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戦乱後、荒れ果てた河北の地、観津(かんしん)。

娘の猗房(いぼう)を村の代表として推薦したいという・・・

漢の時代。高祖亡き後の呂太后が実権を掌握していた世の中。

郷父老は、民間選出の指導者で、身分は中央政府から追認される。
“心からというより、肌膚(はだ)で尊敬してしまう”という存在。
(各家は戸とかぞえ、それがまとまり、戸 → 里 → 郷 → 県 となる)

人によっては、とっつきにくいであろう中国古代。
だが、この話は歴史的背景がそれほど細かに書いてあるということはなく、ひとりの少女が家族と別れ後宮に入る、という一点に絞っている。

(もっとも本書では【後宮】という言葉は使っておらず【皇宮】としている。本来の“皇帝の住まい”の意と、“後宮”の意味ももちろん含んでいるものと思われる)
呂太后の時代でありながら、権謀術数が渦まいていたりだとか、血生臭さを感じさせるということがほとんどない。(少しはあるけど) 国家よりも、家族がメイン。弟の広国との別れとそして・・・

200ページたらずで、字がやけに大きい。
中編で、漢字もそれなりにありますが(笑)、とても読みやすいです。
ただ、歴史的には一番肝要な所を簡単に流しているので、その辺りを期待すると、少々物足りない面もある。すっきりしていて読後感もいい話なので、宮城谷入門にはいい一冊だと思いますが。

一時期、この人の本を数冊続けて読んでいた。
時代や人物が重なる部分も多いのが難点だが、忘れた頃に読む分には何の問題もない。
以前から感じていたが、とにかく“誠実”で丁寧。綺麗ごとというのではなく、清潔感がある。それは本作でも感じたし、『漢字のこと語源のこと ―あとがきにかえて―』で言及しているように漢字の使い方ひとつとってもよくわかる。騒乱多き中国の歴史を描くとき、この誠実さが救いとなる気がする。

気になる大長編『楽毅』はいつ読めるだろうか。

『花の歳月』 宮城谷昌光 講談社文庫(1996年1月第一刷発行)





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最終更新日  2004年02月08日 15時17分16秒
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