2楽章はもっとロマンティックでもいいような気もしましたが節度ある表現、間にクラベスがマンボのリズムを叩くあたりはアンダーソンならではのセンス。第3楽章はきびきびしたリズムで躍動感あふれたまま一気に終わりを迎えます。もう少しねちっこいところがあってもいいと思いましたがこれがアンダーソンなのでしょう。それにしてもラフマニノフってアメリカ人の好みにあっているのでしょうかねぇ、他にも様々な作曲家の影響が聞かれますがやはり全体を覆うのはラフマニノフ調。あらためて凄い作曲家です。 アンコールはこれまた初めて聞くバックスの水の音楽。こういうのをさらっと引くあたりこのピアニスト、伊達ではありません。 後半はエルガーの交響曲第1番。最近たびたび演奏会で聞かれるエルガーの交響曲。これまでアマオケでも5回ぐらい聞いています。自分的にはつかみどころのない曲だなあとCD聞いても実演聞いてもずっとぴんと来ませんでしたが、あるアマオケさんの演奏に感動し開眼して以来、好きになりました。こういうところが実演を聞く良さだなあと思います。 全体としてはロマンティックな演奏でした。特にパートからパートへのつなぎが絶妙で、ふわっとした間(ま)がロマンを感じさせました。オケの質も高くアンサンブルも見事、安定の演奏で、冒頭の主題がラストで帰ってくるところは胸アツ、やはりいい曲だなあ、大満足でした。 アンコールはエルガーの愛のあいさつ(オケ版)。サービスしてくれますねぇ。 今回はミューザの4階席でしたが、ステージが奈落の底を覗いているような感じ、音は明確に聞こえるものの迫力は感じられなかったのが残念です。音像が遠い、昔のEMIの録音みたいな感じでした。 指揮者の阿部さんはからだの細さといい腕を伸ばして振る動作といい、ちょっと故若杉弘さんに似てて懐かしかった、これからも頑張ってほしいです。 次回は池袋芸劇でサンサーンスのオルガン。オルガニストは石丸さんなので絶対行きますっw
2026年05月06日
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1.中野区民交響楽団 第80回定期演奏会開催日:4月25日(土)14時会場:中野ZERO 大ホール指揮者:松岡究プログラム:交響曲第9番「新世界より」(ドヴォルザーク) 組曲「展覧会の絵」(ムソルグスキー/ラヴェル編曲) 友人が出演のコンサート。彼とは大学時代からの長い付き合いでして、そのときからこのオケに所属しているためここも長く聞いてきました。オケとして質が良い時期悪い時期ありましたが、それでも聞き継いできたのは(彼以外にも知った顔がいるというのもありますが)音楽とは単に上手い下手ではないことをあらためて確認するためでもあります。それはまたアマオケにハマるきっかけでもありました。 まあ、そんな大上段に構えなくても単に面白いからなんですが、それは練習でうまくいかなくても本番では奇跡のように上出来だったり、逆に本番では予想外のアクシデントがあったりと、おそらく他のアマオケでも同じようなことが起きているはずで、そういった現場でしか聞くことができない生々しさみたいなものがアマオケを聞く面白さだろうなと思います(本番でミスしろと言っているわけではありませんw)。 今回の演奏プログラムのコンセプトは「遠く離れたものへの想い」とか。ドヴォルザークは赴任先のアメリカから故郷ボヘミアへ、ムソルグスキーは亡くなった友人へと対象は異なりますが、離れたものへの強い想いから紡ぎ出された名曲です。どちらもメインを張れるし誰もが知る超名曲を並べた意外にハードなプログラムであります。 まずは新世界。 第1楽章冒頭で提示されるリズムが意外と難しく、それをPPでのびのびとカンタービレで演奏するとなるとチェロ軍団の質が問われます。このリズム細胞は後々発展していくため重要な箇所ですが、プロオケでも結構ゆるゆるな演奏が多いです。(そのことに気づかせてくれたのは若きマゼールとベルリン放送響との録音でした) 今回の演奏はやっぱりゆるゆるでしたが、いつもならPPになると聞こえないチェロ軍団も今回はきちんと客席に届いてました。伸びやかさが足りないのはご愛敬ですw 第2楽章は超有名な旋律の歌いっぷりは緩くならずいい感じ。そして音楽が落ち着いての弦楽トップだけの3重奏、ここは個人技というより室内楽的に息を合わせて味を出す箇所ですが、さすが今回のトップたちは上手い、感動しました。 第3楽章はリズムとテンポが難しいですが上手くクリア。 第4楽章も出だしの重量感はよく出ていたと思います。ベースは今回6名でしたが太い響きを出していました。ラストは全員の集中が揃って大きく盛り上がりました。全体として引き締まった演奏で大きな事故もなく安心しました。 次に展覧会の絵。 プロムナード冒頭のトランペットソロ、古城でのアルトサックスソロは素晴らしい音の冴えがありました。サミュエル・ゴールデンベルクでのミュート付きトランペットソロは練習の時のほうがうまかった。リモージュはちょっと安全運転でしたが上手くいきました。バーバーヤガから火がついてキエフの大門では皆の集中が高まりこれまた大いに盛り上がりましたが、ラストの締め方はもう少し粘ってもよかったのでは?あっさりしすぎかなと。 私の席の前にいた外国人のおじさんは終演後のソロを起立させるときにトランペットとサックスだけ誰だ誰だと顔を探してました。印象に残ったのでしょう。 今回の演奏会のためにスコアを買いましたが最強音でもF2つの指示にびっくり(ダフクロはF3つ)。楽器の組み合わせの妙なのかラヴェルの天才ぶりをあらためて感じました。 全体として2曲とも練習のときより格段に良くてちょっとびっくり、本番に強い!w 次回は田園とシベ2、これまた両方メインが張れる名曲シリーズ。よくやるなあ。
2026年04月25日
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1.新交響楽団 第273回演奏会開催日:4月12日(日)14時会場:東京芸術劇場 コンサートホール指揮者:中田延亮プログラム:6声のリチェルカーレ(J. S. バッハ(ウェーベルン編)) 浄められた夜(シェーンベルク) 交響曲 第5番 ニ短調「宗教改革」(メンデルスゾーン) 前奏曲とフーガ 変ホ長調(J. S. バッハ(シェーンベルク編)) メインにはなれないがこれだけでも聞きに行きたい曲ばかり集めた、マニア向けプログラム。こんなことができるのもアマオケならではです。 バッハに絡めながら隠れた共通項はユダヤ人であることを指揮者の解説で披露していました。 私も随分コンサートには出かけたがすべて初ライブで聞けて嬉しい。 特に大好きな「浄夜」は後半の赦しの音楽からラストまでうるうるし放し。録音では小澤=サイトウキネンが素晴らしく美しいが、今回の演奏もアマオケとは思えぬ美しさでした。特にコンミスとチェロトップはからだの揺れが大きく、かなり気持ちが入っていたように見受けられた。女性には何か響くものがあるのだろうか。愛と赦しといえばモーツァルトが浮かぶものの、他愛ない恋のさや当てのモーツァルトに比べればシェーンベルクのは生々しい内容であるだけに、より現実味とそれゆえの愛の深さが感じられるのだろうか。とにかくこんな作品を20代前半で書いてしまう彼の才能にあらためて感心してしまう。 後半の宗教改革はあまりコンサートでは見かけないし録音でもぱっとしない印象で積極的に聞きに行こうとは思っていなかった。今回の演奏は丹念に音を重ねていくような丁寧さに感動しました。正直、こんないい曲だとは!メンデルスゾーンの若き才能と感動が迸る素晴らしい名曲であることを思い知りました。 最後のシェーンベルク編曲のバッハは音色の使い方がユニークで、彼のブラームスのピアノ四重奏曲の編曲を思い出しました。あれも練りに練られたオーケストレーションだがこちらも音色旋律技法が冴えている。ここでの演奏も丹念さが素晴らしかった。 アンコールはバッハのコラール前奏曲「おお人よ、汝の罪の大いなるを嘆け」(レーガー編曲)。弦楽合奏が切々としながらも、最近ではあまり聞かれなくなったロマンティックなバッハ演奏を堪能。たまにはいいじゃないか、時代考証がどうのより音楽には大事なことがある、そんな風に思わせる演奏でした。 昨日と違い、3階中央席は音の分離というよりミックスされた響きを聞けるし、低音もブンブン聞こえるしで結構気に入りました。 総じて、ひとつひとつは30分もかからないような曲ばかりだったが趣向と演奏の素晴らしさでとても満足のいく演奏会でした。 また、指揮者の中田さんは存じ上げなかったが真摯な指揮ぶりにたいへん好感が持てました。隣に座っていたご婦人も姿勢がいいとお褒めになっていましたw
2026年04月12日
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1.フィルハーモニックアンサンブル管弦楽団 第79回演奏会開催日:4月11日(土)18時会場:東京芸術劇場 コンサートホールソリスト:三浦文彰指揮者:大友直人プログラム:ヴァイオリン協奏曲(メンデルスゾーン) アルプス交響曲(R.シュトラウス) こちらは知り合いが出演していまして、結成50周年記念コンサートでした。 そして今年に入って3度目のアルペン。もう当分聞かなくていいですwお腹いっぱいですw それにしても結成50年もすごいことですが、何でしょうかこの豪華なプログラムは!超一流ソリストと指揮者の共演。まるでプロオケの定期演奏会みたいじゃないですか。それにパンフの表紙は紅色に金字で水引のデザイン。なんとご祝儀な!w 相当お金使ってますw そして演奏もかなり気合が入ってました。 さて、1曲目はメンコン。三浦さんの音は非常に明瞭にホールに響きわたります。腕がいいのか楽器がいいのか(両方か)オケと対等に渡り合っているのがやはりすごい。歌い方がどうのという前に素晴らしいテクでオケと一体化しようとしています。オケには小さな綻びもありましたが上手くサポートしていました。プロオケのようなしっとりした柔らかな響きは作れませんがそれでもソリストを盛り立てようと頑張っていました。さすがです。 アンコールは「真田丸」。三浦さんと言えばコレでしょう。急に編成が増えて何だ何だと思いましたが、まさかやってくれるとは。初めて生「真田丸」が聞けただけでも今日は満足です。ていうか、オケの細かいフレーズ、よく弾けるなあと感心しました。 メインのアルペンはどんなアプローチかと思いましたが割とクールで突き放した感触、あんまり思い入れがないのかなあ。それでもラストの締め方はかっちりキメてブラボーでした。トランペットのハイトーンは危なかったけど仕方ないね。オーボエソロは文句なしのブラボー。サンダーマシンは1枚でちょっとゆすっただけw オルガンとのバランスは結構よくてさりげなくオケと調和できていてこれもブラボー。今回のオルガンはモダンのほうを使用。 今回は2階の右翼席であんまり低音が聞こえず、ちょっと物足りない響きでした。他の人の情報だと3階席ではバランスがよかったとのこと。明日は同じ芸劇で3階中央席、どんな風に聞こえるか楽しみです。
2026年04月11日
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1.東京シティフィルハーモニック管弦楽団 50周年記念特別演奏会開催日:3月31日(火)19時会場:サントリーホール 大ホールソリスト:森野美咲(S)、加納悦子(MS)合唱:東京シティフィル・コーア指揮者:高関建プログラム:交響曲第2番「復活」(マーラー) 東京シティフィル創立50周年記念シリーズの第2回「復活」の公演に行ってきました。仕事も休んで準備万端ですw 高関さんのマーラーへの拘りは国際マーラー協会へ出版譜に対する質問等により現在の新校訂版にもいくつか意見が反映されており、単に楽譜の誤りのあら捜しではなく、現場の意見としてより良いものを作ろう(残そう)とする姿勢が立派。それが今回の演奏にも現れていました。 プレトークでは第1楽章のあと「楽譜の指示により」5分以上の休憩を取りオケもいったん引き上げる旨、説明がありました。最近はあえて休まず次楽章へ流れていく演奏が多い中(アマオケも)、マーラーの指示に従うことにここまで拘るのは面白い。これについてネットでも意見が分かれるようだが「これもまた一興」と楽しめばいいのではないでしょうか。その第1楽章、冒頭から凄まじい勢いで低弦がうなりをあげ思わず息をのみました。以降、こんなバランスだっけ?こんなモチーフがあったんだと驚きと発見の連続。これはいつもの高関=マーラーを聞く醍醐味です。 第1楽章の終わり方も遅いテンポで崩れるように行くのかなと予想してましたが、速いテンポでした。終わった後、拍手してもよかったけど誰もせず、そのまま休憩20分。水分補給およびトイレ休憩でちょうどよかったです(サントリーホールはトイレの数が少ない)。ホールに戻ると、合唱団が並んでいるところでした。 第2楽章は無難なまとめ方、第3楽章は冒頭ティンパニーの気合に唸り、後半のトランペットソロの流れるような美しさに聞きほれました。 第4楽章冒頭は前楽章より半音高い調で始まるという厄介な箇所。メゾソプラノソロはちょい曖昧な感じもいい滑り出し、がややゆっくりテンポで歌いだして指揮と合ってなく一瞬ひやっとしましたがそこは高関さんが咄嗟に合わせます。またほかの公演だと舞台上オケのブラスが伴奏しますが、今回はオルガン席に別動隊を置くことで天上の調べをイメージさせました。(バンダは急ごしらえな感じでしたが) 第5楽章はもともと音響上の仕掛けが多く面白いのですが、今回はそれを忠実に再現したそうです。まず遠くから鳴り渡るホルン(運命の動機)は舞台袖ではなくオルガンの後ろ通路に配備した別動隊が扉の開け方により再現。ほかに左右の舞台袖も使いながら、マーラーがイメージした「遠くから堂々と」響きわたるブラスが舞台上のオケと別な時間の流れながら混然一体と鳴り響く(譜面上ではタイミングを合わせるように縦線がひいてありますが)という当時としては画期的な音響空間を作り上げていました。ここが一番面白かった。例のナイチンゲールのところとか。 その後に合唱が入りますが、大変訓練が行き届いていて実に素晴らしいハーモニーを生み出していました(本公演のMVP!)。ところがメソソプラノが絡んでくるとまたもやテンポが遅くてアンサンブルがずれだし、またもやヒヤリ。ソプラノソロがうまくリードしてくれたおかげで最後の「蘇るであろう」から感動のフィナーレへ。音響的にも内容的にも納得、たいへん面白く聞かせていただきました。 東京シティフィルは団員も少なく他のオケ等から賛助出演を得ての公演ゆえ演奏に傷もあり(特にバンダ)、あともう1回やれば高関さんの意思も通じより充実した演奏になったのではないかとも思う反面、1回限り故に奏者全員の力が結集した力演だったとも言えます。マイクが立っていたのでライブ収録したのかな。CDが出たら聞き直したいと思います。
