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ゆるやかに蛇行する川のほとりで、いつも揺れていたぶらんこ。
「船着場のある家」での数日間の出来事。語られる過去の物語。
夏休みが、静かに始まった。


『ドミノ』 を読んで以来の恩田陸。
あちらとはだいぶ雰囲気が違う。(むしろ『ドミノ』が特殊なのだろう)
揺れている少女たちの、愛情、罪、死についての物語。

ある不幸な事件の為に、長らく空家だった「船着場のある家」。新たな住人・香澄は毬子らを招き、演劇祭の舞台背景の絵を仕上げることにした。

毬子と真魚子。香澄と芳野。月彦と暁臣。一緒にいる二人。
やがて明らかになっていく、あの頃のこと。


“少女”の内面について、あまりよくわからないので、
毬子の心情(香澄・芳野への憧れ)について、うーん。というところも正直ある。
女の園というか何というか・・・ちょっとついていきにくい部分も。
皆、超美形だし、まるで少女マンガのよう(読んだことないけど)。

でも↓こんなところは納得。

有頂天になっていると、見ていた誰かに突き落とされる。(略)
背伸びをしてはうずくまり、手を伸ばしては引っ込めて、少しずつ何かをあきらめ、何かがちょっとずつ冷えて固まってゆき、私は大人という生き物に変わっていく。


自分が殊更、青春していたとか、大人になるのが嫌で抵抗していたとか、特別な感情があったというわけではないのに、何故か「そうだよなぁ」と思ってしまう。この話のテーマの一つともいえる“少女でなくなる時”というのは、またちょっと違うのかもしれないけど。


3冊の割にボリュームはあまりない(1冊100Pちょい)が、一つの物語を読み終えたという充実感がある。

さて、本書はちょっと特殊な形で発表されたわけだが・・・
読んだ誰もが間違いなく叫んだと思われる一言。
「何でこんないいところで終わんの!」
巧いというかずるいというか。しっかり最後で盛り上げて・・・【つづく】。
リアルタイムで読んでいる人は相当ヤキモキしたのでは?
まぁそれが狙いであるだろうし、楽しみでもあるかもしれないけど。

一冊ごとにつけた変化も見事。
時間を置いて、分けて出した意味があるというものです。
三冊目の一番最後にくる終章。これなんか分量少ないけど、4冊目といってもおかしくないくらいの重さがあるように感じる。

でもこのままいくと、“1~3冊まとめてハードカバー(1冊)→文庫” というような道をたどったりして。(ちょっと違うが、『上と下』と似たようなもんだ)


『蛇行する川のほとり 2』 (2003年4月初版発行)
『蛇行する川のほとり 3』 (2003年8月初版発行)

本の大きさはノベルズと同じくらいだが薄いっす。





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最終更新日  2004年09月27日 09時00分03秒
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