2026年03月31日
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1.エバーグリーンフィルハーモニーオーケストラ 第7回定期演奏会開催日:3月28日(土)13時30分会場:ミューザ川崎シンフォニーホール指揮者:宮内晃プログラム:ニュルンベルクのマイスタージンガー(ワーグナー) 交響曲第103番(ハイドン) 交響曲第7番(ブルックナー) おそらく初めてか2度目に聞く団体。ワーグナーの開始からどっしりとしたオケの響きが好印象。バスパートの動きが聞き取れて、やはりドイツ物はこういう響きで聞きたいと思わせます。 指揮者宮内さんの指導の賜物と推察します。経歴を見ると室内楽を専門としている方のようなので響きのバランス感覚にすぐれているのだろうか。 続くハイドンの太鼓連打もなかなかいい響き。ティンパニーが胴鳴りしててちょっと聞きづらいなとは思いましたが思い切りがよくて好き。あとコンミスさんがうまくていいね。 後半メインのブル7。このオケならどっぷりしたブルックナーサウンドに浸れる、と思いきや快速調のブルックナーでした。案外大きめに始まる第1楽章冒頭は繊細さより原始霧の粗野なイメージ、続くメロディーは伸びやかさより感情の詰まった歌い口、強奏の分厚いサウンドにカタルシスを覚えました。 第2楽章のワーグナーへの弔歌は深い悲しみというより抒情に満ちた感じ。 第3楽章の快活さとトリオの歌の対比は見事でした。 第4楽章は前半楽章に比べて短いせいかバランスが悪い(締まらない)感じがしますが、響きの充実がそれを補っていました。最後の終わり方も遅くしたりタメを作ったりする従来のやり方ではなくインテンポであっさりした終わり方。昔気質のブルオタならそれだけでダメ出ししそうですが、私はこのようにすっきり終わるほうが好みです。こんな感じでいずれブル8もやってほしいな。(本公演のMVPはティンパニーさん!) 次回は来年3月池袋にて巨人。冒頭はざわざわした感じで始まるのか、楽しみであります。
2026年03月28日
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1.東京楽友協会交響楽団 第120回定期演奏会開催日:3月21日(土)13時30分会場:ミューザ川崎シンフォニーホールソリスト:手嶋真佐子指揮者:森口真司プログラム:交響曲第3番(マーラー) はい、またマラ3です。満腹ですw 新響のは明るい響きで明晰なマーラーですが、今回はどうでしょうか。 この団体は120回も演奏会やってる老舗だけあってレパートリーも広く、指揮者陣もテレビに出てくるような有名指揮者はいませんが多彩で面白いです。 今回は右のバルコニー席だったせいもありバランスがどうこうは言いませんが、感銘度は大変高かったです。第1楽章の行進曲はド派手に決まってたし、第2楽章の抒情的な謡い方もなかなかでした。 第3楽章はポストホルンに注目してましたが舞台裏で扉を少しだけしか開かない上に音量が小さいため客席ではほとんど聞こえてなかったのでは?2回目にポストホルンが出現する時は2つの扉を全開放してようやく聞こえてました。指揮者の狙いは最初の出現は遠くから2回目は近くから木霊のように聞こえてほしかったのでしょうけど、ちょっとあてが外れていたかもしれません。あと夢世界を破るようなトランペットの強い入り方は好き。 第4楽章、第5楽章は声楽が入りますが合唱はこの演奏会のための臨時編成の割にはうまくまとまった良い響きでした。突き抜けた感じがいい。 第6楽章はぐっと抑えた歌が徐々にヒートアップして最後の金管のコラールに至るまで長い道のりをうまくコントロールしながら最後のニ長調の和音が鳴り渡るまで集中が途切れず感動的な幕切れだったと思います。細かい表情をつけながら大きくうねりを作り出した森口さんの手腕は見事でした。 演奏に関しては以上ですが、あらためてマラ3を2回聞いて「いい曲だなあ」と感銘を受けました。復活のような劇性はないもののゆっくりじんわり感動に浸れるのはいいものです。後に5番や6番みたいな複雑な路線に走るマーラーですが、内に起こる自然な感動を素直に写し取った2番や3番のような路線のままに進んでほしかったなと思いました。アルマが悪いんだな、きっと(笑)
2026年03月21日
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1.フライハイト交響楽団 第56回定期演奏会開催日:3月1日(日)13時30分会場:すみだトリフォニーホール 大ホール指揮者:森口真司プログラム:交響管弦楽のための音楽(芥川也寸志) キージェ中尉(プロコフィエフ) ガイーヌ抜粋(ハチャトリアン) キージェ中尉を生で聞きたくてあまり期待せずに行ったコンサート、結果どれも素晴らしくて感激しました。 芥川がショスタコーヴィチやプロコフィエフなどソ連の作曲家に憧れて1954年当時まだ国交を結んでいなかったソ連に密入国、そのときに出会った作曲家のひとりがハチャトリアンでした。そんな繋がりを知っていればニヤニヤなプログラム。 今回の芥川を聞いてからプロコやハチャトリアンを聞くとなるほど影響受けてたんだなあとわかります。 芥川の生き生きとした音楽にはプロコのオーケストレーションの巧みさ、面白さ、後半メインのガイーヌに聞かれる民謡性とリズムが一体となって芥川に流れているように思えました。 期待していなかった分、とても面白いプログラムです。 でも何がよかったってガイーヌです。抜粋とはいっても通常の4曲の組曲ではなく21曲も! アイシャとガイーヌの場面の曲は「子守歌」と題されて単独でも演奏されますがこうして全体の流れで聞くとまた違った味わいですね。 ほとんど初めて聞く曲たちでしたがどれもいい曲揃いで十分堪能しました。有名な剣の舞は全体の最後のほうに出てくるんですね。知りませんでした。 余談ですが、私の左斜め前に座っていた外国人(ひょってしてウクライナ?)のおばあさん。リズミカルな曲には体を揺らし聞かせるところでは涙し実に演奏を楽しんでいました。ああ音楽ってこう楽しんでいいんだなあと改めて思いました。 周りに迷惑かけなければ、ですがw
2026年03月01日
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1.フィルハーモニックソサエティ東京 10周年記念演奏会開催日:2月22日(日)13時30分会場:すみだトリフォニーホール 大ホールソリスト:永原幸太、佐久間聡一指揮者:下野竜也プログラム:スピットファイア~前奏曲とフーガ(ウォルトン) 2つのヴァイオリンのための二重協奏曲(ホルスト) 組曲惑星(ホルスト) こんな凝ったプログラムはプロでもやらないでしょうっていう見本みたいなアマオケ、フィルハーモニックソサエティさん。ここもよく行くアマオケのひとつです。 凝り性の下野さんとは以前ブル9をやってましたが相性がいいのでしょうか。それと下野さんのときには決まって共演のヴァイオリニストのお二人。 このオケの立ち上げ公演で大好きなメジューエワさんとブラームスの協奏曲をやっててそれだけでも凄いのにメインがF.シュミットの交響曲ってどんだけ~と思いながら聞きに行き演奏も素晴らしくてびっくりしました。 毎回素晴らしい指揮者、ソリストを呼んで有名ホールで公演しているあたり、かなりお金持ちオケです(パンフレットも紙質のいいカラー版、お金かかってます(笑)) 演奏はこんな曲に挑戦するぐらいですから言わずもがな、きちっとしたアンサンブル、情熱ともに素晴らしく、充実した時間を過ごせます。 スピットファイアなんてもっといろんなところで演奏されてもよさそうです。ブラス隊に自信があるなら是非! ホルストの珍品二重協奏曲は実演では初めて聞きました。凝ったミニコンチェルトって感じですね、お二人の息の合ったソロも見事。 メインの惑星は言わずもがな、合唱はシンセサイザを使用とのことでちょっとバランスが弱すぎかと思いましたがむしろオーケストラの繊細さがよく聞こえてこれはこれでありかなと思いました。 10周年記念演奏会は続きがあって次回は5月にコバケンとのブラ1。 定期演奏会としては来年1月にマラ7だそうです。相変わらずの凝った選曲ありがとうございます、次回も伺います!
2026年02月22日
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1.千葉フィルハーモニー管弦楽団 第74回定期演奏会開催日:2月15日(日)14時会場:かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール指揮者:長田雅人プログラム:ロシアの復活祭序曲(R=コルサコフ) 火の鳥組曲(1945年版) 交響曲第3番(チャイコフスキー) 船橋在住のころから聞き続けてきた千葉フィル。マーラーやブルックナーの楽曲解説でお馴染みだった金子建志さんの指揮で聞いてきました。本拠地習志野文化ホールが再建設で休館している関係でコンサート会場を転々としている様子。金子さんも病気療養中とのことで今回は長田さんの指揮で行われました。 金子さんの頃には非常に詳細な楽曲解説を金子さんご本人が執筆した圧倒的な量のパンフレットが楽しみ(これだけでもコンサートに来た甲斐がありました)でしたが、現在は仕方ありません。 プログラムもオールロシア物と以前のとんがったものではありませんが、なんとか団を継続させようという団員の必死さが偲ばれます。 演奏自体は大変立派で、指揮者が違うとこうも違うかとちょっと驚きでした。金子さんも近頃では体調がすぐれないせいか指揮ぶりがあやふやでアンサンブル崩壊も止む無しでしたが、ちゃんとした(?)指揮だと見違えるほどの演奏になるのももともとのポテンシャルが高いが故と思います。 2028年には習志野文化ホールも新装するそうなのでそれまで千葉フィルの皆様には頑張っていただきたいです! ちなみに次回はタコ8。やっぱとんがってるなあ。
2026年02月15日
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1.東京ユベントスフィルハーモニー 第29回定期演奏会開催日:2月14日(土)18時会場:すみだトリフォニーホール 大ホール指揮者:高関健プログラム:委託作品 (夏目漱石「夢十夜」に基づく) ※世界初演(山本哲也) 交響曲第9番(マーラー) 坂入ファンとしてはこの公演は外せない。これまで2番、3番、5番、7番、8番と演奏してきた実績からもこのオケとの結びつきからも期待が高まります。 9番の前に置かれた夢十夜にインスパイアされた曲はウェーベルンみたいに短い曲を10曲並べた組曲のような感じ。ひとつひとつは繊細な響きを持ちつつ全体は悪夢であったり儚げであったり。3曲に合唱が入り夢十夜の英訳を歌っているけどこれはどうかな、オケだけでも十分な気がしました。 9番が死のイメージからこういう曲になったんだろうけど、私としては9番=死とは捉えていないため公演としては蛇足でした。 さて、9番ですがもっと激烈な演奏になるかと思いきやアルペンの時同様、歌い込んだマーラーになってました。優しい表現で、全然死のイメージではなかった。最近の若い世代のマーラーは昔の恨み節みたいな流れから脱却し、よりしなやかで美しいマーラーになっていると思います。昔気質の人からすると生温いと怒られそうですが、私自身は元々そういう演奏を聞きすぎたせいかたまに聞ければ十分、バーンスタインの演奏は年1回も聞けばおなか一杯です。 9番はマーラーの音楽活動の絶頂期に書かれたものです。死の陰に怯えていたというワルターやアルマの証言はどこまで信用していいのかわかりません。マーラーを傷付きやすい芸術家に仕立てあげたかったのかもしれません。ご本人は指揮者としてライバルを蹴落としオーストリア帝国の最高位であるウィーン歌劇場の音楽監督にまでのし上がり自分の音楽を聴かせるため劇場と衝突もし社交界の花と謡われた若い女性アルマと結婚しと、ばりばり現実主義で強欲な人です。こんな人が死の陰に怯えた音楽を書くでしょうか。むしろそれを克服する英雄の姿を書くでしょう。 そんなわけで9番は死のイメージというよりは功成り名遂げた英雄の栄光ある死(シュトラウスの「英雄の生涯」みたいな)のイメージだと思ってます。ワーグナー風な愛による救済というイメージは8番で達成されましたが、9番は「お別れ」そのものを描いていると思います。例えばトリスタン的な愛の死なのかもしれません。大地の歌ではそれを漢詩の世界に求めましたが、9番はより普遍的な世界にしたかったのかもしれません。 とにかくご本人も不本意なまま亡くなり謎が多いまま残されたこの9番は今後も謎のままに演奏され、謎のままに聞き続けていくことになるのでしょうね。
2026年02月14日
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1.東京シティフィルハーモニック管弦楽団 50周年記念演奏会開催日:2月11日(水)14時会場:サントリーホール大ホール指揮者:高関健プログラム:交響曲第6番(マーラー) 泣く子も黙るマーラー「悲劇的」。TCPOの定期会員になって10年、毎年定期公演でマーラーを1曲ずつ取り上げ毎回感銘を受けてきました。途中コロナがあり巨大編成のマーラーからは遠ざかっていたので感無量です。 ブル8とマラ9を振りたくて指揮者になった、という高関さん。毎回最新版のスコアと自筆譜を見比べて研究を欠かさない高関さんが満を持してマーラーの最高傑作と言われる6番に取り組むのは指揮者としてもオケとしても大きな自信の現れと思います。 6番というと最終楽章にハンマーが使用されていることで有名で、私もかつてはそこを楽しみ(笑)に聞いてました。 今はだいぶ聞き慣れてきたせいもありアンダンテ楽章を2楽章に置くのか3楽章にするのかに興味があります。かつて私がマーラーを聴き始めた頃はスケルツォを第2楽章にアンダンテを第3楽章に持ってきてました。最近の研究で初演もその後の演奏でもマーラー自身はアンダンテースケルツォの順番で演奏していたという記録から、近年ではアンダンテ―スケルツォの古典様式の順で(ベートーヴェンみたいに)演奏するのが多いようです。今回の高関さんもそうしていました。 ですがマーラーの構想時点ではスケルツォーアンダンテの順を考えていました。オケ奏者の体力を考慮したのかもしれませんし、当時の一般聴衆の耳の限界を考え、怒涛の終楽章に入る前にいったんアンダンテ楽章で耳を整えようという「指揮者マーラー」としての配慮かもしれません。 この創造者としてのマーラーか現場監督としてのマーラーかはマーラー自身の悩みだったと思います。 ちなみに私はスケルツォーアンダンテのほうが好きですが、これも最初にその順番で聞いてきた慣れのせいばかりとは言えないなと最近は思ってます。 演奏自体は高関さんらしく明晰かつパワフルな演奏でした。昨年のトゥランガリラもそうでしたがオケの質がものすごく向上したと感心しきり。ところどころおや?という声部が聞こえてきたり、そう来たかと唸ったり、そうでなくてはと膝を打ったりの90分でした。 ところで3月は「復活」。これまたどのような演奏になるのか楽しみです。
2026年02月11日
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1.オーケストラ ダスビダーニャ 第32回定期演奏会開催日:2月1日(日)14時会場:東京芸術劇場コンサートホール指揮者:長田雅人プログラム:バレエ組曲「ボルト」、交響曲第11番 2月もコンサートライフを満喫してましたが、仕事でくたびれて書く気力がなくなっていました。言い訳ですが。。。 ダスビは定期的に通うアマオケのひとつです(知り合いが出てるってのもあります)。ここの特徴はショスタコーヴィチ愛が半端ないということ。もうショスタコしかやらない、タコオタの集まりです。その潔さがいい。それでもプログラムが成り立つのは意外と多作なショスタコのおかげですけど。それと同じオタクの集まりからか、オケ愛も素晴らしい。 そのあたりは40頁に及ぶ分厚いパンフレットからも伺えます。(島田雅彦の特別寄稿があったのは驚きました) 演奏そのものはタコのスペシャリストと言ってもいい長田さん(このオケと30年ともに歩んできたタコオタの頭目)とオタク達ですから何も言うことありません。猛スピードで走り回る木管、重い響きの弦楽、バリバリ鳴らす金管と技術もさることながら皆さんの情熱が迸ります。毎回感銘を受けて帰ってます。 今回のハイライトは11番の最後に鳴る「鐘」。これをカリヨン4つ鳴らすという暴挙(笑)をやってしまうのも、アマオケならではの面白さ。おかげでカリヨンの音が消えていくまでの長い静寂を十分に堪能できました。 奏者と理解のあるお客様に感謝! お客様と言えば、タコ祭り(オールショスタコーヴィチプログラム)になると現れる、いかにもな得体のしれない人達が今回も気になりました。いつものコンサート好きな、あるいはオケ関係のメンバーとは違った雰囲気の連中です。ダスビのコンサートでは必ず見かけますので興味のある方は演奏だけでなく客席ウオッチングしてみても面白いかもしれませんw
2026年02月01日
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コンサートへは1月で5回行きました。この時期は開催数が多いうえに面白そうな企画もあって選ぶのに迷ってしまいます。1.ザ・シンフォニカ創立40周年記念 第79回定期演奏会開催日:1月24日(土)18時会場:すみだトリフォニーホール指揮者:坂入健司郎プログラム:交響曲第4番(シューマン=フルトヴェングラー版)、アルプス交響曲(R.シュトラウス) 最近流行りですかね~、特に記念演奏会だとアルペンか英雄の生涯、あるいはマーラー「復活」あたりがメインになります。昨年もアルペンを随分聞きました。 今回のチョイスは坂入さんのアルペンを聞いてみたかった、それだけですw 坂入さんはユベントスで「ペドロ親方」と「ペトリューシュカ」を聞いて以来、機会があれば聞きに行ってます。この方、経歴が変わってるせいか(音大卒ではない)自ら音楽を楽しんでいる感じが伝わってきて聞いてて爽快です。きっと耳がいいんだろうと思いますがフォルテでも響きが濁らず声部が明快に聞こえます。ブル9やハルサイといったプログラムでもエラくでかい音量(いわゆる爆演系)ながら全体としては明快な響きに支えられてぐいぐい引っ張っていく演奏でした。思い切りがいいんでしょうね。 そして今回のアルペン、席がよろしくないせいもあってか低弦が鳴ってなくシュトラウス特有の響きには至ってませんでした。しかしながら日没からエンディングにかけての優しい歌いぶりが素敵で、寂しさと満足が交錯する不思議な感覚、この交響曲の「登山=人生」という隠れテーマをあらためて感じさせる素晴らしい演奏でした。もちろんオケのパフォーマンスも見事、特にトランペットのあのハイトーンを吹きこなしたのはブラボーでした。あとサンダーマシンは2枚、これは大迫力でした(見た目も)。 シューマンは、まあいいでしょう。フルベンあんまり好きじゃないしw 次回は7月20日、海をテーマにツェムリンスキーの人魚姫がメイン。マニアックだねえ、楽しみです!2.エセンツ・フィルハーモニカー第6回定期演奏会開催日:1月25日(日)13時30分会場:ミューザ川崎シンフォニーホール指揮者:斎藤栄一プログラム:ウィーンフィルのためのファンファーレ、ばらの騎士組曲、アルプス交響曲(以上、R.シュトラウス) 上記に続いてのアルペン。連続でアルペンが聞けるなんて、しかも10年前までなら稀なプログラムもアマチュアがやってしまうんですから(CDより安い入場料w)東京は贅沢です。 斎藤栄一さんは私の中ではマラ9指揮者のイメージがあってシュトラウスはどうかな、と思いつつ聞きに行きました。 ファンファーレは短い曲なので省略w。ばらの騎士は大好きなオペラですがこの組曲版は抜粋ながらおいしい場面が詰まった良い編曲だと思います。特に最後の3重唱は魔法のように美しくていつ聞いても涙が溢れますが、この組曲でもその魅力は十分に伝わります。オケの音にもう少し潤いがあるといいなと最初は勝手な注文をつけつつも3重唱の部分に至ると弾き手の皆さんの想いが伝わり、終わってみればたいへん満足な出来でした。 メインのアルペンは前日の低域不足の不満を十分に満足させるピラミッド型のどっしりとした響きで迫力があり、アンサンブルに破綻もなく無事登山を終えることができました。今回はど真ん中の席だったせいかもしれませんが、シュトラウスを聞いた、という満足感がありました。 次回は8月16日、マメールロワとマラ5。よほど腕に自信があるんでしょうね。これも楽しみです! どちらがよかったかと言われればどちらもいいパフォーマンスを聞かせてもらいましたが、完成度からいえばエセンツ、感銘度からいえばシンフォニカかな。坂入ファンの贔屓目かもしれませんがw
2026年01月26日
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最近はCDより演奏会に聞きに出かけることが多くなりました。コンサート会場に行き、会場に入って広い空間を感じ、他の観客たちのおしゃべりや笑い声を聞きながら静かにパンフレットを読むのはこれから起きる演奏への期待を落ち着かせるためといえます。そんな時間は嫌いではありません。 演奏中がさごそ音を立てるマナーの悪い客や子供の叫び声(笑)に滅入ることしばし、ウチでCD聞いていれば気が滅入ることもないでしょう、それでも良い演奏ならばだんだんと気にならなくなります。 特に静かに終わる曲の場合、音が立ち消えて静寂を余韻を楽しむことができれば「今日は良い観客といい時間が過ごせた」と嬉しくなります。そう、良い演奏会は演奏者のパフォーマンスだけでなく観客たちが作り上げるものなのです。こういうことに気づくことができたのも数多く演奏会通いしたおかげです。 貧乏な年金老人はプロの高額な演奏会にはなかなか行けません(東京シティフィルの定期会員ですが)。 それに東京周辺は素晴らしいアマチュアオーケストラが多く、ほぼ毎週どこかで演奏会が開かれています。アマチュアならではの凝った(変態?)プログラムを楽しんだり、想いのこもった熱い演奏にこちらも熱くなったり、これまで行ったことのなかった場所の土地柄に触れたりと様々に楽しんでいます。 おかげさまで2024年は63回、2025年は59回行くことができました。昨年は仕事と重なって回数は減ってしまいました。これからもからだが元気なうちにたくさん聞いていこうと思います。ただ、聞くだけでなく何か残しておきたいと思い今年からここに書いていくことにしました。もしこの拙きブログで興味を持ってコンサート会場に行く人が増えれば幸甚です。
2026年01月24日
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1.オーケストラ・ネージュ 第2回定期演奏会開催日:1月17日(土)19時会場:ミューザ川崎シンフォニーホール指揮者:山上紘生プログラム:朱鷺に寄せる哀歌、カムイチカプ交響曲(以上、吉松隆)、アパラチアの春(コープランド) 山上さんといえば東京シティフィルの定期演奏会で吉松さんの交響曲第3番を藤岡幸夫氏の代理で急遽指揮したエピソードで有名だ。私もその現場にいた。公開リハーサルのときにグリーグのピアノ協奏曲を高関さんが指揮したものの、楽しみにしていた吉松作品は公開しなかった。後で知ったが藤岡さんはそのとき急病で入院騒ぎだった。吉松作品は当時研究員だった山上さんが指揮することになった。結果は大成功。あのときの晴れやかな顔(よほど緊張していたのだろう)は忘れられない。 その山上さんはこのオケで交響曲第5番をすでに演奏している。今回は第1番というわけだ。 今回は出世作ともいえる朱鷺をまず演奏した。吉松語法が手の内に入ったかのような見事な演奏だった。弱音の美しさが目立った。 2曲目はアパラチア。生演奏は初めてだったが非常に静かな音楽だったが飽きることはない。普通のコミュニティで起こるちょっとした出来事を描いたバレエ音楽にすぎない。劇的な内容でもないが静かな感動がある。コープランドはもっと聞かれるべき作曲家だと思う。 メインのカムイチカプは当時の吉松さんの気合が込められた傑作。力こぶなところもあるが、どこか達観した視点が感じられ、静かに飛び立つさまは朱鷺と共通した静けさを感じた。 このオケはこのまま吉松作品を紹介するという珍しい存在になっていくのだろうか。次回も楽しみである。
2026年01月18日
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1.新交響楽団創立70周年 第272回演奏会開催日:1月12日(月)14時30分会場:東京芸術劇場指揮者:矢崎彦太郎独唱:池田香織プログラム:管弦楽のための詩編(坂田晃一)、交響曲第3番(マーラー) 新響はアマオケのなかでは最高位というか別格の扱いだと思う。優秀な腕前と合奏能力を持ったプロ顔負けの演奏をやりつつ、時々すっとぼけたりするw そんなところも含め面白いと思う。何しろプログラミングが凝っている。やりたいことを全力でやろうとするアマチュア精神はすべてのアマオケに通ずる。 前半の坂田作品は、坂田さん自身このオケでチェロを弾いておられる所縁から委嘱された新曲だ。自身の曲を自身の手で演奏するわけだ。曲自体は祈りの雰囲気が全編に満ちた佳作、合唱も入った規模の大きさは続くマラ3で合唱が中途半端に入るために有効利用したと言えなくもない。マラ3の世のすべてが調和した世界を描いていることへの伏線となっているのが見事。 後半のマラ3はフランス音楽のスペシャリスト矢崎さんがどのように演奏するのか興味津々だったが、明快明晰にして重すぎず、軽やかなステップで最後のD-durの響きまで我々を運んでくれた。一瞬たりとも気が抜けない集中力が素晴らしい。 第3楽章のポストホルンはメタメタだったが、夢見るような楽想から一転する時のトランペットの鋭い切り込みは見事。第4楽章のアルトソロはあまり声が出ていなかったがオペラのように絶叫されても興ざめなのであれでよかったかもしれない。ビムバムビムバムは能天気に突き抜けていてよかった。 終楽章ラストの和音にティンパニーが叩きつける音は巨人の歩みか超自然な存在の現れか。そこに神を見た、と思わせたらマーラーの意図を達成できただろう。なかなかそこまではいかないまでも存分に味わい、楽しめた内容だった。
2026年01月12日
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2026年の最初のコンサートはマラ9でした。1.国立マーラー学友協会 New year Concert 2026開催日:1月10日(土)15時会場:一橋大学兼松講堂指揮者:斎藤栄一プログラム:交響曲第9番(マーラー) 前々回だったか文京シビックホールで素晴らしいマラ9を聞かせてくれた。毎年1月にマラ9だけの演奏会を開催している。何しろマラ9をやりたくて集まって数十年の歴史を持つこのオケの演奏は、他にはないユニークな解釈というより練に練られた演奏、というのが相応しい。このマラ9という難曲をこれほど熟知し、自分たちの音楽として血肉化している所は他にないのでは? 今回初めて兼松講堂に伺ったが、由緒ありそうな立派な建物ですがいわゆる「講堂」で音響的には完全にデッド、音楽を聴くためのホールではない。しかも寒い!暖房はあるがうるさくなるから切ってあり、約90分耐えられるか不安になった。 舞台は昔の講演会場の雰囲気でオケのメンバーが狭苦しそうに並ぶ。第1音がppで発せられるが何だか頼りない。しかし徐々に演奏が進み全楽器がfffで叫びだすと、普通の音楽ホールでは混濁してうるさいだけの音響がすっきり聞こえ、これもありかなと思った。マーラーが頭の中で鳴らしていた響きはホールトーンなどないデッドな響きだったのかもしれない。そう思うと普段ほかの楽器の陰で鳴っていた木管などが鮮やかに聞こえ色彩的だ。打楽器が時に派手に鳴るがストンと音が立ち消えてしまうので他の楽器を消すこともなく明瞭に聞こえる。 指揮者の斎藤さんはまるで吹奏楽団の指揮のように1,2,3,4と明快に降るのだが、指揮者もオケも曲が手の内に入っているためかぎくしゃくするようなこともない。この曲を振ると時にオーバーアクションになりやすいが、余計な動きのないシンプルさが却ってオケの集中を保っているように感じられた。 終楽章のラスト、いつもここでフライング拍手が来ないかとどきどきしてしまう。pppの弦楽の響きのなかにヴィオラが最後のa♭音を溶け込ますと見事な静寂が訪れた、しばらく、ずっと。それからそっと拍手。ああ今日はお客さんに恵まれた。この曲は観客にかかっている。気づけば寒さも気にならなくなっていた。 年の初めから良い演奏と良い観客に巡り合えて私のコンサートライフは幸先がいい!
2026年01月11日
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長い間闘病されていましたし、演奏活動もしていませんでした。いつこのときが来てもおかしくなかったし、覚悟もしていましたが遂に来てしまいました。 2月6日心不全で小澤征爾さんが亡くなりました。享年88歳。 小澤さんの業績をあげればきりがなく、私のような素人に彼の芸術を語る資格もないのですが、思い出話をひとつ。 クラシック音楽に目覚めたばかりの中学3年生のある日、学校の図書室で「僕の音楽武者修行」という本を見つけ、夢中になって読んだのが小澤征爾という指揮者を知るきっかけでした。以来、50年以上ずっと彼のファンであり、父と同世代であることもあって勝手ながら(音楽の)父と思っていました。私にとって小澤さんとは憧れでありアイドルであり目標でもありました。結局私自身は何も成し遂げることなくサラリーマン生活を終えてしまいましたが、仕事で苦しい時期に小澤さんの活躍ぶりを見ては自分を叱咤してきました。 かつてNHKの「100年インタビュー」という番組に出演した際、100年後の人たちにメッセージをと問われ小澤さんは「差別のない世界になっているだろうか」と答え、私は思わず涙しました。「世界のオザワ」と功なり名遂げた人がいまだに闘い続けているのは東洋人が西洋音楽をいかに表現するかといったこと以上に、西洋社会に根強くはびこる人種差別や偏見との闘いだったのです。その長く苦しい闘いこそが小澤さんの功績だと思います。その後に続く日本人の、いやアジアの演奏家たちが欧米で現在活躍していられるのも小澤さんという偉大なる先達のおかげであることは間違いありません。 音楽的なことはいずれまた書きますが、何よりもまず言いたかったのはこのことです。音楽家である以前に、日本人としてアジア人として人して素晴らしい、偉大なる巨星でした。 どうぞ安らかにお眠りください。長い間お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。
2024年02月11日
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時折暑くなったりしますがとても過ごしやすい日々が続いていますね。ひところ肌寒かったり雨が続いたりと不安定な天候でしたが、ここしばらくは快適です。こうなると何だか無性に動きたくなりますよね。 私事ですが誕生日前後には必ずコンサートに行くことにしています。まあ自分へのご褒美ですね、今まで無事に過ごせたことへの感謝、これからも穏やかに生きて行こうという決心、そんな感じでしょうか。 今年はオペラに行きました。藝大でオペラを観るようになってからオペラへの抵抗感がだいぶ薄らいだように思います。若いときの毛嫌い、食わず嫌いも時が経てば平気になるようなものです。今回は昔もっとも嫌いだったイタリアオペラのひとつ、プッチーニの「トゥーランドット」です。 今回のお目当ては最近人気の指揮者アンドレア・バッティストーニ。一度生で聞きたかったのです。けれどオケは東京フィル、トゥーランドットとカラフ以外は日本人キャスト、果たしてこのグランドオペラの華がうまく咲くのでしょうか。 プッチーニ オペラ『トゥーランドット』<演奏会形式>(2015年5月18日(月))指揮:アンドレア・バッティストーニトゥーランドット(ソプラノ):ティツィアーナ・カルーソーカラフ(テノール):カルロ・ヴェントレリュー(ソプラノ):浜田 理恵ティムール(バス):斉木 健詞アルトゥム皇帝(テノール):伊達 英二ピン(バリトン):萩原 潤パン(テノール):大川 信之ポン(テノール):児玉 和弘官使(バリトン):久保 和範合唱:新国立劇場合唱団児童合唱:東京少年少女合唱隊 ほか コンサート形式は音楽をじっくり聞くのに向いています。豪華絢爛たる舞台装置も素敵ですが、オケの音と歌声に聞き惚れるのもまた一興かと。 舞台は照明をうまく使って場面の雰囲気をうまく伝えてましたし、少ない動きながら演技もありで長丁場を全く飽きることなく最後まで聴き、観ることができました。 トゥーランドットを全曲通して聞くのは実は初めてでしたが、冒頭の響きからごつごつした筋肉質の塊が噴出してきて、まるでオルフのカルミナブラーナみたい。続くオケの絶叫、不協和音などこれは完全に「20世紀の音楽」(1920年代の作品なので確かにそうなのですが)です。時折叙情的な甘く切ないメロディー、柔らかな響きなども聞かれますが、私にはオルフ、シェーンベルク(グレの歌)、リヒャルト・シュトラウス、ハリウッド映画音楽が聞こえてきました。プッチーニというとラ・ボエームの印象が強くて泣かせるメロディーを延々と聞かせる、ちょっと感情過多な作曲家だったのですが、こんな現代音楽すれすれなところまで来ていたことに今更ながら驚きました。 さてお目当てバッティストーニはというと、確かに凄い指揮者です。とにかく音がでかい(笑)。サントリーホールはよく響くホールなので音が飽和状態でした。その叩き付けるようなフォルテは豊かで明晰な響きであり、時に驚怖を、時に熱狂を客席から自在に引き出していました。それだけでなく弱音でも決して痩せることがないのには正直驚きました。これが日本のオーケストラとはちょっと信じられませんでした。それでいながらベースラインもきちんと聞こえるし、弦楽からビロードのような響きを引き出す、やはりただ者ではありません。 音楽の運びはダイナミックでストレート、カンタービレにもう少し自在さが欲しいところもありましたが、若干27歳ですよ。この衝撃はラトルが初来日したとき以来です。周囲がうまく育てあげれば将来大物になれるでしょう。 歌手について、カラフのヴェントレさんは不調、声が出てませんでした。それでも有名なアリア「誰も寝てはならない」では見事な歌唱、拍手喝采でした。トゥーランドットはいまいち存在感不足、それに比べてリューの浜田さんは可憐でいながら芯の強さも持つこの役を見事に歌い演じきりました。リューが死ぬ場面では思わず涙がこぼれました。 彼女に限らず、日本人キャストの素晴らしさには感動を覚えました。歌声だけでなく声で演じると言いますか、見ていて聞いていてほんとに楽しかった。あと合唱の威圧的な響きも凄かった。 終幕のエンディングはプッチーニの死により弟子のアルフォンソが書いたものですが、ちょっとせっかちな印象があるものの(特にトゥーランドットの改心が早い)、最後に「誰も寝てはならない」のメロディーで皇帝の栄光を讃える大合唱+オケの熱演にはカラダが震え、脳天に何かが突き刺さるような痺れるような感覚で、息ができないほどでした(大げさではなく、あの場にいた人ならわかってもらえると思います)。その圧倒的な演奏の前では筋書きが不自然だの、弟子の書いた部分が不出来だのといったことはどうでもいいことのように感じました。 最後の音が鳴り終わった途端に大ブラボーの連続、いつまでも鳴り止まない大拍手が今回の公演の成功を何よりも物語っていたのではないでしょうか。 バッティストーニ、楽しみな指揮者です。またオペラ行きたいなあ。[CD] アンドレア・バッティストーニ(cond)/レスピーギ:交響詩≪ローマの祭≫≪ローマの噴水≫≪ローマの松≫(ハイブリッドCD)バッティストーニの名を日本に根付かせた、レスピーギ。日本のオケとは思えませんよ。[CD] アンドレア・バッティストーニ(cond)/マーラー:交響曲第1番≪巨人≫(ハイブリッドCD)東フィルとの第二弾はマーラー。未聴ですがこれも凄そうだなあ。【送料無料】 Verdi ベルディ / 『ファルスタッフ』全曲 メドカルフ演出、バッティストーニ&パルマ・レッジョ劇場、マエストリ、ヴァシレヴァ、他(2011 ステレオ)(日本語字幕付) 【DVD】プッチーニはないですが、ヴェルディのDVDは何点か出ています。(参考)小澤さんがパリで振ったトゥーランドット。画質は悪いですが、これも大変な名演です。DVD出ないかなあ。
2015年05月23日
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桜も散り始めたというのに先週からの寒さに身が縮んでしまいますね。なかなか来ない春の陽気もいつかは必ずやってくることを思えば、この寒の戻りもしばらく我慢ができそうです。 以前よりファンであった高関さんがついにというかやっとというか、この4月より在京オケの常任指揮者となりました。これで群馬まで遠征に行く必要がなくなります(笑)。オケは東京シティフィル、しばらく宮本さんが音楽監督を務めていましたね。この比較的若いオケの常任になるということで4月11日の就任披露演奏会はとても楽しみにしていました。 東京オペラシティコンサートホール(タケミツメモリアル)はシューボックス型ホールですが、高い天井に謎のピラミッドが吊るされているユニークなホールです。音響的にはデッドを予想してましたが実際はかなりよく響くようです。低音のたっぷりした響きに高音はマイルドに響いてなかなか好ましいブレンド具合です。今回は1階席で聞かせていただきました。 演目はスメタナの「我が祖国」全曲。渋い、渋すぎる選曲です。パンフのご本人の弁によれば、重要な演奏会では必ず取り上げてきたとのこと。それだけ自信を持って振れるということでしょう。 新しい指揮者への期待からか、会場もほぼ満席状態でした。比較的お年を召した方々が多かったような、でも若い学生の姿も見受けられましたよ。 舞台には所狭しとメンバーが乗っています。当然ヴァイオリンは両翼配置、ベースは上手側です。 演奏の詳細に私ごときが触れることはできませんが、たいへん明晰で要所を得た的確な指示により、表現意欲の旺盛と後半からの盛り上がりが素晴しく、終曲のラストで高らかに冒頭主題が鳴り渡るところでは思わず胸が締め付けられてしまいました。ほかのお客さんも多いに満足したようで、この新しい指揮者の門出にふさわしい万雷の拍手と熱気でした。 私も思わず定期会員になりましたよ。プログラムも意欲的で、シティフィルなかなかやるなあと思います。ティアラこうとうも行かないとなあ、今年は忙しいぞ 任期は3年らしいですが、是非長く続けてマーラー全交響曲演奏なんてやってほしいな。 まずはご就任、おめでとうございます!>高関さん【楽天ブックスならいつでも送料無料】【輸入盤】連作交響詩 《我が祖国》 全曲 アンチェル / チェコ・フィル [ スメタナ(1824-1884) ]我が祖国と言えばチェコフィルはあまたの名盤を生み出していますが、ここは悲劇の指揮者アンチェルで。昔のチェコフィルの響きが聞かれます。【送料無料】 Smetana スメタナ / 『我が祖国』ほか クーベリック / ボストン交響楽団 ほか 輸入盤 【CD】この曲の定盤。ボヘミア出身の指揮者クーベリックと小澤さんの手兵だったボストン響の機能性に優れた演奏で。
2015年04月13日
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ジャンヌ・ダルク:ニーナ・ラウチオ(S)シャルル7世:オレグ・クリコ(T)アグネサ:マリア・ガヴリーロフ(S)枢機卿:グレブ・ニコリスキー(B)リオネル:ウラジーミル・クルーチコフ(B)デュノア:ミハイル・クルーチコフ(B) ほかアレクサンドル・ラザレフ指揮ボリショイ交響楽団・合唱団(1993年6月ボリショイ劇場) レーザーディスク(LD)をご存知だろうか。DVD以前に映像媒体と言えばビデオテープとこれだった。もっともLDに録画することはできないが。CDが世に出て間もなく「絵の出るレコード」(30cmの円盤でLPと同じサイズだった)として発売された。しばらくVHDと競っていたが、CDと同じく非接触で劣化が無い、解像度が高いということでLDが世の中に広まった。普及したのは80年代後半だったと思う。 画面の美しさ、音も当初はアナログだったが新譜はCD並みの高音質で重宝した。特にオペラやマーラーなどの長時間なライブは楽しんだ。 その後、90年代後半にDVDが普及して、重くて収録時間が短いLDは廃れてしまった。ただ未だにDVD化していないソースもあり、LDプレーヤーを何とか復活させたいとは思っていた。が何十年ぶりに動かしてみるとトレイすら出て来ない。LDプレーヤーはすでに生産終了だし、困った。 最近友人よりLDプレーヤーを譲ってもらった。ありがたい。持っているソースをかけるとデジタル映像に比べれば解像度は低いものの十分な画質だし、デジタル出力からDACにつなげば音質だって何の問題ない。 廃れたLDソフトは中古屋でも格安だ。何しろプレーヤーの生産が終わっているのだから。1枚500円なんて中古CDより安いじゃないか。それで見応えあるオペラやコンサートが見ることが出来る。なんて素晴しい! 今回は新たに購入した1枚。これはDVDでも日本語字幕付きで出ている。 チャイコフスキーのオペラというと「エフゲニー・オネーギン」「スペードの女王」が有名だが、実際オペラ好きでもあんまり聞かないだろう。ロシアオペラならムソルグスキーやボロディン、リムスキー・コルサコフのほうが面白い。チャイコフスキーのオペラはロシア臭さよりはイタリアオペラに近い。だがよく聞くとやはりロシアっぽい(チャイコフスキー節というべきか)という中途半端な味わいなのだ。 この「オルレアンの少女」(ジャンヌダルクのこと)はグランドオペラを目指した作品。非常に劇的かつ迫力がある。今回のLDはチャイコフスキー没後100年を記念してボリショイ劇場が取り組んだ舞台。広い舞台に手の込んだ装置を存分に活かした豪華な演出は見ごたえ抜群。加えてラザレフの重厚かつ叙情性に溢れた音楽作り、歌手たちの奮闘ぶり(タイトルロールがちょっと硬いかな)はさすがお国ぶりを発揮している。 それにしても38歳のチャイコフスキーの自信作かつ初演でも大成功した作品なのに、今ではすっかり廃れてしまったのはあまりに惜しい。難しいことを言わなければとても楽しめるのに。歴史ドラマにジャンヌの恋がからんで、最期の火あぶりに至る筋書きはちょっと面白い。敵将に恋したジャンヌは神の声が聞こえなくなり、救国の少女が一転魔女扱いされてしまうのだ。ここにもチャイコフスキーのテーマである「許されぬ愛の苦悩」が形を変えて現れている。 滅多に演奏されないこういう作品を聴き観ることができるのも盤漁りの醍醐味というもの。同時に購入したプロコフィエフの「炎の天使」もサイケで良かった、と記しておく。【楽天ブックスならいつでも送料無料】チャイコフスキー 歌劇≪オルレアンの少女≫(ジャンヌ・ダルク)全曲 [ ザ・ボリショイ・オペラ ]LDだと2枚組だがDVDは1枚。こういうところはDVDはいいよねぇ。【楽天ブックスならいつでも送料無料】【輸入盤】『炎の天使』全曲 D.フリーマン演出、ゲルギエフ&マリインスキー歌劇場、ゴルチャコーワ、レイフェルクス、他(1993 ステレオ) [ プロコフィエフ(1891-1953) ]これは日本語字幕がないDVD。LDではマリンスキーシリーズで出てたんだけどねえ。
2015年01月10日
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大晦日は日中暖かでしたが、元旦は冷え込んでます。実家の方では吹雪いているそうです。 旧年の音楽関係の大きなニュースと言えば、アバド、マゼールの死去はたいへん残念でありました。またクラシックではありませんが、パコ・デ・ルシアの死は青春の思い出と重なり非常にショックなニュースでした。 個人的にはよいコンサートも多く聞けて充実した1年でした。特に学生オケの奮闘ぶりに将来のクラシック界に希望が持てました。もはや衰退した音楽と言われてますが、伝統というものはそう簡単に滅ぶほど脆弱なものではありません。長く生き延びてきた底力があります。 最近のヨーロッパから発信される若手の活躍は目覚ましく、これまでの巨匠たちと違うフレッシュで活き活きとした演奏に新たな表現の可能性と喜びを感じ取りました。 ドゥダメル、ネゼ=セガン、ペトレンコ、ソヒエフなどの欧州の周辺出身のひとの活躍に加え、バッティストーニやクルレンツィスなど活きのいい指揮者も出てきました。 ピアノではリシッツァやユジャ=ワン、ファヴル=カーン、アリス・オットーなど美人だけどめちゃうまいひとがいっぱい出てきて目と耳を楽しませてくれています。他の分野でも若手の活躍が目覚ましく、もう巨匠たちの盤を漁ってる場合ではありません。 日本のクラシック音楽も昔はメカニカル一辺倒だった時代から心の表現へと変わりつつあるように思います。日本人が西洋音楽を奏でることにどれだけの意味があるのか、小澤さんの根源的な質問は若い世代へ確実に受け継がれ、その回答も見いだされていようとしています。近年の日本人演奏家たちが欧州で普通に活躍しているのもその現れと言えましょう。 サイトウキネンフェスティバルも今年より名称をセイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)と変更するそうです。いろいろ言い分もあると思いますが、サイトウキネンが故斎藤秀雄の遺志を確認する場なら、OMFは若い人へその遺志を受け継ぐとともに斎藤の弟子たちがそれぞれの現場で得た経験や知恵を伝える場であろうと推察します。その代表としてセイジ・オザワの名が冠としてあがったと思います。 もちろん名前が変わったからと言って質まで変わってはフェスティバルの意味がないでしょう。これから新しい名称によりどんな演奏が繰り広げられるのか、楽しみですね。 今年一年、みなさまにとって良い年でありますように。良い音楽が聴けますように。【楽天ブックスならいつでも送料無料】レスピーギ:ローマ三部作 [ アンドレア・バッティストーニ、東京フィルハーモニー交響楽団 ]日本のオケもここまで来たか!熱狂と興奮のレスピーギ。しかもそれだけじゃないところがこの人の凄いところ。【楽天ブックスならいつでも送料無料】モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」(全曲) [ テオドール・クルレンツィス ]今まで聞いたことの無いフィガロ。ぶっ飛んでます!この勢いでダ・ポンテ3部作を録音するそうです。【楽天ブックスならいつでも送料無料】ヴァレンティナ・リシッツァ:ピアノ・リサイタル [ (クラシック) ]今やデッカからデビューしたYouTube出身の(笑)リシッツァ。この盤の「死の舞踏」はピアノ独奏版。冒頭の響きから圧倒されます。タールベルクでは腕が3本あるでしょ。【送料無料】 Tchaikovsky チャイコフスキー / チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番、ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ファヴル=カーン、G.ノヴァーク&ブルターニュ管 輸入盤 【CD】はっきり言います。チャイコのピアコンでアルゲ○ッチのCDはもう要りません!ユジャやアリスはすでにいっぱいCD出てるので割愛します(笑)
2014年12月31日
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曇った日々が続きますね。今年は野菜も米も日照不足や大雨や台風やらで収穫量が少ないらしい。これからそんな影響をじわじわ感じてくるのでしょうか。 さて、今日は久しぶりにマーラーの第9番を聴きました。暑い夏にマーラーは相当鬱陶しいので聴かないんですが、これだけ肌寒い日が続くと聴いてもいいかなと。手元に在る録音物から本日のチョイスはラトル=ウィーンフィル盤です。 この盤はラトルがウィーンの定期演奏会デビューした際(93年12月)のライブ録音です。このときラトルはヴァイオリンを対抗配置(第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが左右に分かれる、昔の配置です)を要求したがオケ側が拒否(大人げない)、一時はラトルが演奏会をキャンセルするとまで言ったとか言わないとか。結局対抗配置で落ち着き、演奏会は大成功。以降、ラトルとはベートーヴェンの全集を作成するなど蜜月関係へと発展して行きます。 この演奏もしばらくぶりで、聴いてみると、しなやかな弦楽に甘ささえ感じる木管群、パワフルながら決してでしゃばらない金管群とウィーンフィル特有な美しい響きの上に、リズムの軽やかさ、テンポの切り替えのシャープさにラトルらしいきびきびした音楽運びがうまく乗っかって、重くなることのない美しいマーラーに仕上がっています。 ラトルはレコーディングデビュー時にマラ10をボーンマス響と録音しています。おそらく彼はマラ10の視点からマラ9を振っていると思います。所々に10番を予見させる響きを作り出しているからです。これは面白い解釈でした。 この後ラトルはベルリンフィルとこれ以上ないくらい精緻なマラ9をベルリンフィルと録音しています(07年10月)。演奏時間だけ見るとベルリンフィル盤のほうが若干長くなっていますが、実際聴いてみますとウィーンフィル盤のほうがゆったりした印象を持ちますから不思議です。 さて今回久しぶりにマラ9を聴いて、この先マーラーが長生きして交響曲を書き続けていったら、どんな曲を書いて行ったのだろうと空想を巡らしました。現在我々は第10交響曲を復元した形ですが耳にすることができます。従って9番と10番から未来の11番、12番を想像できるのではないでしょうか。 9番に時折聴かれる無調的な硬質な響きは10番になると多用されているように感じます。あのまま進めばシェーンベルクのような、あるいはベルクのような絶叫と混乱と狂気が混ざった響きになっていったのでしょうか。 マーラーは1911年に亡くなりましたから1914年に勃発した世界大戦を知りません。ヨーロッパ文明の最期の輝かしさ、栄光と繁栄を信じたまま亡くなった、幸せな知識人だったのです。 そう考えると10番に聴かれる不安定さは安定した根底(ヨーロッパ音楽の伝統)があるからこそできたのではないでしょうか。その根底が崩れ拠り所がなくなってしまう怖れからシェーンベルクは12音技法を新しく体系化したのですが、マーラーが長生きしていたらやはり同じように音楽システムを新しく作ろうとしたのでしょうか。 結局歴史にifはない、というようにマーラーは調性という伝統の音楽システムのなかでどこまで響きを拡大できるか、その限界点を提示したというのが歴史的使命だったのかもしれません。 ラトルはクラシックはもちろん現代音楽やジャズ、ロックなどを知り楽しんでいる現代の演奏家です。対するウィーンフィルも現代のオーケストラながらクラシックの伝統を継承する立場です。同じ現代を生きながら微妙に異なる立場や背景の差異を感じながら、この演奏は我々にある不思議を語っているように思います。 それは「それぞれの時代を生きる」ということです。マーラーの生きた時代、ウィーンフィルが生きてきた時代、ラトルが生きようとしている時代、それぞれがいまここで重なっている不思議。 これがクラシック音楽という昔の音楽を現代で聴く面白さだと思うのです。【楽天ブックスならいつでも送料無料】マーラー:交響曲 第9番 R.シュトラウス:メタモルフォーゼン [ サイモン・ラトル ]本日聴いた演奏です。ライブゆえか音像が小さいのが玉に傷。でもいい演奏です。【楽天ブックスならいつでも送料無料】【輸入盤】交響曲第9番 ラトル&ベルリン・フィル [ マーラー(1860-1911) ]参考までにベルリンフィルとのマラ9。精緻の極限までいった堂々たる演奏です。が、いまのこのコンビなら更なる高みを目指せると思います。
2014年08月31日
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最近はすっかり涼しくなっていつの間にやら秋の気配ですね。しばらくぶりの更新です。 さて、今年のサイトウキネンフェスティバル松本ではついに小澤さんがお元気な姿で渾身の演奏を繰り広げたようです。(以下、朝日新聞デジタルより転載)松本市で開催中の「サイトウ・キネン・フェスティバル(SKF)松本」で、メーンプログラムのオーケストラ・コンサートが29日夜、キッセイ文化ホールで開かれた。ベルリオーズ「幻想交響曲」を指揮する総監督の小澤征爾さんが舞台に姿を現すと、観客から拍手が送られた。 SKFのオーケストラ・コンサートで小澤さんが指揮するのは4年ぶり。幻想交響曲は2010年にも演奏されたが、このとき小澤さんは腰痛で降板し、代役が指揮した。 同コンサートは31日、9月2日にも公演が予定されており、チケットは完売している。http://www.asahi.com/articles/ASG8Y41QJG8YUOOB008.html ファンとしてはこれほど待ち望んだ日はありません。幻想は小澤さんのオハコの曲、特にサイトウキネンオーケストラ(SKO)とは2007年に松本ライブ、2010年にニューヨークライブをそれぞれ録音しています。2007年盤の息詰まるような高揚感と迫真性、2010年盤ではさらにドラマティックな表情が加わり(しかもともに精緻なアンサンブルは相変わらず)、有名なミュンシュ盤をも超えたと確信しています。 今回の幻想では更なる高みを目指した演奏になっていると思われ、録音されていれば是非聞いてみたいものですね。 コンサートはあと2回あるようなので、全公演をお元気に乗り越えることができるよう、心からお祈り申し上げます。とは言うものの無理しないでほしいですね。今の小澤さんならかつてのシューリヒトのように目だけで指揮できるのですから。 来年はベルリオーズの「ベアトリスとベネディクト」という晩年の短いオペラ(といっても約100分ぐらいかかる)を上演するとか。本格的なプログラムへいよいよ取り組むようです。これも今から期待できそうですね。【楽天ブックスならいつでも送料無料】【もう1枚でポイント10倍】ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14 [ 小澤征爾 ]若き小澤さんの記念すべき幻想初録音(1966年12月)。トロント響はがんばってるけど、小澤さんの要求に応えきれていない感じがします。しかし解釈は根本的に変わってないことに驚きです。【楽天ブックスならいつでも送料無料】ベルリオーズ:幻想交響曲 ラヴェル:ボレロ 亡き王女のためのパヴァーヌ [ 小澤征爾 ]ボストン響の音楽監督に就任して最初に取り組んだのがベルリオーズでした。ミュンシュ先生の影響が残る名門オケに、音楽構造を明確に提示する(例えば低弦の動きを「うねり」とせず、はっきり弾かせるなど)小澤さんの指揮が見事な効果をあげています。私にとって長らく小澤さんの代表盤でした。1973年2月録音。【楽天ブックスならいつでも送料無料】ベルリオーズ:幻想交響曲/ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ [ 小澤征爾/サイトウ・キネン ]上記のSKOとの2007年9月録音。特に第4楽章のラストで聞かれるティンパニーの裏打ちの正確さに驚き、しかもこれがライブ録音ということにさらに驚きました。ベルリンフィルの名ティンパニスト、ゼーガスが加わってからSKOはより迫力が増したと思います。【送料無料】 Berlioz ベルリオーズ / 幻想交響曲 小澤征爾&サイトウ・キネン・オーケストラ(2010) 【SHM-CD】上記のSKOとの2010年12月録音。小澤さんを育てたアメリカへの恩返し公演とおそらく考えておられたのではないでしょうか。幻想に限らず、このニューヨークライブシリーズは何か特別な感情が支配しています。2007年盤より若干精緻さに欠けるものの熱気と劇性においては比類なく、古今東西最高の幻想と言って良いでしょう。
2014年08月30日
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激暑な日々が続いています。体力消耗の中、風邪なのか咳が止まらず苦しんでいます。 マゼール氏が亡くなってそろそろ1ヶ月が経とうとしています。もっと早くにコメントしたかったのですが、仕事の方が忙しかったのと、未だに信じられない思いもあってなかなか筆が進みませんでした。 私がクラシックを聴き始めた頃はマゼール始めアバド、小澤さん、メータと新世代の指揮者が次々とレコードを出していて、カラヤンやベーム、バーンスタインの御三家に追いつけ追い越せの状態でした。なかでもメータはレコード会社のプッシュが凄くて「次代の帝王」というキャッチコピーでほぼ毎月レコードが出てた気がします。 マゼールはメータのような人なつこい顔つきじゃないし、かっこいい指揮スタイルでもなかったせいか、私の周りでも人気は今ひとつでした。 小澤さんとマゼールの付き合いは古くて、ブザンソンコンクールの頃から。コンクール以前にマゼールがウィーンでラヴェルの「子供と呪文」をやったのを聞きに行き、楽屋へ押し掛けて挨拶したのがきっかけらしい。その後、ブザンソンでは客演指揮で来ていて(審査員として?)、課題曲である「牧神の午後への前奏曲」を我流で振った小澤さんに対し「これはどう勉強したのか?」と聞いたらしい。「どうやってもなく、スコアを自分なりに研究したんだ」と言った所、「お前は妙な指揮者だ」「お前の(指揮)テクニックは変だ、日本ではそういうのが流行ってるのか?」と。それ以来の仲らしい。 ところが春樹本にはアバドのことは書いてあってもマゼールのことは一切触れていない。 お互いライヴァル意識を持っていたのだろうか、二人の録音歴を見ると奇妙に一致しています。マゼールが録音するとそれからしばらくして小澤さんも録音したり、その逆もあり。以前、火の鳥について書いたことがあったが、小澤=パリ管の録音の下敷きは間違いなく、前年録音のマゼール=フランス国立管盤と思います。他にもベルリオーズのロメオとジュリエット、シェラザード、惑星などなど。。。 この二人はヨーロッパで音楽を学んだわけではない、いわば傍流どおしです。特にマゼールはその後、誰かの弟子になったわけでもない「妙な指揮者」だ。記憶力、絶対音感は桁外れの彼は己の力を信じてのし上がって行きました。小澤さんはカラヤン、バーンスタインさらにミュンシュの弟子になり、特にカラヤンからはコンサートプログラムのことまで細かく指導されてたみたいです(意外と面倒見がいい)。ヨーロッパでの足場はカラヤンがお膳立てしてくれたと言っていいようです。 個人的には、昔フランス国立管との来日公演でドビュッシーの「映像」を指揮台の上で跳ね上がりながら指揮していたのを覚えています。またメシアンの「主イエスキリストの変容」の日本初演を手がけてテレビで放映されてました。その頃の私にメシアンのカトリック教的神秘はさっぱりわかりませんでしたが、とてつもない何かを聞いたという実感だけはありました。(途中寝てましたが) マゼールの録音については次回あらためて書きたいですが、ライブと録音がこれほど違う人もなかなかいないんじゃないか。また86年に国連難民支援チャリティコンサートを開いたりと意外にいいひとだったりします。 まだまだその活動全容が見えて来ないけれど(というより多すぎて整理できない)、これからも折に触れて書いて行きたいです。【ポイント10倍】新品未開封【CD】R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」、交響詩「マクベス」マゼール [SHM-CD][UCCG-90450]後年のバイエルンとの再録音よりウィーンフィル盤を取ります。この盤もまったく人気がありませんが、シュトラウスの複雑なスコアを相変わらずの明晰さで腑分け、それが嫌みにならないウィーンフィルの豊かな響きと、実に面白い録音だと思うんですがねえ。
2014年08月07日
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ずっと雨続きでしたがしばらくぶりの梅雨の晴れ間でほっとします。鬱陶しい雨天続きは気持ちも沈めてしまいます。やはり日差しがあると気持ちも明るくなりますね。 昨夜は芸大フィルの定期演奏会でした。指揮は尾高忠明さん。ラフマニノフの第2交響曲やブリテンの戦争レクイエムなど、このコンビでの名演奏に接し今回も期待していました。 プログラムは渋すぎる内容です ヴォーン・ウィリアムズ タリスの主題による幻想曲 ディーリアス 「村のロミオとジュリエット」〜楽園への道 ウォルトン 交響曲第1番 いくらイギリス音楽に造詣が深い尾高さんのコンサートでもこれは渋すぎでは?と思いましたが、案の定、お客の入りがよくありませんでした。6割程度かな? ディーリアスかVWの協奏曲にしていれば、あるいはエルガーの「コケイン」か「南国にて」だったら、などという勝手な想像もしたくなってしまいます。それもまた楽しいのですが。 タリスは凝った弦楽オケの曲で、通常の弦楽オケに各楽器二人ずつの小アンサンブルとカルテットの3つの編成が時に同時に時に別々に時に往還しながら、曲が進んで行きます。これは録音を聴いてるだけではわからなくて、聴きながら見るに限ります。曲自体は主題をそれぞれのアンサンブルで交わしながら紡いでいく感じですが、全体としては美しい響きと寄せては返す波のようなダイナミクスを味わう曲ではないでしょうか。日本の弦楽は美しいけど細身な響きですが、昨夜の芸大フィルは分厚い響きを聴かせてくれました。 ロミオのほうは割と有名な曲ですが、楽園という宿屋に放浪中の二人が向かう場面の音楽で、日本的に言えば「道行き」です。たいへん繊細で美しい音楽ですが、これから二人が向かうのは死(楽園という宿屋名もまた皮肉ですねえ)ですからなんともせつない音楽でもあります。 ウォルトンの交響曲第1番をライブで聴けるとは思ってなかったので楽しみにしてましたが、結果は想像以上の出来映えで、これはちょっと事件ではないでしょうか。 第1楽章のリズム動機のかっこよさ、続く主題も勇ましく、しびれっぱなしです。第3楽章までの何だか晴れない鬱屈した気分はこのメランコリックな楽章で頂点に達し、聞き手を苦悶の底に陥れます。 ところが最終楽章ではそんな気分とは正反対の、エネルギッシュな音楽が延々と続く。それは何かを必死で追い求めるような、勝利を確信した正義のヒーローが敵をばったばったとなぎ倒しているような、ひたすら活力ある音楽です。そろそろ終わるのかと思えばまだ続く、このしつこさ。初めて聴いた人はもう早く終われと思ったかもしれない。 この曲の印象を一言でいうと「やたらうるさいシベリウスの5番」、シベリウスファンなら聴けると思います(たぶん)。 尾高さんも「疲れる曲です」と言ってたように、オケにとっては体育会系な曲です。めったに聴けない曲を最高の演奏で聴かせていただき、昨夜はほんとに幸せでした。芸大フィルの皆様、尾高さん、ありがとうございました。 最後に、もっとイギリス音楽を聴きましょう!【楽天ブックスならいつでも送料無料】【CDポイント3倍対象商品】Andre Previn RCA Years::ウォルトン:交響曲第1番 ヴィオラ協奏曲 [ プレヴィン/ロンドン響 ]若き日のプレヴィンによる録音。代表作ヴィオラ協奏曲もついてお得かも。【楽天ブックスならいつでも送料無料】【輸入盤】交響曲第1番、ベルシャザルの饗宴、ヴァイオリン協奏曲、ヴィオラ協奏曲、他 ウォルトン&フィルハーモニア管、メニューイン、他(2C [ ウォルトン、ウィリアム(1902-1983) ]やはり作曲者自演盤も聴いておきたい。メニューインのソロも見事!
2014年06月14日
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3/11が日本人の忘れてはいけない日になって3年経った。その間、被災地のケア、原発問題、復興の問題と山積された問題がマスコミを賑わせた。私はそれを見るごとに「なるほど、政府は、東電は何をやっているんだ」と憤りを覚えたものだ。 でも3年経ち、少しばかり様子が変わってきたように思う。災害直後にはコンビニから食料が無くなり、その後もパン類が1週間以上現れなかった。すべては被災者のために、と我慢したものだった。今はまったく以前と変わらずコンビニにもスーパーにも物があふれている。それを当然のように受け止めている自分がいる。 最近ブーニンのドビュッシーをよく聞く。ドイツグラモフォンへのデビュー盤だ。これは手放そうと思って聞いてみたところ、意外と良かったので手放せなくなってしまったのだ。 ブーニンが1985年、ショパンコンクールで優勝するや、日本で大ブームになった。NHKがショパンコンクールの模様を放送したせいだと思う。どんな難曲も軽々としかも実に楽しそうにスイングした演奏、クラシックの堅苦しいイメージを払拭させるに足るイケメン、ピアノの貴公子ともてはやされたものだった。 ご本人は至って真面目に自分の音楽が受け入れられていると勘違いしていたかもしれない。そのうち洗足学園の講師になったり、よせばいいのに協奏曲の弾き振りまでやっていた。 心ある評論家はブームに乗らずしっかり勉強すべき、みたいな苦言を呈していたが、ご本人は何事も経験と思っていたのだろうか。果たしてあのブームは芸の肥やしになったのかどうか。 彼のドビュッシーは来日公演(のテレビ番組)でのアンコールにトッカータを弾いたとき、メインのショパンより煌めきとリズムに切れがあり、これはいいと思った。彼のメカニカルな技術とロマンティックな表情付けがドビュッシーに合うのではないか、と。さすがドイツグラモフォンもかれの才能を見事に把握し、ショパンコンクールの優勝者にドビュッシーを弾かせるという、荒技に出て成功している。 ただこの盤から聞こえてくるのは、日本の大ブームでも天狗にならず、ひたすら真面目に自己と向き合おうとしている青年の、孤独な背中だ。なんと清々しく、でもどこか寂しげでもあるこのドビュッシーを今聞いて、ブーニンのその後を思うとき、日本人の熱狂と忘れやすさと、本質をつかみ損ね、やたらとショパンを弾かせていた我々は猛省しなければならない。ブーニンは今も弾き続けているようだが、その活動ぶりはあまり聞こえてこない。 3/11を忘れてはいけないと言いながら、普段の生活ではすでに遠い出来事のように感じてしまう。マスコミは事あるごとに特集を組むが、まだ事故の本質にまでは至って無い気がする。そして復興への力強い鎚音が聞かれないまま、すでに3年も経過してしまった。[CD] スタニスラフ・ブーニン(p)/EMI CLASSICS決定盤 1300 395: J.S.バッハ: 目覚めよと呼ぶ声あり、他楽天にはドビュッシーアルバムがないため、バッハアルバムを。これも彼のロマンティックな歌の才能にあふれた盤です。
2014年03月11日
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また訃報です。 フラメンコギターの世界を世に広めた、偉大なるギタリスト、パコ・デ・ルシアが2月25日に亡くなりました。66歳とは早すぎます。NHK NEWS Webから転載。フラメンコギターの名手として世界的に知られるスペインのパコ・デ・ルシアさんが25日、滞在先のメキシコで死亡しました。66歳でした。パコ・デ・ルシアさんは兄とともにフラメンコギターを始め、10代のころからプロのギタリストとして活躍しました。スペイン南部の伝統的なジプシー音楽にジャズやブルース、ロックの要素を取り入れ、フラメンコ音楽の幅を大きく広げました。またジャズ・フュージョンギタリストのアル・ディ・メオラさんやジャズ・ピアニストのチック・コリアさんなど異なるジャンルの著名なミュージシャンとの共演も行いました。パコ・デ・ルシアさんは25日、滞在先のメキシコで突然体調を崩し、66歳で死亡しました。スペインの生まれ故郷では、町長が「文化の世界とアンダルシア地方にとって埋めようのない損失だ」とその功績をたたえるとともに、3日間、町全体で喪に服すことを決めました。フラメンコ音楽に大きな変革をもたらし、世界にその魅力を広めた名手の訃報にスペインでは悲しみが広がっています。 私がパコを知ったのは大学のギターサークルに入ってからでした。このサークルはラテン音楽が中心で、代々必ずフラメンコを継ぐ人がいました。彼らは「パコ最高〜!」と言っては録音から耳コピーして弾いていたものです。それまでクラシック一辺倒だった私にとってその音楽は衝撃的でした。 からだの中から沸き上がるようなリズム、パッション、野太い音、嘆き、悲しみ、、、そして超絶的なテクニック。クラシックの洗練された歌とは違う、野趣満点でありながら心に深くしみ込むそれは音楽の根源を知らしめているかのようでした。 自分もフラメンコを弾きたいと思ったこともありましたが、サークル内のクラシックの火も絶やしてはならないと(変な)使命感でクラシックギターを続けたのでした(今想えばちょっともったいなかった)。 それでもフラメンコのテクニックはスペイン音楽をやるときには役立ったし、リズムの考え方はファリャやアルベニス、ロドリーゴなんかを理解するのに重要でした。(6拍子を2つと3つに交互にアクセントを置くとか) パコの素晴しいところはフラメンコの世界だけでなく、フュージョンやジャズ、クラシックまでも手を伸ばしてチャレンジしたところです。そうやって伝統の世界に安住しない冒険者の姿をある人は批判し、ある人は賛美します。パコにとって音楽にジャンル分けは意味がなかったのでしょう。 今でも思い出すのは映画「カルメン」のワンシーン。ビゼーのカルメンをフラメンコ舞踏化して舞台に出すまでの映画ですが、ギターセクションにパコが出演していて、ビゼーの原曲を聴いてからおもむろにギターで同じ曲を弾き始める。それは既にフラメンコ化されていて、周囲はパコに合わせて伴奏、パルマ(手拍子)を始める。「天才ってのはこういうものか」と驚きました。 (もっともビゼーの原曲は「セギリージヤ」などフラメンコの種類を使っているから、まあやりやすいとも言える) 来日公演にも行ったし、レコードもすり切れるくらい聞きました。今でも時々取り出しては胸を熱くしています。本物の天才に言葉はいりません。ただ聞くだけ。それだけで、人間の深いところへ我々を連れて行ってくれます。そしてこの世に在ることの素晴らしさと悲しみを教えてくれるのです。生きる鼓動と流す涙、光と陰。彼もまた偉大なスペインの芸術家でした。 フラメンコの世界を知ることができたのは間違いなくパコのおかげです。 パコ・デ・ルシア(ルシアの息子)、ありがとうございました。 謹んでご冥福をお祈りいたします。[CD]PACODE LUCIA パコ・デ・ルシア/ENTRE DOS AGUAS【輸入盤】16歳のときの演奏(トラック2)から、大ヒット作「二筋の川」(トラック1)、スーパーギタートリオの「カストロマリン」(トラック11)など、これを聞けばだいたい網羅できます。[CD]PACODE LUCIA パコ・デ・ルシア/CONCIERTO DE ARANJUEZ【輸入盤】 アランフェスをパコが弾く!これだけでも衝撃なのに、結構大真面目に楽譜通り弾いてます。ちなみにパコは楽譜読めなくて、このとき初めて勉強したのだとか。駿河屋なら各種キャンペーンにエントリーするとポイント5倍以上!【中古】ジャズCD パコ・デ・ルシア アル・ディ・メオラ ジョン・マクラフリン/ザ・ギター・トリオ【05P24Feb14】【画】スーパーギタートリオのライブ。ギター小僧(かつても含む)必聴です!パコ・デ・ルシア/ライヴ 1974 【CD】これ!これ聞いて私は魂抜かれました(笑)。フラメンコがクラシックの殿堂スペイン王立劇場でコンサートやるってのは、たいへんな事件だったのです。このときパコは26歳。きれきれです。
2014年03月01日
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1989年にカラヤンが亡くなって、ベルリンフィルを誰が継ぐのかが大きな話題になった。小澤さんも候補のひとりだったが、マゼールがやる気満々でもう自分に決まったような雰囲気だったとか。順当にいけばアバドかマゼールだろうが、2回の投票でアバドに決まったそうだ。 ベルリンフィルの音を現代的というか軽くて反応の早い音に作り替えたが、オールドファンからの評判は悪いだろうなあ。このオケがもともともっているポテンシャルからすれば、現代音楽に挑戦するなど、アバド時代のレパートリーの拡大政策はもっともと思われる。ドイツを代表するオケから世界ナンバーワンのオケへ。これがアバド時代と私は考える。 ところが2000年に胃がんで倒れ、手術をしたものの復帰は無理と言われていたが、見事に復活。ここからアバド芸術の最も光り輝く時代へと移る。 復帰最初のヴェルディのレクイエムの映像を見て、私は痛々しさとショックを感じた。もう骨と皮だけのやせ衰えた姿だけではない。指揮ぶりには力がなく、あの若々しかったアバドがいっぺんに年寄りになってしまったからだ。だけど出てきた音楽が、なんと言う輝きと悲痛なまでに平和を願う気持ちの入り交じった名演であった。いつまでも終わらぬ戦争の告発。私にはそう聞こえた。 ベルリンフィル辞任後、2003年のルツェルン音楽祭でのマーラー「復活」は、思えばこの曲で国際デビューを果たした因縁ある曲ということもあって、たいへん見事な演奏だった。病気で一度倒れた人だから見える光があるんだな、と聞きながら思った。その後に続く、ベルリンフィルやルツェルンでのマーラー演奏はどれも素晴しく、悲しみだけではない生きる喜びがそこには充満している。希望、光と言ってもいいだろう。生きていることは素晴しい!そんなメッセージが伝わってくる。 晩年のアバドは演奏仲間に恵まれて、ほんとに幸せそうに見えた。ほんとは肉体的に苦しかったに違いないけど、演奏中の生き生きとした表情、あふれる音楽への愛情が堪らない。モーツァルトも素晴しいし、音盤化されてないけど2011年のベルリンフィルとの「大地の歌」は涙なくしては聞けない、現代最高の演奏だ。 最後に、小澤さんとは60年代にニューヨークフィルのアシスタントコンダクターとしてご一緒だったそうで、才能とともにその人柄の良さでみんなから愛されていたと語っていた(ニューヨークフィルのオーボエ奏者の娘とくっつけられそうになったとか)。 相変わらずアバドが嫌いなひともいるみたいだけど、音盤制作だけが指揮者の仕事じゃないから、そのうちいろいろライブ録音が出て、評価も変わってくることでしょうし、そう願いたい。 もう少し長生きして、たくさんいい音楽を聴かせてもらいたかった。 ご冥福をお祈り申し上げます。輸入盤 スペシャルプライスMahler マーラー / 交響曲第2番『復活』 アバド&ルツェルン祝祭管弦楽団 【BLU-RAY DISC】ブルーレイで聞くアバドの「復活」!これは名演です。【送料無料】【輸入盤】交響曲集(第29,33,35,38,41番) アバド&モーツァルト管弦楽団(2CD) [ モーツァルト(1756-1791) ]何の力みもない、とてもしなやかでひたすら美しいモーツァルト。【送料無料】 Mahler マーラー / 交響曲第8番『千人の交響曲』 アバド&ベルリン・フィル、ステューダー、オッター、ターフェル、他(2SHM-CD) 【SHM-CD】まだ病気前の録音だけど、この曲のスタンダードとも言える演奏。オペラチックだけど決して形を崩さない、このバランス感覚がアバドならでは、です。
2014年02月20日
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久しぶりのブログ更新が訃報から始まるのは気が重いけれど、自分にとってアバドという指揮者がどのような位置づけにあったのか、確かめる意味においてもやはり書かずにはいられない。 初めてアバドを聴いたのはおそらくマーラーの交響曲第2番「復活」の録音だったろう。昔のFM放送は偉くて新譜をばんばんかけてくれた。評判の録音だったから聴きたかったけど、LP2枚組は中学生の私には高かった。それで放送されるまで待ったのだった。 深夜、眠い目をこすりつつ聴いたその演奏は、それまで聴いていたバーンスタイン盤の劇的なそれとは異なり、実に美しかった。特に第4楽章でマリリン・ホーンが歌う「原光」に「これは女神の歌声だ」と思ったのを覚えている。続く第5楽章はバーンスタイン盤の阿鼻叫喚の地獄絵図とそこからの救済を音のドラマで表していたのに対し、整然とした語り口による論理と説得力と自信に満ちた輝かしいクライマックスを聴かせてくれた(まあそんな気がした)。少なくともそこには地獄も天国もなく、あるのは圧倒的な音楽の充実感、音楽の美そのものの感動があった。これはとんでもない演奏だと思った。 その後も順調にマーラーの録音を出しつつ、他のレパートリーも着々とこなししかもオペラの録音までどんどん世に問う様に、小澤ファンとしてはいささか羨ましかった。70年代後半、40代の小澤さんでもまだ交響曲全集もオペラの録音もなかったからだ。 プロコフィエフのスキタイ組曲「アラとロリー」の録音も鮮烈な印象だった。ほぼ初めてプロコフィエフを聴いたのだったが、圧倒的な音響のなかで、しかも実に精密に練られた演奏プランにいっぺんに好きになってしまった。たしか中古レコード屋で見つけてからしばらく、毎日聴いていたのではないか。先ほどの「復活」もそうだったが、シカゴ響のうまさには(当時はあまり気づかなかったが)舌を巻く。 さてその後もロンドン響やウィーンフィルから録音を次々出していたが、どうも日本の音楽雑誌ではあまり評判が良くなかった。アバドというと「あの優等生的な演奏」と誰もが書いた。「微温的」「面白みがない」などと書かれることもあった。実際聴くときっちりまとまったスマートで手際のよい演奏だが、確かにどこか教科書的と言えなくもなかった。ただアバド自身お好きなムソルグスキーやプロコフィエフでのキレの良さは抜群で、スタイリッシュかつコントロールされた音響ともども、かなりアバドの意思を感じた。(つづく)[CD] クラウディオ・アバド(cond)/マーラー: 交響曲第2番ハ短調 復活(マーラー没後100年記念/SHM-CD)今聴いても新鮮な「復活」です。輸入盤 スペシャルプライス【送料無料】 Tchaikovsky チャイコフスキー / チャイコフスキー:交響曲第6番『悲愴』、プロコフィエフ:スキタイ組曲、ベルク:『ルル』組曲、他 アバド&シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ 【DVD】楽天にはシカゴ響との旧盤がなかったので、2010年ルツェルン音楽祭のときのライブ録画から。往年のシカゴ響のキレはないが、この若いオケも健闘しています。
2014年02月16日
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続けての訃報で気が重くなってしまいます。 ヴァイオリニストの潮田益子さんが、5月28日、アメリカのマサチューセッツ州ケンブリッジで、白血病のため亡くなられました。71歳でした。1961年桐朋学園卒業後レニングラード音楽院に留学、1963年エリザベート国際コンクールに入賞。 1966年チャイコフスキー・コンクール第2位以来、世界中で演奏活動を続けていらっしゃいました。また、水戸室内管弦楽団、サイトウ・キネン・オーケストラの中心メンバーとしても活躍され、ボストンのニューイングランド音楽院教授として多くの後進を育てるなど教育活動にも力を入れておられました。 この経歴からもお分かりの通り、小澤さんとたいへん近しい方で、初期のサイトウキネンでは度々コンサートミストレスを勤められていました。例えばブラームスの交響曲第1番第2楽章のヴァイオリンソロや、ストラヴィンスキーの「ミューズを率いるアポロ」のソロは潮田さんです。水戸室内管のモーツァルト録音ではヴァイオリン協奏曲第5番のソリストでした。 協奏曲録音と言えば、1971年にまだ30代の小澤さんと20代の潮田さんが日本フィルとシベリウス、ブルッフを録音していました(EMI)。これは未聴ですが。 ともに早くから世界に出て演奏活動を続けてきた後輩であり同志であった潮田さんの訃報に、小澤さんもおそらく落胆されていることと推察されます。 あらためて、ご冥福をお祈りいたします。【送料無料】 Mozart モーツァルト / 交響曲第41番『ジュピター』、ヴァイオリン協奏曲第5番 小澤&水戸室内管、潮田益子(vn) 【SACD】現代風な切れよりは豊かに歌う、オールドスタイルなモーツァルト。潮田さんは常に真剣勝負を挑んでいるように聞こえます。【ポイント10倍】送料無料!!新品未開封【CD】イザイ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ全曲潮田益子 [FOCD-3284]これも未聴ですが、難曲に挑まれている姿勢が素晴しい。そしていつまでもお美しいです。【送料無料】シェーンベルク:浄夜 ストラヴィンスキー:ミューズの神を率いるアポロ [ 小澤征爾 ]サイトウキネン自慢の弦が楽しめる好アルバム。私の「無人島の一枚」と言ってもいいです。すばらしい!
2013年06月01日
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アンリ・デュティユーさん(フランスの作曲家)が、5月22日にパリで亡くなったそうです。97歳、大往生です。私がデュティユーの曲を聞いたのは結構遅くて、チョン・ミュンフン指揮のサンサーンス交響曲第3番のCDに併録されてた「メタボール」という作品でした。メシアン、ブーレーズとフランス現代作曲家には割と抵抗の少ない私ですが、なぜか聞かず嫌いという感じでした。聞いてみると実に美しい音響で、サンサーンスより聞いてしまいました。 さて、小澤さんも昔から付き合いがあり、小澤さんからの委嘱により作られ、ボストン響で初録音した「時の影」(1998年3月録音)や、2007年にサイトウ・キネン・フェスティバルで初演された「時の大時計」など、実際に手がけた作品も多い。メシアンとも違う独特の音響感覚(和声感覚?)がもたらす浮遊感が何とも心地よく、ゲンダイ音楽が嫌いな人でも意外と抵抗無く聞けるのではないでしょうか。 訃報に接し小澤さんからメッセージが出ていました。縁のあった方が亡くなるつらさが伝わって来ます。 心よりご冥福をお祈りするとともに、遅まきながら遺された作品を聞いていきたいと思います。【送料無料】デュティユー.時の影 [ 小澤征爾 ]30分に満たない収録には多いに疑問だけど、ボストン響の響きが美しい。【送料無料】小澤征爾/デュティユー:時の大時計このライブ直前にデュティユーが補筆したそうです。ジャケットはそのときの指示か?ルネ・フレミングも困った顔してる?(笑)これも短い曲で最後のトラックにフレミング、デュティユー、小澤さんのインタビューが録音されてます。
2013年05月26日
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1/5(土)13:00よりBS朝日で「サイトウキネンフェスティバル松本2012」よりダニエル・ハーディング指揮の模様が放送されていました。演目は、シューベルト交響曲第3番、R.シュトラウスのアルプス交響曲です。小澤さんによると、最後のタングルウッドで教えた二人のうちのひとりだそうです。もうひとりはクリスティアン・アメリンク(現在の新日フィルの監督)。ふたりは全く正反対な性格でアメリンクは真面目と言ってましたから、ハーディングは元気いっぱいのやんちゃ坊主だったのでしょう(笑)。シューベルトは古楽的アプローチというかまるでベートーヴェンみたいなアクセントの強い演奏。ところがアルプス交響曲は打って変わって、耽美的な演奏でした。この曲の「闇から始まって闇に帰る」鏡像構造を音量的にもテンポでも十分に表していました。特に気に入ったのは「日の出」と「日没」の美しさ、神々しさで、彼の耽美的なアプローチが最も成功していました。反面、登山途中の景観はもう少しゆとりのあるテンポでもよかったのでは。まあこれも曲の構造を示すためには仕方ないのかなあ。今回、管楽器のトップはほとんど外国人で、サイトウキネンオケをずっと聞いてきたファンとしてはいささかびっくりしました。当初の故斉藤秀雄先生を偲ぶという意図が薄らいできてはいないだろうか。このままでは「まつもとフェスティバルオーケストラ」(ルツェルンみたいな感じで)に発展的解散になっていくのかなあ。それにしてもホルンのバボラークのうまさはただ者ではありませんでしたね。今回のアプローチも彼なくしてはありえなかったでしょう。終わった後、ハーディングがそっと目尻を指で拭ったのが印象的でした。この演奏、CD化されないかな。(笑)Strauss, R. シュトラウス / アルプス交響曲、他 小澤征爾&ウィーン・フィル 【CD】小澤さんがウィーンフィルを振ったアルペン。猛烈な音響と分厚いオケ、けれどとても爽やかな後味。これが小澤=ウィーンフィルの味なんですねえ。これ以降このコンビでR.シュトラウスの録音が出てないのが残念です。
2013年01月09日
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明けましておめでとうございます。だいぶ放置していました。昨年はいろいろありましたが、今年こそは更新し続けていきたいです。よろしくお願いします。m(__)mさて、小澤さんはすっかり活動休止中ですが、サイトウキネンフェスでは監督として後進の指導にあたっていたようですね。「火刑台のジャンヌダルク」ではカラヤンの娘イザベルさんを迎えて師カラヤンとの約束を果たすとともに、山田和樹を指揮者として採用して経験を積ませるなど、次世代の育成にも目配せしていました。ジャンヌはやはり小澤さんもやりたかっただろうなと想像に難くありませんが、決して無理をしないところは前回の「青ひげ公」公演での反省もあるのだろうと思います。さてさて、話は変わって、昨日のウィーンフィルのニューイヤーコンサートですが、ウェルザー=メストの指揮は前回の初登場と比べれば随分緊張がほぐれた、良い指揮ぶりでした。ただ今回の演奏は端正で上品と言えば聞こえはいいですが、どうも精気に薄いというか生彩に欠けるというか薄味というか、生命感が不足した感じがあまり好きじゃありませんでした。ディスクのブルックナー5番などはかなり過激な表現で面白かったのですが、どうしたことでしょう。ラデツキー行進曲もとって付けたような賑やかさで、なんだかなあ。まあこれが映像の限界なのかもしれません。来年のニューイヤーは生命力こてこての(笑)バレンボイムが2回目の登場です。【Joshin webはネット通販1位(アフターサービスランキング)/日経ビジネス誌2012】[枚数限定][限定盤]ブルックナー:交響曲第5番/ウェルザー=メスト(フランツ)[CD]【返品種別A】過激なブルックナー。これはこれで悪くない。この頃のフランツは随分尖ってました。(笑)
2013年01月03日
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関東はもう梅雨明けじゃないかってぐらい、暑い日が続いています。それでもまだじっとりした湿気もあり、余計に体力を消耗させますね。 先月ですがコンサートに行ってますので、備忘の意味で記述しておきます。どちらも素晴しい演奏で、大変満足しました。1.芸大フィル定期・特別演奏会(オール・ラフマニノフ)(上野奏楽堂、6/21) ピアノ:江口玲 指揮:尾高忠明 パガニーニの主題による変奏曲 交響曲第2番 どちらも大好きな曲だけに聞き逃せなかったのですが、仕事先から駆けつけたときにはすでにパガニーニが始まっており、中に入れず。ロビーの大型テレビで鑑賞しました。 輝くようなピアノの音に加え、尾高さんの表情付けも大げさにならず演奏の品格を見せます。第18変奏のとろけるようなメローディも甘さの中に大人のほろ苦さを感じさせ、芸大の学生オケであることを忘れさせた瞬間でした。 さて、演奏が終わってアンコールの前に我々「遅刻隊(笑)」はホールの階段まで誘導され、そこでアンコール(ロンドンデリー)を聞いたけど、素晴しいピアノの音にしばし陶然とする。このホールでステージが遠い階段隅でピアニッシモでもはっきり聞こえるなんて驚異的だし、ブリリアントでしかもゴージャスな響きに圧倒されました。 休憩時間後「遅刻隊」は最前列に行けと言われましたが、たいていの隊員は休憩のどさくさに紛れて後ろの席に移動していきました(笑)。私は芸大の若い女の子を間近で見るのもいいなと、そのままで。 件のピアノを見ると「STEINWAY」とだけ。普通は「STEINWAY&SONS」なのでもしやと思いプログラムを見返すと、なんとホロビッツ愛奏の「CD75」ではないですか!100年前にニューヨークで生まれた伝説のピアノ。ホロビッツが愛用し、来日の折わざわざ運び込んだ伝説のピアノだったのです。これはパガニーニを生で聞きたかったなあ。 後半の交響曲は出だしからただならぬ雰囲気、これは前半の手応えにオケがノリにのっている証拠です。いきなりまとめちゃいますが、これは今まで生で聞いた中で最高のラフマニノフでした。尾高さんの音楽にオケ全員がそれぞれに思いを乗せている、とでも言えばいいでしょうか。第3楽章での甘いだけじゃなくどこかせつない思いに目頭が熱くなったし、フィナーレの堂々たる開放感に胸躍らせる、まるで歴史大河ドラマをぶっ通しで見たような重量感を伴う名演でした。(もしCDが出たら絶対買いたい) 尾高さんもしっかりまとめあげるよりある程度自由を与えたやり方のように見受けられました。この長い曲が短く感じられた集中力もいい。なにより下から見上げた尾高さんが終始笑顔で満足そうに振っておられたのが、何よりもこの演奏の出来を物語っていたと言えましょう。2.ジャパン・グスタフ・マーラーオーケストラ 第9回演奏会(文京シビックホール、6/24) 指揮:井上喜惟 交響曲第9番(マーラー) 井上さんは同年生まれためか、気になる指揮者です。彼の音楽は独特の癖があるのですが、はまったときは至高のひとときを味わえます。彼はマーラーを熱心に演奏していてこのオーケストラもマーラー演奏のためのアマオケですが、結構優秀です。 今回のマラ9も期待に違わぬよい演奏でした。第1楽章冒頭からただならぬ感じで名演の予感をさせます。第1主題が全オケ提示される直前の盛り上がり方、タメの深さに圧倒されました。最近はなかなかこういう風にやってくれないんですよね。 第2、第3楽章は練りこみがイマイチで第1楽章の圧倒的パワーの後で疲れたか、と危惧しましたが、最終楽章冒頭の主題の歌い方の濃さに続き弦楽の分厚さに「やはりマーラーはこうでないとなあ」と妙に納得。 現れては消える主要主題の交代に過去を思い出しては前に進もうとするマーラーの積極的な生への燃焼を聞き、コーダ直前の爆発と徐々に音が薄くなって消え入るようなラストに精一杯生きたこの偉大な指揮者・作曲家の背中を見た思いがしました。これは決して死の音楽などではなく、生を生ききった人だけが持つ、ある感慨の感情だと思います。 「感無量」という言葉がぴったりくるでしょうか。開かれた、明るい明日さえ感じさせました。 素晴しかったのはお客さんもで、ラストの静寂を十分感じ取ってからの拍手の沸き方は滅多にあるものではありません。 アマオケゆえの傷はもちろんありましたが、たいへんな熱意と情熱で演奏しており、じゅうぶん満足いく演奏会でした。【送料無料】ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 パガニーニの主題による狂詩曲大人気ランランのラフマニノフ。何しろめちゃウマ。【送料無料】ベルティーニ/マーラー:交響曲第9番&第10番井上さんの師匠ベルティーニの東京都交響楽団とのマラ9。この透明感、希望へとつながるラストは弟子の井上さんにもちゃんと受け継がれているようです。都響もうまい。
2012年07月16日
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また半年ばかり間が空いてしまいました。 その間に小澤さんは1年間療養に専念すると宣言し、一切のコンサート活動を止めておられます。そうは言っても音楽への情熱は止みがたく、教育活動は続けるとのこと。スイスの音楽アカデミーまで行かれるかどうかはわかりませんが、夏のサイトウキネンフェスティバルには顔を出すそうです。 サイトウキネンフェスではオネゲルの「火刑台のジャンヌダルク」を山田和樹指揮、カラヤンの長女イザベルがジャンヌ役で出演するそうです。この曲は小澤さんが若い頃からのレパートリーだし、師匠のお嬢さんが出るのですから是非小澤さんに振ってもらいたかったけど、まあそれも致し方ないでしょう。若い山田さんが小澤さんの薫陶を受け継いでくれればと想います。 こんなことを言っては不遜ですが、小澤さんは今後レコーディングを通じて音楽活動されてはいかがでしょう。先日NHKで水戸室内管との協演を見ましたが、1楽章ごとに疲労していく様子がわかります。確かにコンサートは演奏家にとって醍醐味ですが、今の小澤さんには体力的にも負担が大きいと思われます。 かつてブルノ・ワルターが晩年、コロンビア交響楽団とレコーディング活動をしたように、サイトウキネンオーケストラを母体とするレコーディングオーケストラを結成、1日1楽章ずつという贅沢なスケジュールなら、無理なくできるのではないでしょうか。 1ファンとしては少しでも今の小澤さんの音楽に触れたいという思いからですが、皆さんいかがでしょうか?
2012年07月03日
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1/25水戸室内管の倉敷公演、やはりキャンセルでした。主治医からのドクターストップです。おそらく22日もストップがかかっていたんじゃないでしょうか。でも天皇皇后両陛下ご臨席とあっては無理をしてでも出なくては、そんな想いがあったのだと思います。勝手な想像ですけど。 さて、これで水戸室内管の公演はすべて終わりました。初日の録音、映像は撮られているのかどうか。これからは1回1回の公演がすべて重要です。映像があれば是非見て聞いてみたいものですね。
2012年01月24日
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さて22日の水戸室内管の東京公演は天皇皇后両陛下をお迎えした、大事な公演でした。 小澤さんは19日の水戸定期のあと、体調を崩し20日の公演をキャンセルしました。それは22日が大事な公演であることがわかっていたためでしょう。しかも明日23日の足利公演は早々とキャンセルが発表されていることを考え合わせると、22日は何が何でも出るぞ、という小澤さんの並々ならぬ決意が感じられます。 本日の公演、私はもちろん行けなかったのですが、どうやらプログラムを変更して、小澤さんは後半のみ出たようです。<前半> ディベルティメント、交響曲第35番「ハフナー」・・・指揮者なし<後半> チェロ協奏曲(ハイドン) ・・・小澤さん 両陛下はもともと後半のみお出ましになる予定だったそうです。そこにハイドンをあえて持ってきたのは、小澤さんが将来有望な若者(宮田大)を聞かせたかったからに違いありません。1961年5月5日、バーンスタインはニューヨークフィルとの来日公演の舞台で、ある日本の若者に日本の現代音楽を振らせました。それが小澤さんだったのです(曲は黛敏郎の「饗宴」)。小澤さんにとってレニーは世の中に紹介してくれた大恩人だったのです。それと同じコトを小澤さんもやりたかったのです。 若者にチャンスを与えること、これは世界的ビッグネームになった小澤さんがやらなければならない最期の仕事のひとつと考えているのではないでしょうか。カラヤンも有能な若者と競演することでチャンスを与えてきました。ムターやキーシンもそうやって世界に羽ばたいていきました。 多くの人が小澤さんを非難するでしょう。せっかくの公演、やはり小澤さんのハフナーを聞きたかった、と。けれど大事な舞台で自分ひとりだけ喝采を浴びるのではなく、将来ある若者と協演し道を開かせる、小澤さんのこの気持ちをわかってあげましょう。 それにしてもこう考えると故・朝比奈隆御大は偉大でしたね。最後までお元気だった。大阪で公演する折、小澤さんは挨拶に伺っていたらしい。今生きておられたら、小澤さんに何と声をかけていたでしょうか。「小澤君、76なんてまだまだじゃよ。」 小澤さんが次に登場するのは、小澤征爾音楽塾のオペラ「蝶々婦人」の公演です。見守りましょう。
2012年01月22日
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やきもきさせますね、小澤さん。 1月19日、水戸芸術館において水戸室内管と久しぶりのコンサート復帰で、ついに再始動!と書きたかったのですが、翌20日は体調不良でキャンセルし公演は指揮者なしで行われたとか。 プログラムは以下のとおり。 モーツァルト ディベルティメント ニ長調K・136 ハイドン チェロ協奏曲第1番ハ長調 モーツァルト 交響曲第35番ニ長調「ハフナー」 はっきり言って、そんなに大変なプログラムとは思えないです。ディベルティメントもハイドンもオケにお任せしてもいいくらいだし、35番も力んで振るほどではないはず。 リハーサルでは大変調子が良かったそうですから、うれしくて調子にのって若い頃のようにからだ使い過ぎたんじゃないでしょうか。 今の小澤さんなら指一本、眼光だけでオケを動かせると思います。まあそうしないところが小澤さんらしいんですけどね。 さて、本日22日はサントリーホールで天皇皇后両陛下をお迎えした「天覧演奏会」のはず。果たしてコンサートは行われるのでしょうか。
2012年01月22日
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昨日感想を書いたばかりのウィーンフィルのニューイヤーコンサート。 来年の指揮者が発表されました。 フランツ・ウェルザー=メストです。 小澤さんではなかったです、残念。 とりあえず、ご報告まで。
2012年01月02日
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私事ですが、先月に祖母が他界しましたので新年のご挨拶は控えさせていただきます。皆様にとって、今年一年が良い年でありますように祈念いたします。 さて、恒例ウィーンフィルのニューイヤーコンサート。今年はマリス・ヤンソンスさんでしたが、珍しい曲が満載な上にチャイコフスキーの「眠りの森の美女」まで出てきて、多彩なプログラムで大いに楽しめました。 カルメンの名旋律を巧みに織り込んだ「カドリーユ」や「コペンハーゲン蒸気機関車のギャロップ」での機関車の走る様の描写などが印象に残る一方、「うわごと」のうっとりとした歌わせ方や「雷鳴と電光」でのたたみかける迫力も十分で、昨年の何となくウィーン情緒な演奏より、余程おもしろかった。 「悪魔的ダンス」(ヨーゼフ・ヘルメスベルガー)は小澤さんがニューイヤーで振ったなかで一番の出来でしたが、ヤンソンスはメリハリで畳み掛ける小澤流とは違った、ウネる感じで演奏していて、なるほどなかなかやるわいと一人ニヤついてました。 さて、来年の指揮者はまだ発表されていませんが、できればもう一度小澤さんにやってほしいですね。 今年もよろしくお願いいたします。
2012年01月01日
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仕事が一段落するもからだを壊してしまい、いまだに体調が優れません。喉に痰がからまって寝てるときに息が詰まったりします。危険ですよね。 さて、最近小澤征爾さんが元気です。ファンとしてはうれしい限りです。まずはコンサート情報から。◎水戸室内管弦楽団 東京公演【日程・会場】2012年1月22日(日)18:30開場・19:00開演サントリーホール 大ホール【曲目】モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 K.136(125a)ハイドン:チェロ協奏曲 第1番 ハ長調 Hob.VIIb-1 チェロ独奏:宮田 大モーツァルト:交響曲 第35番 ニ長調 K.385 「ハフナー」 ⇒お~ハフナーですかあ。録音されるのかなあ。まずは腕試しって感じですかねえ。ハイドンのチェロコンは故ロストロポーヴィチとよく演奏していました。昔、夏の音楽キャラバンでもやってましたね。◎小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトXI プッチーニ 歌劇「蝶々夫人」■一般発売日:'12/1/15[日]■日程:3/17[土]15:00 神奈川県民ホール 大ホール 3/21[水]18:30 愛知県芸術劇場 大ホール 3/24[土]15:00 滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 大ホール3/25[日]15:00 神奈川・鎌倉芸術館 大ホール(かまくらプレミアム・オーケストラ・シリーズVol.18)3/28[水]18:30 東京文化会館 大ホール ⇒演出が浅利慶太となれば、一癖ありそうな感じですが、どうなりますか。乞うご期待。◎ベルリンフィル定期 6月22日Gustav Mahler Lieder eines fahrenden Gesellen Matthias Goerne(Baritone) Piotr Ilyich Tchaikovsky Symphony No. 5 in E minor ⇒ベルリンフィルのHPに上がってます。実現すればヨーロッパ復活公演になりますね。 あと公の場にも出ておられるようで、12月3日の恩師丸谷才一の文化勲章受章を祝う会にも顔を出してスピーチをしたみたいです。ユーモア溢れるスピーチは愛情の証でもあります。 このままの調子で上記1月の公演に元気なお姿を拝見できることを楽しみにしております。【20%OFF】[CD] 小澤征爾&水戸室内管弦楽団/小澤征爾 水戸室内管弦楽団モーツァルトシリーズ1 モーツァルト: 交響曲第40番K.550&協奏交響曲K.297B突然発売された水戸室内管とのモーツァルトシリーズの第1弾。物凄く濃密なアンサンブル、そして意外にも分厚い響きなモーツァルトです。遠くにカラヤンのモーツァルトが聞こえてくるようです。
2011年12月06日
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